2015年3月8日日曜日

18歳選挙権、自衛隊の武官統制で何を狙う?

安倍内閣の最近の姿は、年金基金などを用いた作為的な高株価を背景に、戦後日本の停滞した姿を一挙に、そして、強引に塗り替えようとしている様に見える。自民党の先輩達、長期政権を担った池田、佐藤、中曽根の各総理の時に、何とか実現すべき筈だった独立国家日本の回復を、彼らのより能力的に劣った内閣で一挙に済まそうとしているように見える。

今までの自民党政権を担った人、特に長期政権を実現した人は、完全な対米従属路線をとりながら、日本国の独立国としての枠組再構築(注1)をしないままに放置したと言えないだろうか。例えば、吉田、池田、佐藤、中曽根、小泉、などの諸政権である(注2)。田中角栄のように、独自の外交を展開した人は短寿命内閣しか実現できなかった。

巧遅は拙速に如かずという言喭があるが、たぶん佐藤内閣までに、不十分な形でも良いから、国家としての枠組みを再構築すべきであったのではないだろうか。勿論、米国の“絶対に日本を軍事国家にしない”という政策の壁を乗り越えて、そして、疲弊した経済を復興させるという課題への配慮をしながら、まともな憲法を持った国家にすることは至難の技だっただろう。しかし、その芽を作るくらいのことは長期政権を担った昭和の総理に、命を懸ける位の覚悟があれば出来たかもしれない(注3)。

安倍総理はそれらの課題を一挙に解決しようとしている様に見える。今まで安倍総理の政策に不安を持って来たが、その一つの理由は”巧遅は拙速に如かず”という言喭が、消費期限を過ぎていると感じるからである(注4)。しかし、安倍さんは上記の国家としての骨組み再構成に挑戦する総理としては、最後の人かもしれない。安倍総理を批判するのは容易であるし、何度もごまめの歯ぎしり的に、ブログに批判記事を書いて来た。しかし、それは間違いかもしれない。

国家としての枠組みを整備する最大の壁は、米国である。安倍総理が中国との敵対的にも見える姿勢をとり、米国共和党側との協調姿勢をとる(注5)裏には、米国を支配する人々(現大統領ではなく)の賛意を得るギリギリの作戦かもしれない。

つまり、18歳からの選挙権付与は憲法改正のためであり、自衛隊の武官統制は、自衛隊の米国軍との連携強化を進めるにあたっての文官の抵抗を削ぐために思える。

注釈:
1)国家としての基本要素は、人民、領土、実効的支配である。実効支配の為には、防衛軍が必要である。自衛隊は防衛軍であるが、その保持は憲法が禁止している。自衛隊が軍隊ではないという憲法解釈は、憲法を文字通り読めば無茶苦茶な解釈である。
2)戦後4年以上の長期政権を担ったのは、吉田茂(7年2ヶ月)、佐藤栄作(7年8ヶ月)、池田勇人(4年4ヶ月)、中曽根康弘(4年11ヶ月)、小泉純一郎(5年4ヶ月)である。
3)安保反対のデモの時代(岸、池田、佐藤内閣)には、出来そうにないかもしれない。吉田内閣のときの1950年に警察予備隊が創設され、そして1954年に自衛隊と改称された。警察予備隊が出来た時に憲法を改訂(9条第二項)するだけで、一応の独立国家の芽が出来上がる。最高裁判所がまともに機能して、自衛隊違憲判決を出していたなら、憲法は改訂されていたと思う。最高裁は判断を避けるという自己保存的手段をとってきた。
4)国家の枠組みは、国家として誕生(或いは再生して)から一定の期間内に済まさなければ、近隣諸国の干渉により困難になる。近隣諸国は日本国が無力な存在の方が都合が良いからである。人間も幼少期に済ますべき教育がある。それを済まさないと、社会の中で問題を起こす可能性が高くなる。
5)イスラエルのネタ二アフ政権と融和的姿勢をとるのもその一つだろう。

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