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2014年6月29日日曜日

人間は勉強すればするほど頭が悪くなる?今朝の時事放談を見て考えたこと

 人は小学校から大学まで教育を受ける場合、合計して約16年間学校に行く。そこで、先生から授業を受け、教科書を読み、テストの前の一週間位は、自由時間の殆どを勉強に充てる。そして、この16年間の勉強で、社会的地位の大半が決まるのが日本の実情である。人生は現在80年位あるのだから、その20%の期間の勉強で、社会における立場が決まるのは、その社会にとってあまり効率の良いシステムで無い様に思う。
   その効率の悪さは日本の政治において顕著である。この16年間の勉強で東大を卒業した連中が官僚になり、実質的に政治を行なう全ての人材だからである(注1)。現在の日本が、戦後約70年経っても米国の属国的立場にあるのは、その16年間勉強した東大の官僚達、そして官僚から政治家になった多くの自民党国会議員達の所為である。
 東大は言わずと知れた日本一の大学である。しかし、これまでの政治家と官僚の無様な国家運営は、彼らが利己主義者か頭が悪いかのどちらかではないかという疑いを抱かせるに十分である。首相になったからには、余程の大物(マイナスの意味で)でなければ、国家の今後を考えて政治に当たる筈である。日本国がその間に歩んだ道筋が全くの対米追従であったことから判断すると、彼らに大物(プラスマイナス両方の意味で)が居なかったことは明らかである。
 東大に入るには、中学校位から勉強をして有名高校に入り、そこでトップクラスの成績を残す必要がある。その間の猛勉強により、先人の考え方を学ぶだけで頭の余白を無くし、発想が貧弱になった人たちが、官僚から政治家になったのではないかと思ってしまう。(注2)そして、当時の所謂出世の道筋は東大から官僚になることであったとすれば、その世俗的な姿勢はそもそも発想の豊かさとは矛盾する。特に長期政権を担った吉田茂(約2600日)や佐藤栄作(約2800日)が大志を持って総理大臣になったのであれば、今日の日本と違って、自主独立の日本になっていただろう。
 今朝の時事放談では2名の東大卒元官僚で元自民党幹部が出席していた。彼らの発言も平凡であり、流石に日本の元幹部だった人たちだと思わせるものはなかった。「最後に(与党)議員達に一言」と司会役のM氏の言葉に、K氏は「次回の選挙は自民党にとっては苦戦になるだろう」という趣旨のもの、T氏は「一人一人が自分で考えて行動すべき」という言葉で応じた。T氏の発言は今の議員達の質の悪さを正しく指摘している。多くの自民党元幹部の一人というレベルの政治家T氏からみても、今の自民党議員達は自分で考えて行動できていないと言うのだから、憲法などまともに読める筈がない。K氏の発言は、”憲法解釈の変更を話題にしたあとだけに、次の選挙のことを言うなんて!”、流石K氏だと思わざるを得ない。

==ご意見等歓迎します。==
注釈:
1)戦後、オリンピックから大阪万博までが国の形を整える時期だとして、そのときの自民党政権元総理で、池田勇人以外は全員東大出身である。そして、東大出の殆どが元官僚である。
2)「読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。」というショーペンハウエルの言葉を教育者は噛み締めるべきだろう。勉強ばっかりして、自分で考えたり行動したりしなければ、頭は悪くなる一方なのだ。

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