2016年10月11日火曜日

北朝鮮問題の解決は米国と中国の責任である

1)昨日のBSフジ(プライムニュース)で田中均氏は、朝鮮問題の解決は韓国による吸収的合併(朝鮮統一)という形でなされるべきであると言っていた。これが小泉内閣のときの日朝平壌宣言作成に深く関わった当時の外務省アジア太平州局長の言葉である。現在の状態は、米国の意向の代弁者と言うしかない。韓国による統一などできるわけがない。同席した佐藤正久氏のいう通りだ。

核兵器の開発に成功したのは、小泉政権が終わってからだろう。朝鮮戦争休戦後既に、50年以上たってからであると思う。それまでに米国は、朝鮮戦争を終結し、半島を安定にしておくべきだったのだ。しかし、米国は国益を考え、日本や韓国などの平和安定の願望を無視して、朝鮮半島に対立を残した。そして、それを足がかりにして東アジアの支配を継続してきた。中国も緩衝地帯として北朝鮮を考えてきた。

何れにしても、米中の縄張りの境界が38度線以外に移って固定化したとき、朝鮮半島の統一が実現されるだろう。日本がそのとき緩衝地帯になるのかもしれない。緩衝地帯というのは現在の北朝鮮のように、そしてウクライナのように、常に悲惨な状態に置かれる運命にある。

もう一人の無責任な人が出演していた。武貞秀士とかいう人で、最近もアントニオ猪木の訪朝団に同行したという(多分米国の意思だったのだろう)。武貞氏は「北朝鮮の言う体制維持は、韓国の統一である」という。この人は、米国の考えの通り言っている。北朝鮮は口先だけは威勢の良いことを言っていても、相応に知識のある金正恩が、韓国統一できるなんて考えている訳がない。体制維持はキム王朝の安定的継続であると思う。

武貞氏は、トランプ氏が米国大統領になれば北朝鮮が韓国を吸収して半島を統一する可能性があると言っていた。無責任に米国の現在の支配層の指示を受けて発言しているという感じだった。流石のトランプ氏もそんなことをするはずがない。トランプ氏は北朝鮮を承認はするが、韓国と平和共存を考える筈である。その方法は、トランプ氏の発言通り韓国への核兵器貸与かもしれない。田中均と武貞秀士の二人は、米国の意思の代弁者としてなのか、発想が固定化しており、最早この問題を語る資格はないと思う。その点、佐藤氏の方はこれまで深く関わっていない分、発想が自由である。

2)この件は上記のように米国と中国に責任がある。中でも世界を支配してきた米国の責任が重いと思う。米国は、朝鮮戦争を終結して安定な国家を作り中国型の経済発展を目指したい北朝鮮と、朝鮮戦争終結の話し合いを拒否してきた。そして、6カ国協議という訳のわからない会議に丸投げして解決しないようにしてきた。今となっては、北朝鮮の核開発が進んでしまい、失敗だったと思っている可能性が高い。

北朝鮮が核保有国になる前に、北朝鮮の軟着陸のチャンスはあったと思う。小泉元総理は、朝鮮戦争の終結を米国に勧めたが、一蹴されたという。米国の意図を無視した自主外交の開始と失敗は、小泉元総理が米国と日本の本質的関係に無知だったからだと思う。小泉氏は直感力に優れていても、自民党主流派ではなく日米関係に詳しくなかったから起こったことなのだろう。そして、その後の長期政権である安倍内閣では、北朝鮮外交は拉致問題に拉致された格好になり、残っていた戦後処理の終結ができなくなってしまった。それは、戦後regimeからの脱却と虚しく演説する、安倍総理の能力のなさだと思う。(永続敗戦論、第二章参照)

もし、武貞氏のいう北朝鮮による半島の統一となれば、戦後賠償としての経済協力金は日本経済に核保持国としての恫喝を考えれば、悪影響を及ぼすレベルになるだろう。そして、日韓基本条約とその時の経済協力金は無駄金となるだろう。更に、上記のように日本は米中の緩衝地帯となり、悲惨な結末を迎えるかもしれない。そのとき仮に日露関係が順調に行っていたとしても、あの敗戦間際の状況を考えれば、ロシアは再び信用の置けない“北の熊”に変わるだろう。

北朝鮮の核は、米中にとって大した脅威ではないが、日本にとっては大きな脅威である。現状では、「北朝鮮が核保持国になった以上、日本も核軍備をせざるを得ない」という意思を米中に感じさせることが、在るとすれば唯一北朝鮮の核開発をやめさせる方法だと思う。それを日本国民は真剣に考えるべきである。トランプ氏は正論を言っている。日本も韓国も核軍備するしか、北朝鮮の核に対峙する方法は現状ではない。(おそらくトランプ氏は、北朝鮮の核よりも中国の核を念頭においたのだろう。)米国の核の傘は幻であること位、わからない者は(勝手なことは言えても実際に)外交を司る資格はない。中川昭一氏が生きていたらと思う。

====以上は素人のメモです。読み飛ばしてください。====

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