2015年4月27日月曜日

東アジアでの勢力図を、中国v.s.日米という形でより鮮明に描くのは賢明ではない

===東アジアでの国際的勢力圏を、日本側から中国v.s.日米という形で鮮明にするのは賢明ではないのでは?そして70年談話では、村山談話を過去形に変えて明示的に引用したらどうか。=====

国際的な勢力図における東アジアでの境界線が、凡そ日本列島、琉球列島と中国との間を通るだろう。その境界線がより鮮明になる様に外交戦略をとることが、将来の日本の安全保障を考えた場合、有利なのか不利なのか熟慮すべきであるが、安倍総理はその答えを得ているのだろうか。最近の安倍総理の姿勢を見ると、中国と日本の間の溝を敢えて深める戦略をとっている様に見える。ニクソン大統領の時の様に、突然に”a bridge over troubled water"が架かることに、十分注意が必要だと思う。

米国議会での演説が気になるが、恐らく、バンドン会議の時と同様、先の戦争での東アジアにおける侵略と植民地支配を明示した反省の言葉は無いだろう。中国と韓国はそれを問題視しているので、仮に未来志向で平和と安定に寄与したいと言ってみても、上記勢力圏の境界が深くなるだけだろう。

村山談話などで先の戦争に関する反省は述べている。従って、再度反省の言葉を現在形で入れる必要はないだろうが、「東アジアにおける侵略と植民地支配に反省を述べた村山談話を、現政権も受け継ぐことに代わりはない」という具合に、地域を特定せずに過去形で言及すること(注1)が良いと思うが、如何だろうか。

韓国の併合は、植民地支配とは全く異なることである上に、第二次大戦とは直接関係がない。侵略かどうかは、立場によるので明示的に述べる必要はないと思う。また、戦時中の犯罪行為も平和友好条約や基本条約で解決済みと考えるので、明示的に言及する必要は無いと思う。

注釈:
1)村山談話の内、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。」の、最後の”表明いたします”を過去形にして、”。。という村山談話での反省の言葉を将来に亘って引き継ぐ”と70年談話に入れては如何と言う趣旨。

==理系人間の戯言だという批判でも結構です、根拠と伴に頂ければ幸いです。==

0 件のコメント:

コメントを投稿