2016年11月10日木曜日

株価は資本により操作され、富は巨大資本により吸い上げられている

米国大統領選挙の数日前、FBIがクリントンのメイル疑惑に関して捜査を再開したことで、トランプ氏が世論調査でかなり差を縮めた。そして彼が米国大統領になるかもしれないという思惑で、株価が下がり米国ドルも下がった。トランプ氏が大統領になり、経済界へ悪影響を及ぼすであろうという予測に対して、トランプリスクという名前までついた。

ところが、トランプ氏が当選すると、今度は逆にニューヨークの株価は上昇しドル高になった。日本も昨日はトランプ優勢ということで、日経平均株価は1000円も値下がりし円も高くなったが、今日は円安が進み一転株価大幅高である。

トランプリスクはどこへ行ったのか? 

これらの株価変動は、あの悪名高い資本により作られたものだったのだろう。ワーテルローの戦いでナポレオンがイギリスに攻め込むという噂を流し、公債を空売りで暴落させた後底値で拾い、その後ナポレオンの敗退で暴騰したところで売り払って巨万の富をえた、ロスチャイルド本家次男のネイサン・ロスチャイルドを思い出す。そして、イングランド銀行(英国の中央銀行)を支配したと聞く。

ニューヨークの資本はその流れを汲むのがほとんどではないのか。米国中央銀行のFRBもその流れを汲む。その人事は米国大統領の及ぶところではない。

トランプ氏は白人ブルーカラーの不満を吸い上げて大統領選挙に買った。そして、仕事が自由貿易により奪われることが彼らが恵まれない理由だと言って、彼らの理解を得た。しかし、それは嘘である。米国は儲かっている。世界的なデフレの中で最も早い回復をし、中央銀行は更なる利上げの時期を模索しているではないか。

米国の資産の90%は1%の富裕層が持っている。毎年米国の上位10%の所得は、全体の半分を得ている。ウォールマートの創業者の遺産を継いだ6人の子供達は、一人当たり2.5兆円の資産を生まれながらにして持つという。そんな状態で、ブルーカラーが裕福になる筈がない。

米国ブルーカラーの不満は国内問題だ。それを諸外国の所為にするトランプ氏に誤魔化されてはいけない。米国人は目覚めるべきだ。この富の偏在はピケティーが指摘したことであり、そのひずみが限界に近くなった。世界はいよいよ大きな変革の時期に来ている。変革の際には常に弱いものが生贄になる。日本の政治家はそれを真剣にそして必死に考えるべきだと思う。

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