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2015年10月31日土曜日

維新の党の分裂騒ぎの本質

昨夜のBSフジの番組プライムニュースは、維新の党の分裂騒ぎについて、片山虎之助、松野頼久、小沢鋭仁の当事者3人(別々に登場)と政治評論家の伊藤惇夫の4人をゲストに招いてその本質に迫るべく議論した。

最初に登場した片山氏との議論は、代表の任期切れや政党交付金の処理、それに大量除名騒動の話が主であった。片山氏は自分たちの主張である松野氏の任期切れの根拠を説明しようとしたものの、明らかになったのは、維新の党の規約とそれに沿った運営が近代政党としての体裁を整えていなかったことである。片山氏は、この件のゴタゴタをテーブルの上に全部出す役割だったかの様な印象を残して持ち時間を終了した。

伊藤氏の発言で印象に残ったのは、この分裂騒動の裏に総理官邸の姿がちらつくと言ったことである。つまり、この騒動を仕掛けたのは総理官邸(の影)と橋下氏側であると言うのである。伊藤氏はこの時点で、評論家として番組に参加したものの、反安倍政権と反橋下維新という姿勢を明確にした様に見えた。

次に登場した松野氏との議論は、代表任期の件と大量除名の件において手続き上瑕疵があったかどうかという2点と、今後の民主党との関係を含めた残留組の活動方向についての話があった。代表任期の件では日本中代表松野で通っていると松野氏は主張していたが、今やこの件は党規約と党の慣習とを元に裁判所が判断することである。

重要な点は、松野氏が民主党と伴に野党を結集して、自民党に対決できる政党をつくることが今後の残留組の方向であると言った点である。これは維新の党の結党以来の姿勢ではない。つまり、日本維新の会と結いの党が合流してできた維新の党であるが、一旦は維新の遺伝子で統一した様に見せながら、江田氏らが自分たちの遺伝子を復活させて党を乗っ取る行動に出たのが、ドロ沼化した分裂騒動の本質である(補足1)。

そのことを明確にしたのが、3人目に登場した小沢氏である。小沢氏が、“自民党などの既存政党を超える、本当に国民の為の政党を目指すのが、維新の党の方向であった。共産党や民主党と組んで、自民党と対立する勢力をつくるというのが、本来の維新の方向ではない。”と言い、更に、名前を出しては言わなかったものの、江田氏らと合流したものの、両雄あい立たずの状況が顕在化したのが、分裂騒ぎの本質であることを明らかにした。

最後に、伊藤惇夫氏は政治評論家としてこの番組に参加した筈なのだが、そのような役割を果たしていなかった。彼は、反自民という政治屋的発想で話をしておれば、飯が食えるというタイプの人ではないだろうか。小沢鋭仁氏が、江田氏らと橋下氏らの姿勢の違いがこの騒動の本質であるという話をしている間、まともなコメントが何もできなかった。なぜなら、伊藤氏にこの件で見えているのは、総理官邸の影だけだからだろう。

補足:
1)橋下徹氏と松井一郎氏らの維新の会の考えと江田氏らの既存勢力との合流に無理があったことについては、当ブログでも7月7日の記事で書いている。 つまり、本文でも書いたが、この騒動の本質は江田氏、松野氏、柿沢氏らの政治屋的遺伝子が、「維新」の遺伝子とは基本的に異なっていることにある。

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