2015年11月25日水曜日

安倍内閣の市場経済に対する昨今の大きな干渉は、経済に混乱を招く恐れはないのか?

政府の経済への過大な直接干渉は、良い効果をもたらさない。安倍総理に代わる人材が政界に誰もいないように見える現在、まるで独裁に見える。(擬似的)独裁下では、しばらくは何事もより効率的に進展する(補足1)のだが、混乱を招き結果として大損をする可能性大だと思う。このような干渉(大きな規制)をするとしたら、政権を競う相手があるときにすべきである。

安倍総理は、何が何でもGDP 600兆円にするのだと考えておられるのだろう。最低賃金を1000円/時間と大幅に増加させることは、サービス業や国内用物品の製造業などならそれほど問題は大きくないかもしれないが、輸出関連の事業では競争力をなくす可能性があると思う。全体的には人手不足であるから、賃金が人材の再配分の役割を持っていることを忘れてはならないと思う。

携帯電話に対する家計支出が多すぎると考えても、それはカルテルなど法律違反がなければ直接的干渉はすべきでない。それだけのお金を携帯電話に支払うのは、消費者がそれに見合う価値を認めていることになるということを、謙虚に受け止めるべきである。

内閣がするとしたら、文科省に対して「中学生や高校生がほとんど全員持っていることは健全なのかどうか」などについて検討させ、その角度から対策があるのなら、学校等を指導するように指示すべきである。

年金資金を過度に株に投資して、株価を上げようとするのも問題だと思う。さらに、その投資基準を自己資本利益率に置くことで、企業の剰余金を設備投資や賃金上昇に向けさせる工作も姑息だと思う。剰余金に課税するとの話もチラっと出たらしいが、とんでもない話だと思う。するのなら、銀行金利をマイナスにする方がより公平だが、そのような手段を採るのは非常事態の時だろう。

専門ではないので、あまり言いたくはないが、経済学は科学ではない。実験もほとんどできないし、理論モデルも物理や化学のような分野のような精緻なものではない。単純な思考に基づいて市場経済に干渉するのは、大きな無駄を生むと思う。最近の安倍政権の経済干渉は、毛沢東の大躍進運動を連想させる。

補足:

1)擬似的であれ独裁に至るのは、その内閣に実力があるからだと思う。しかし、昨今の市場介入のような政策は実力に溺れる可能性大に見える。

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