2016年1月3日日曜日

米国と韓国の歴史修正主義:米国の慰安婦問題干渉の目的は何か

米国と韓国の歴史修正主義:米国の慰安婦問題干渉の目的は何か1)河野談話に批判的だったと思っていた安倍さんが、あのような合意を韓国とするとは、想像できなかった。http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140610/plt1406101537005-n1.htm 下のサイトを見ると、韓国の言い分に全く根拠はないように思える。もちろん、これも大きな慰安婦という歴史をミクロに見た場合の一つの光景かもしれない。http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/151117/lif15111715270005-n1.html

先週の従軍慰安婦問題の日韓合意は、韓国により新たに書かれた「従軍慰安婦の歴史」が、日本で最初に作られた「従軍慰安婦の歴史」に勝利したという意味で画期的である。国連事務総長もさぞ満足なことだろう。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160101-00000057-jij-kr 韓国が勝利したのは、日本の歴史を貶すことで日本に対して何かをしたいと考える米国の強力な援軍があったからと感じる。

2)ちょっと原点に戻って考えてみる。
歴史とは、「時間と空間の両軸に沿って、人間の住む世界を把握、解釈、叙述する営み」(補足1)であるから、空間や時間を限定すれば大きく違った歴史が出来上がる。何万という事実を羅列しても、それは歴史ではなく、それらのうち重要なものをつなぎ合わせて、時間と空間を座標に因果関係を添えて一つの物語にすることで歴史になる。従って当然、韓国の歴史と日本の歴史は異なっても何の不思議もない。

未来に向かって両国の互恵関係を築くというのなら、両国関係について共通の基盤がなければならない。これまでの歴史に関する理解が相互に大きく異なれば、共通の基盤を持ち得ないのだからプラス方向で付き合うことはできない。従って、講和条約(日韓では日韓基本条約)を締結しそれを共通の基盤にして、その後は前を向いて付き合おうというのが人類の築いた政治文化だと理解する。それに反する動きを「歴史修正主義」として、欧米は排斥してきた筈である。

そして、韓国の従軍慰安婦問題を利用した日本攻撃は、まさにその歴史修正主義的な行為であると思う。しかも韓国の“慰安婦の歴史”は、物的証拠ではなく、旧慰安婦を名乗る自国民の証言に基づいて作られたものである。その歴史構築は、証言のみを証拠にして犯罪捜査するようなもので、日本側の“慰安婦の歴史”の構築姿勢に比べて非常に不完全だと思う。

今回の慰安婦の件は米国と韓国が共同して、韓国製の従軍慰安婦物語を、慰安婦への賠償(間接的であっても)を日本政府の金で行わせることで、現在の日本政府に強要したものである。それが歴史修正主義でなくて何なのか。米国は、自分たちが排斥している歴史修正主義を韓国に許容し、日韓の関係修復という名目で両国の間に楔を打ち込むという非常に卑怯な行為である(補足2)。

その米国の目的は、何なのかわからない。前回は、中国に米国の覇権範囲を再確認させるためと書いたが、そんなことは中国は最初からわかっている筈。そっぽを向き始めた韓国を米国側に向き直させることにしては、やり方が卑劣すぎる。北朝鮮の崩壊などの政変を睨んで、早急に日米韓の協力関係を築きたいのなら、逆に韓国に厳しい要求であってしかるべきである。

ひょっとして、久しぶりに長期政権になる可能性の高い安倍政権を潰すことではないだろうか。

補足:
1)岡田英弘著「歴史とはなにか」(文春新書2001)の記述を、私流に変形した。
2)米国の広島と長崎における非人道的な行為に関して、日本政府も個人も米国に対して賠償を要求しないのは、講和条約締結前のことだからである。

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