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2014年11月30日日曜日

日本の経済政策に対するAndrew Smithersの指摘

 本日中日新聞朝刊のなかに、興味あるコラムをみつけた。それは、日本の経済政策に対する英国のエコノミストであるアンドリュー・スミサーズという人の意見を掲載したものである。最初に、“近年の日本経済を悪いと考えるのは間違いだ。日本人は日本が不況だと過剰反応している。”という文章から始まる。そして、

1)15-64歳の生産人口あたりの成長率は、日米英独仏の先進5カ国中もっとも高い;
2)企業の設備投資を促すという方策も検討違いで、既に企業は設備投資をしており、投資でえられた利益の割合は先進5カ国中最低;
3)日本の税制は、企業に多額の減価償却費(つまり、短期間で償却できるということだろう。)が認められ、且つ、内部留保が巨大になっている;
4)単に法人税を下げるのは財政悪化させるだけである;
5)企業の貯蓄を切る様に税制改正すれば、企業は利益を賃金や配当にまわせば、需要も増加し税収も増加する; 以上5点を指摘している。

 そこで、A. Smithers氏のブログを覗いてみた。http://blogs.ft.com/andrew-smithers/そこには、政府、家計、企業、その他のセクションのお金の流れ(キャッシュフロー)が最近の22年間にわたって棒グラフで示されていた。その他の大きな部分は日銀と外国だと思う。(詳細な説明又は誤りがあればご指摘下さい)

 誰かがお金を貯め込めば、誰かがその分、借金しなければならない。昔から、家計が貯蓄をして、企業や政府が借金をするという形でやって来たが、その関係が1998年からガラッと変化している。この大きな変化について、政治討論などで議論されたのをあまり聞かない。共産党は指摘しているが、大昔から大企業を攻撃するのが彼らの習性であり、従って、何をいっても説得力をもって伝わらない。

 つまり、この15年間企業がひたすら金を貯め込み、ほぼ同額を政府が借金をして使っている。この部分を税制で何とかすべきであるとスミサーズ氏は指摘しているのである。あのリーマンショック前後も、全体としてみれば企業は利益をひたすら貯め込んでいるのだ。それにも拘らず、法人税を減額して20%代にするという安倍さんの政策は、何を考えて何を目的にしているのか全く判らない。

 経済の議論は全て、定量的でなくてはならない。このデータ(グラフ)を前にして、経済の議論してほしいものだ。(グラフは著作権にふれるので、直接上記サイトの11/19日の記事をご覧下さい。)

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