2017年11月29日水曜日

日本の総理大臣は、核の脅威に対応できる安保体制を「具体的」に目指すべき

北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの実験を今日未明に行った。安倍総理は、「政府としてはミサイルの動きを完全に把握し、危機管理に万全の態勢をとった」と強調した。そして、国際社会に制裁等の必要性を指摘し、「我が国はいかなる挑発行為にも屈することなく、圧力を最大限まで高めていく。引き続き、強固な日米同盟のもと、高度の警戒態勢を維持し、国民の命と平和な暮らしを守り抜く」と述べた。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171129-00000013-asahi-int

言葉尻を捉えるようだが、ミサイルの動きを完全に把握することが、何故危機管理に万全の態勢を採ったことになるのか、さっぱり分からない。用意万端、迎撃ミサイルを配備しても、そんなもので撃ち落とせるかどうかは運次第である。迎撃システムは抑止力にはならない。米国からイージスアショアを買うなんて補完的対策でしかない。

日本政府としては、国際社会と米国を頼みにするという表明以外に何も無いようだ。彼ら西欧人は、日本の上記のような言葉を聞いた時、すぐに「God helps those who help themselves」という言葉が頭に浮かぶだろう。そして、日本も北朝鮮の様に核兵器保持を始めることになっては大変だ。ここは、日本に調子を合わせて、「北朝鮮の核兵器保時を断固ゆるしてはならない。その為にあらゆる角度からの国際協調で、北朝鮮に圧力をかけるべきだ」と言って、日本の“国際協調とやらの音頭”に唱和しよう」というのが、本音だろう。

核兵器の脅威から日本を守るには、核兵器による抑止力しかない。迎撃ミサイルを持っても、電磁パルス攻撃には対抗できないし、単弾頭ミサイルや多くのミサイルの同時発射などを考えると、完全な防御は日本のGDP全てを費やしても無理だろう。ギャングのマシンガンに対抗するために、防弾チョッキや盾をもって対抗するようなものだ。

しかし、現在の米国の支配層(その番頭役が、キッシンジャーやCSISなどの戦略機関)は、北朝鮮の核兵器を容認しても、日本の核兵器は容認しないだろうと考えられている。そのような日米関係では、独自核武装は無理だろう。しかし、北朝鮮や統一朝鮮が核兵器を保持して、日本の最大の敵国となる環境には日本は耐えられない筈である。

日本の総理大臣たる者、それをどう避けるのか、具体的に模索すべきである。今回、折角北朝鮮がその機会を呉れているのだから、国際協調で北朝鮮に圧力をかけるための音頭を取るという類の馬鹿げたことよりも、日本に対して米国が持つ同盟の意志をこちらも強い意思を持って、確認すべきである。その第一段階として、例えば北朝鮮が核兵器の小型化と中距離弾道ミサイルへの搭載が確認された時点で、米国が日本において核兵器の共有に応じるという文書(安全保障条約の付則)に両首脳が署名するなどが考えられる。

更に、オーストラリアなど環太平洋諸国を対象にNATOと同じような条約に発展させることも考えられる。この種の考え(太平洋安全保障条約)には米国は反対であった。しかし、日本は「今回の事態を含めて現在の東アジア情況は、地域の安保体制を根本的に再考する時期だ」と表明すべきであると思う。

勿論、その件だけを考えて、イエスとノーの間の議論では拉致があかない。そこで、少なくとも日本には広い選択肢があることを米国にも示すべきである。つまり、ロシアとの北方千島領域での大規模な経済協力構想、更に中国との一帯一路構想への積極的関与などである。それらは、日本が独立国であり様々な選択肢を考えているという米国や世界各国に対するメッセージになると思う。

繰り返しになるが、現在の状況で、「政府としてはミサイルの動きを完全に把握し、危機管理に万全の態勢をとった」とか、「強固な日米同盟のもと、高度の警戒態勢を維持し、国民の命と平和な暮らしを守り抜く」というだけでは、日本国の総理としては不十分だと思う。また、そのような議論が国会で発生しないということは、日本の国会はまともな知性のあつまりだとは思えない。総理には、出来れば独立国としての姿勢を示しうる人物に、少なくともそれを目指してその出発点に立てる人がなるべきである。(午後3時40分編集)

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