2015年8月14日金曜日

日本語は真実を隠す:慰安婦という訳の判らない単語

1)日本語を母国語とする人間だが、日本語の出来の悪さにはウンザリである。 http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/07/iii2013.html 既に、書いて来たことだが、煩雑であり論理の展開には全く不便であり、議論に向かない。 http://island.geocities.jp/mopyesr/chieb/nihonkyo.html  従って、日本人は一定の知性を持つと無口になる傾向がある。そのため、能弁より寡黙が人徳の要件である。つまり、沈黙は金、能弁は銀なのだ。しかも、緻密でない銀は、直ぐ黒く錆びるのだ。自分の能弁に溺れて多弁となり失言・詭弁の罠にはまってしまう可能性が高いのである。

従ってこの国では、アンコウのように底にじっとしていて、獲物がくればパクッと食いつく様な人間が、高い地位に上ることになる。国内だけで全て片付くような地位なら良いが、海外に出向いての仕事では、“能弁こそ金”の国の強者に勝てる訳が無い。そして、土下座外交が日本の政治家の常となる。宮澤喜一と河野洋平の土下座外交がどれほど日本人を傷つけ、東アジアの外交関係を乱したかは、http://www.seisaku-center.net/node/191を見て欲しい。

名詞と名詞を、動詞、副詞、助動詞助詞、接続詞などでつなぐことで論理展開はなされるが、日本語ではそれが難しい。それが、原因なのか結果なのか解らないが、名詞或いは動詞に過大な荷を負わせて、文章を出来るだけ短くする。つまり、一つの名詞(又は動詞)に対して多くの意味、つまり、価値や“持つべき感情”などまで持たせてしまうのである。そのため、その名詞に対応するものの価値などが変化すると、名詞そのものを変化させなければならない(補足1)。それが、多くの使用禁止の名詞ができる理由である。

例えば、男と男性という名詞があるが、「40代の男が70代の男性を殺害した。」が正しい用法であり、その原稿を「40代の男性が70代の男を殺害した」と読むアナウンサーはNHKにはいない。日本語は文章全体の意味を始めに作って、そこに相応しい価値を含めた単語を集める必要がある。従って、上記文章を、“40代の男性が”と言ってしまった所で、失言が確定してしまう。

2)この名詞に価値まで含めてしまうという事を逆に利用する場合がこの国では多い。都合の悪いことを美しい言葉で飾ったり、貧弱なものを豪華に名付けたりするのである。

戦場売春宿に対して、戦時中の軍事政権が付けた名前が慰安所である。慰安所で働いた人に対して、慰安婦という優しい名前が付けられた。親に売られた娘達や既に売春宿にいた女性などにとって、厳しい仕事ではあったが、軍の上級将校並の給与を得ていたという。慰安婦であるから、イカガワしい仕事ではなく、危機にある国家の為に戦っている兵士を慰安する婦人という意味である。

西欧でも広く存在したhttp://kenjya.org/ianhu7.html にも拘らず、日本の場合だけナチスのホロコーストと同列におくという企みが国際的連携で行なわれているが、その緒を与えたのは慰安婦という特別な言葉である。お金を受け取っていたので、単にprostituteやそれに対応した単語で呼ぶのが普通であるが、集める方と応じる方の阿吽の呼吸でことが運ぶ様に工夫した結果の一つであると思う。勿論、世界は広く現在でも性奴隷sex slaveは存在しているだろう。戦時中日本の慰安婦は対価を貰っていたので、性奴隷ではない。この特別な名詞を作ってしまった為に、後世になって隣国の政治家や国内の売国者に利用されるのである。

その他、名詞に価値や感情を含める場合が多い。街中にある多くの店舗に外来語が用いられるのも、意味よりも感覚を重視する日本語及び日本文化の特徴故である。アウトレット、ビューティーサロン、リサイクルショップ、チケットショップ、など、何故日本語で言わないのかと思うが、美容院や古着屋では若い客が逃げるのだろう。

老人ホームにはたのしげな名前、例えば寿楽荘などが付けられるし、葬儀屋には平安会館などの名前が用いられる。分譲集合住宅にはマンション(豪邸の意味)が、マンションが平凡になった頃には、メゾンが用いられる。街中の狭い土地に建ちながら、グランドハイツとかヴィラ何何とか名付けられる。

3)結論:日本の言葉が感覚的で上記の様に極めて軽いことと、日本人が論理を展開し議論する文化にないことは、卵と鶏の関係にあると思う。西欧の誤解を招かない様に、政治や外交を職業とする人間は、論理と事実、そして国益を重視し、相手側の感情や脅しに流される事の無い様に訓練が必要かと思う。

補足:

1)動詞では、対象となる動作以外に幾つかの情報を含む。たとえば、”言う” という動詞の場合、宣う、仰る、仰せになる、述べる、話す、言う、喋る、申す、曰く語る、洩らす、口を出す、口に出す、などがある。話し手の、地位や立場、そして、話す場面と関連して、夫々異なった出番がある。(同日16:00追加)

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