2014年5月20日火曜日

朴大統領の涙の会見:票に支配された涙腺

 韓国の朴大統領は、先月チェジュ島へ向かうフェリーの沈没事故に対する謝罪を、テレビカメラの前で涙を浮かべながら行なった。そして、その際に海上警察の解体を発表した。この演説にたいして被害者の方は、「海上警察の現場に不安と混乱を招き、捜索に悪影響がでる。最後の一人まで捜索するという気があるのか」と批判した。この会見と遭難者家族の批判とを比べれば、明らかに遭難者家族の言い分が正当であると思う。朴大統領の涙は何の為なのか?彼女は誰に対して語っているのか?
 もし彼女の涙が遭難者の家族の気持ちを思ってのことなら、執って代わる組織ができるまで、海上警察は解体するなどとは発表はできない。そして、彼らを鼓舞する言葉を投げかける筈である。朴大統領は、投票権を持つ一般国民は騙せても、遭難者家族は騙せない。何故なら、悲しみと苦しみの中にいる彼らに届くのは、本当に遭難者を心配する気持ちだからである。大統領の涙は、一般国民の同情を買うだろうが、本当の被害者には、政治家のしたたかさを強烈に印象付けるものにすぎない。

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