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2018年4月28日土曜日

南北首脳会談、今後の半島と東アジア

1)作日の南北朝鮮首脳会談は、北朝鮮の非核化について具体的に何も言及せず、期待はずれだった。

「核のない朝鮮半島の実現を共通目標にする」とか、「統一に向けた定期的な会談を開催する」などというセリフは、発表しない方がましなくらいである。何故なら、朝鮮半島の非核化を目標にするということは、現在北朝鮮が核保有国であることを南北首脳は前提としているからである。

非核化を世界にアピールするつもりなら、5年以内に廃絶するとか、最低でも具体的には米中等との会議で議論するとかいう言葉がなければならない。金正恩の朝鮮半島の非核化の論理は、オバマ大統領の核廃絶運動と同じ論理である。

安倍総理のコメントは、平和へ向かう宣言であるので一応評価し、「今回の会談、米朝首脳会談を通じ、北朝鮮が具体的な行動を取ることを強く期待している」と述べた。

中国の習近平は、中華圏が釜山まで拡大する話なので、無条件に評価するのは当然である。トランプ大統領の反応は一件だけ見つかったのだが、何も言っていないに等しい。

Donald Trump, who is due to meet Kim Jung-un in the coming weeks, hailed the end of the Korean war. “Good things are happening, but only time will tell,” he tweeted. South Korea praised Trump for bringing the two leaders together.

要するに「良いことが起こっているように見える。しかし、真に何が結果として起こるかは時間がたたなければ判らないだろう」と言っているにすぎない。今朝の7時のNHKニュースを今見たが、メルケル氏と並んだ会見場での発言は上記と同じである。

ちなみに、櫻井よしこさんの話によると、米国のCSIS(戦略国際問題研究所)のマイケル・グリーン(Michael Jonathan Green)が、米朝会談が行われない可能性が40%、会談が行われても殆ど何の結果も出ないのが40%、会談が行われて結果が出た振りをするのが18%だと分析しているという。 https://www.youtube.com/watch?v=V7dx8lvYScg&t=644s

今回の共同声明を聞いたら、マイケル・グリーンという人は、上記予想が自信から確信にかわったというかもしれない。しかし、CSISなどは、従来の米国政府なら、政策への影響力が大きかったかもしれないが、現在では全くわからない。

櫻井さんの言葉では、ムーン・ジェインは憲法改正を考えている。6月の地方選挙の時に、憲法前文から「韓国は自由民主の秩序の国である」という文から、「自由」を取るという改正を考えているという。韓国を人民民主主義の国としても良いと考えているようである。

この東アジアの重大で流動的な時に、日本の国会はセクハラ問題に揺れている。野党は(そして与党の反安倍派の一部も)、外国の支配下にあることは今や明白だろう。中心的人物は外国と密接な関係にあったり、ピンクトラップやマネートラップにはまっている人間の可能性もあると思う。

マスコミも同様である。ここで、朝鮮の南北首脳会談で拉致問題への言及がなかったというのが評価の中心的項目なのだから。

2)原点に戻って考える:

原点に戻れば、朝鮮半島の住民は「日本列島の民族」と同様の意味で、一つの民族である。彼らが統一する方向に動くのは至極当然の話である。そして、これまで多くの犠牲を払うことになった20世紀の外国支配から逃れる手段として、核兵器を持ちたいと思うのも当然である。(補足1)

上記引用のyoutube動画で、櫻井さんはムーン・ジェインが憲法改正を考えていると言っている。6月の地方選挙の時に、憲法前文の「韓国は自由民主の秩序の国である」という文から、「自由」を取る改正を考えているらしい。韓国を人民民主主義の国としても良いと考えているようである。南北統一こそ、最優先課題であるというのだろう。

その路線を進むのなら、韓国は今後特に経済的に大変になるだろう。北朝鮮との統一を具体的に考えることは、韓国からの富の流出を意味するからである。これから、韓国民の同意を得ることは、一時の熱狂が過ぎれば困難を極めるだろう。何か重大なことが今後起こる可能性すらあると思う。

ここで今回の上記共同宣言に戻って考えると、非核化は米国の朝鮮半島からの撤退を期待した言葉であり、本心からの言葉でないことは議論する余地がないことが分かる。韓国は、南北統一の暁には核保有国としての朝鮮を希望しているのである。そこで日本は、その朝鮮半島の動きに対して英米の旧来の戦略に協力し、そのフロンティアを受け持つ形で、何時までも全面的に反対するのは愚かなことである。

日本も原点に戻って考えれば良い。つまり、トランプが大統領就任前に言っていたように、戦術核レベルの核武装をして、北朝鮮とも外交関係を開き、戦後処理を米朝基本条約締結という形で行うべきである。そして、中国とも毛沢東が田中角栄に期待したように、善隣友好の関係を構築するべきである。

20世紀前半の日本の大陸での振る舞いは、元々19世紀後半での英米仏との厳しい外交、ロシアからの圧力というか恐怖から来たものであり、西欧諸国の東アジアへの戦略的展開の中で、アジアで唯一の独立国として藻搔いた結果である。その結末は、日本にとっても非常に不幸で不本意な結果に終わった。

それは、日本の真摯なレビュー(反省を含めた科学的復習)で、朝鮮はともかく中国は理解する筈だと思う。それは、ロシアや西欧諸国も同様だろう。そして、日本の問題は日本が真の独立国になることであり、他国の核付き統一を不安視して全面反対するのは、正常な方向ではない。

勿論、憲法上だけでも非武装を宣言する日本が、核武装の朝鮮半島と平和共存はあり得ない。

3)結局、欧米の考え方もそのようになる可能性がある。つまり、トランプの米国も完全な非核化を諦めるだろう。

米朝会談を前にして、ポンペイオやボルトンの人事は、単に脅しのための人事だと思う。トランプに北朝鮮を攻撃する理由は、今一つない。米国本土が核攻撃を受けるとは考えていない。それは金正恩を知れば知るほど、明らかになっている。(補足2)

核の拡散は、誰が何をやろうが自然に進むし、元々トランプは核拡散を重視していなかった。コンドリーサ・ライスなども北の核を容認する方が、問題を大きくしないで済むので簡単だと考えてきた。

元ウクライナ大使の外交評論家である馬渕睦夫さんは、後ろ楯を失った金正恩に残された道は、全面降伏しかないようなことを言っている。素人の私が反論するのは烏滸がましいのだが、そのようにはならないと思う。https://www.youtube.com/watch?v=CJCBDAMf3ME

追加:(18時)マティス国防長官は、北朝鮮問題を楽観していると言っている。つまり、トランプ大統領がボルトンだハリスだと言って、虚勢を張っても国防長官が全くやる気のない本音を暴露している。日本は圧力一辺倒で行けば、最終的に東アジアで孤立するだろう。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180428-35118511-cnn-int

安倍さんのやり方は全く馬鹿げていると思う。馬渕元大使は、大統領立候補時代のトランプを虫眼鏡で拡大して見ているのだろうか?金正恩はリビアのカダフィの二の舞だけはしたくないと考えているだろうし、その考えが彼を守るだろう。

(以上、素人ですから戯言の可能性もあります。プロの評論家の皆さん、実力を見せてください。)

追加(2):(20:30) 上のように書きましたが、玄人の意見を発見しました。佐藤健志さんが、チャネル桜で上記とほとんど同じようなことを話しておられます。Mohkorigoriというハンドルネームで、ちょっとコメントも書きました。https://www.youtube.com/watch?v=okgi0XRx3to

補足:

1)つまり、文在寅は北朝鮮の核兵器を利用して、米国から自由になることを考えている可能性が高い。
2)ただ、北朝鮮との軍事衝突は完全にないと言い切る自信は素人の私にはない。トランプ大統領は太平洋艦隊司令長官のハリスを駐韓大使にするという。それを文在寅の韓国は受けるのだろうか? http://www.sankei.com/world/news/180425/wor1804250020-n1.html

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