2017年1月22日日曜日

米国は汚れ役にトランプ氏を選んだのか?

1)トランプ氏の演説の全文がネットに公開されていた。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170121-38702737-bbc-int 全体をざっと眺めた。経済活動で大成功した人だったので、そして、米国という世界のリーダーが選んだ人だったので、流石に立派な演説をする人だと感心したかったのだが、がっかりである。

最初に、「今まであまりに長いこと、この国の首都の少数の人たち(政治家と支配層)が政府の恩恵にあずかり、国民がその負担を担ってきました。(For too long, a smallgroup in our nation's capital has reaped the rewards of government while thepeople have borne the cost.)」と言っている。この部分については異論はない。米国庶民の貧困を、国内問題として正しく捉えていると思ったのだが、後の文章を読めばそうでないことがわかる。

その後、「何十年も前から私たちは、アメリカの産業を犠牲にして外国の産業を豊かにしてきました。この国の軍隊が悲しくも消耗していくのを許しながら、外国の軍隊を援助してきました。(Formany decades, we've enriched foreign industry at the expense of Americanindustry; Subsidisedthe armies of other countries while allowing for the very sad depletion of ourmilitary;) 」と言う文章が出てくる。

また、「貿易、税金、移民、外交に関するすべての決断は、アメリカの有権者とアメリカの家族の利益となるよう今後行われます。」(Every decision on trade,on taxes, on immigration, on foreign affairs, will be made to benefit Americanworkers and American families.)と続く。

何と言う身勝手な言い分だろうか。要するに外国に気前良くふるまったために、米国労働者は貧困になったと言っているのである。今後、米国民と家族のためにそれらの決断を行うと言うのである。この文章は、これまでのアメリカ大統領はこれらの決断を米国民のためにやってきたのではないと言っていることになる。これまでの米国大統領を中傷することになるが、皆黙っているのか?

2)トランプ氏の演説には、大統領選挙の時の言葉と全く変わらず、米国庶民の被害者意識に訴える言葉で充満している。米国庶民が貧しくなったのは、米国が諸外国に恩恵を与えすぎたのが原因であり、その付けは外国が支払うべきだと言っているのである。そして、米国は外国に支払うべき付けなどないと言っているかのようである。中東や東アジアの混乱には米国は一切関わっていないと言うのか?

これまでの世界の政治と経済は全て、米国中心に回ってきた。それが米国の政治家と支配層を豊かにしたのなら、付けを払うのは彼らの筈である。トランプ氏の演説に満ちているのは、真実でも論理でもなく、貧しい米国民の恨み節である。

そして米国支配層が企画した世界の政治と経済の負の部分については、その原因追求とそれに基づいた清算もせずに、責任を全て外国に押し付けたいのだろう。最低の大統領が、強引にグローバリズム以前の原点の方向に舵を切ったと言うことにして、不都合な場所を破壊して公園にしたように、一挙に荒療治をしたいのだろうと考えてしまう。

その汚れ役に選ばれたのが、トランプ氏なのだろう。

追加:玄人の田中宇氏による解説がメルマガで送られてきましたので、ここにアドレスを書きます。相当の深慮遠望あっての言葉だと言うことです。http://tanakanews.com/170124trump.htm (1/25/18:45追加)

0 件のコメント: