2016年8月11日木曜日

尖閣及び沖縄領有権問題を考える(2)

昨日に続いて、表題の問題につき整理します。前回の疑問点:サンフランシスコ平和条約第3条を根拠に米国の施政権の下におかれた沖縄が、日米間の沖縄返還協定で日本に返還されたのだが、その二つの条約が整合的かどうかという点が気になる。

ちなみにサンフランシスコ講和条約の第3条は以下のような文章である。 日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

ここで、米国による国連への提案はなされなかったので、その下の“合衆国は領水を含むこれら諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする”が沖縄返還協定まで有効だった。 領有権に関しては、サンフランシスコ平和会議での米国のダレス国務長官の演説、及びケネス・ヤンガー英国全権の演説、それを引用した吉田茂総理の演説により、日本の潜在的権利が確認されるとのことである。 http://blog.goo.ne.jp/jiritsukokka/c/b76a28892b58e4049e4208c73f299ada

従って、領有権は潜在的に日本が持ち、沖縄返還協定で施政権が日本に帰ったのだから、沖縄は日本に復帰した。

しかし、平和条約3条に規定されている「琉球諸島などを信託統治制度の下におく」という部分が実現していないのだから、沖縄の領有権については未定であると考える立場もあり得る。それは、平和条約が想定した沖縄が日本の領土となるルートは、「米国の施政権下=>米国を施政権者とする信託統治領=>沖縄独立=>日本との合併」であるという考えである。

つまり、“米国の施政権下”という状態から日米間の協定のみで日本に施政権を返還することは、平和条約第3条に想定されていないのではないかという考えである。尖閣問題は、内閣官房のHPに記述がある。しかし、この点については何もかかれていない。http://www.cas.go.jp/jp/ryodo/senkaku/senkaku.html

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