2018年3月9日金曜日

BSプライムニュースでの南北(朝鮮)会談の評価について

1)昨夜のゲストは、佐藤外務副大臣、武藤元駐韓大使、黒田産経新聞客員論説委員であった。議論の中心は、先日行われた韓国代表団と北朝鮮首脳との会談についての分析である。

その中で、最初に佐藤副大臣が言った様に、「北朝鮮が非核化などに関して具体的に何もやっていない段階で、圧力緩和に動いてはならない」のは、当然である。また、途中で話に出た様に、「今回の南北会談は韓国が米朝会談の仲介をするために行われた」という解釈も当然である。昨日と一昨日書いたこのブログ記事も、完全にそのような解釈で書いている。昨日の記事では以下のように書いた。

「これまで、北朝鮮は米国と水面下で交渉をしてきたが、核の放棄ということは一切言わなかった。そして、これまでの経緯を考えれば、この北朝鮮の言葉を信じるのは愚かである」という意見もある。確かにその通りだろうが、今回大きな違いがある。それは韓国が本気で仲介の労を取るという点である。金正恩にとって、文在寅は世界中を探して最も信頼できる最高の仲介者である。 

しかし、合意事項を箇条書きにした上の文章に関して、武藤氏の「非核化とは、核兵器放棄を必ずしも意味しない」とか、黒田氏の「昔(金正日時代か?)もそのような発言をしていた」とか、佐藤氏の「北朝鮮は韓国を上手く取り込んだ」とかいう発言に象徴される、“斜めから”見る分析などには、辟易とする。(補足1)

おそらくゲストたちは、「北朝鮮と韓国の話し合いだから、斜めから見るべきだ」という、日本の空気に無意識に迎合しているのだと思う。そのような言葉を軽視する日本文化にどっぷり浸かって良しとする姿勢では、外交などできないのではないか。

それに続いた議論のかなりの部分は、合意事項の中の「非核化」及び「体制維持」などの言葉の解釈に費やされた。合意文書中にある非核化というのは、朝鮮半島からの非核化であり、それは核の傘もあってはならないと彼等は言ってくるだろうと、昔の話を掘り出して黒田氏が言っていた。そんな解釈が許される筈はないし、そんな古びた議論を今する理由など無い。

米国の核の傘が韓国を覆っていることをどのように実証するのか。実証できないことを重大な合意の条件にすることなどある筈がない。あまりにも言葉を軽視した議論である。そのような言葉の定義が問題になる筈がない。”斜めから見る”態度の典型である。ちなみに、在韓米軍は核兵器を20年以上前に撤去したことになっている。 https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H88_Y7A400C1MM8000/

この番組でも、日本が何をすべきかではなく、南北談話と米朝会談の進行の予想などについての分析が中心であった。話が慰安婦問題に対する文在寅の話などに移ったので、重要な部分は終わったと解釈してテレビを切った。

2)いずれ行われる韓国仲介の米朝交渉において気になるのは、北朝鮮、文在寅政権、及び米国が、北朝鮮の非核化の話を進めたことにして、北朝鮮の中距離核までの核武装を差し当たり黙認することに成らないかということである。

つまり、北朝鮮問題の解決を急ぐあまり、米国は核廃棄の予定について時間と方法を明記する形での約束をしない可能性である。それは必然的に、北の核保有をイスラエルのような形で認めることになる。

それを防ぐのは、日本が独立国家として目覚めて、北朝鮮問題の解決に間接的でも深く(米国に介入する形ででも)関与することだと思う。北朝鮮に「最大限の圧力を掛ける」という主張ばかりしていては、従属国家として外交を米国に丸投げしていることになる。日本は北朝鮮の核兵器の脅威の中にいるのだから、言葉と事実が一致する形で合意形成されるように、朝鮮半島からの非核化に関与する資格があると(同盟国)米国に主張すべきであると思う。

慰安婦問題など日本の歴史問題を取り上げ、日本の過去の悪事として南北一緒になって世界に告発していこうと文在寅が言っているという話が、番組の後の部分ででた。日本は、文在寅が狂っていると言って済ますのではなく、日本政府の外交にそれほど力がないと考えるべきだと思う。日本が国家としての体裁を整え、威厳を再獲得すれば不合理な発言は慎む筈だと思う。

兎に角、韓国歴史問題にしろ、北朝鮮非核化問題にしろ、日本は”斜めから見る”ような分析や批判だけで済まさず、自国の重要な課題と考えるべきだと思う。そして、日本の成果として具体的に歴史に残すレベルの活動をすべきだと思う。

補足:
1)「斜めから見る」と表現したのは、韓国や朝鮮の姿勢を何かにつけて小馬鹿にする姿勢である。慰安婦問題や反日法などに対して、韓国を批判するだけで十分な対策を取らず、自尊心を満足させることに終始する姿勢を形容する表現に用いた。それら韓国の姿勢は、相手国を馬鹿にしていることが原因である。両国の、互いに馬鹿にしあって感情的敵対を深める姿勢は、両国とも言語が不完全で、その必然として言語の地位が低いことが原因であると思う。両国は、西欧諸国にyellow monkeyと馬鹿にされ無いようにまともな会話をすべきである。(補足改訂、3/9am)

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