2017年2月23日木曜日

独裁制と民主制のどちらが有利か?

1)「独裁政治は悪であり、民主政治は善である」という命題が真(YES)であるというのが常識のようだが、本当にそうだろうか?(補足1)

現在独裁国家と考えられている国として、中国や北朝鮮のほか、中東のシリア、アフリカのスーダン、コンゴ、ジンバブエなど数国と東ヨーロッパにベラルーシが存在する。中国の少数民族の弾圧や北朝鮮の粛清政治など、独裁政治には悪評がふさわしいように思われているが、そうでないケースもある。例えば数年遡れば、カダフィ大佐(補足2)の率いたリビアやニヤゾフ大統領のトルクメニスタンは独裁国だったが、産出した石油や天然ガスから得られる利益を国民に還元し、福祉国家を実現していた。

したがって、独裁国も様々であり、一様に批判するのはおかしい。一定の豊かさと時間がなければ、一般民が政治的意見をもち、それを吸い上げる代表が政治を行う民主政治など成立する筈がない。従って、他国の政治制度へ無闇に干渉することは、当然、内政不干渉の原則に反するとして批判されるべきである。(補足3)

更に、多くの民主国家は民主の仮面を被っているだけである。そして、その中の最大の国が行ってきたのが、独裁的な国際政治である。現在最悪のテロ国家と言われる北朝鮮だが、米国が話し合いに応じて、朝鮮戦争の終結と講和に応じていればずっと早い時期に、北朝鮮は核兵器抜きで中国式の国家に生まれ変わっていた可能性大である。その際、日本の拉致被害者も帰国していただろう。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/41810584.html

2)民主主義は良い制度なのか?
英国のチャーチルが「民主主義は最悪の政治制度である。ただし、他の制度を除いての話だが」と言ったといわれる。(補足4)チャーチルが政治の難しさを語ったのだろうが、自分が独裁者なら話は別だという言葉が心の中を過ぎったと思う。

もし、社会の構成員を個人ではなく国家だと考えると、つまり、国際社会のなかでの国家の繁栄と将来への生き残りが価値の尺度なら、民主主義は但し書きなしで最悪の政治制度だろう。そしてまた、”国で生きる国民とその子孫の幸福の総和を考えても答えは同じ”だろう。(補足5)

つまり、二つの互いに敵対する国があったとして、一つが独裁政治を採用し、もう一つが民主政治を選択しているとする。最後には恐らく独裁国が勝利し、民主国は滅びるだろう。その勝敗が決する最後の時点で国民の幸福度の総和をとれば、上記結論(””内)は明らかに「真」である。

世界を制覇する可能性のある中国の政治制度を考える。中国は、共産党の一党独裁国家である。政治のトップに存在するのが国家主席であり、その習近平を含めて重鎮7名(チャイナセブン)が強い発言力を持つグループである。第二位が李克強である。独裁といっても、北朝鮮の絶対王政のような独裁ではなく、トップと二番目がすれ違う時に無視する瞬間もあるという、メンバー間に批判(勢力争い)もありうる“集団指導体制”である。

共産党員になる名誉は一般民には高嶺の花であるから、上記の分類によると専制政治に近いと思う。(補足6)一般に、独裁体制は何かを決断すれば実行までの時間が短く、体制の新陳代謝など指導者の質を維持するシステムで存在すれば、有力な体制だと思う。そのために中国は、優秀な人間を党員にする狭き門を設けている。

民主主義体制下でも、民族が興亡の境目に至ると世論は沸騰して最終的に独裁に移行する。それは、戦前のドイツや日本を見ればわかる。しかし、既に時間的に余裕をなくしており、愚かな決断しかできない場合が多いのではないだろうか。

3)最終的には、純粋に民主主義体制をとるのは民族として自殺行為だと思う。それは世界では既に自明のことでは無いだろうか。つまり、米国が他国に民主主義体制を強いるのは、民族や国家の競争相手を少なくするための長期戦略であると考えられる。元々、米国は民主制という仮面を表に被り、裏に強力な諜報機関と我々には訳のわからない情報機関(シンクタンク)を組織する二重張政治制度を採用している。表の民主制が仮面にすぎないことは、多くの暗殺された大統領を思い出せばわかると思う。

ここで、ローマクラブによる “成長の限界等”の出版(1972;1992年)によっても指摘された、資源の枯渇や人口の増加により、近い将来、人類の成長の限界が来るということを思い出すべきである。地球温暖化の二酸化炭素原因説は、如何に諸外国の経済発展を抑えるかという問題意識からスタートしている。従って、もともと科学的には根拠の薄いインチキ学説であり、民主主義的先進国の作り上げた国際戦略の一つである。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/08/blog-post_26.html

また、欧米のグローバリストたちは、如何に現在から近未来において世界の経済を支配するかという視点で動いているだろう。その経済力は、地球が狭くなるに従って、弱小国の支配と衰退化に使われるだろう。そこで、モノを言うのが核兵器などの軍事力である。(補足7)(経済力と軍事力とは並行する)

そのような環境下で弱小国に落ちようとしている国は生き残るのが困難である。しかし、北朝鮮がこのまま朝鮮半島が核兵器を保持した国として残る野心を失わなず、体制を中国式に改善すれば、22世紀に地球上に生き残るのは、日本民族ではなく朝鮮民族ということになるだろう。それは工夫された独裁制が純粋な民主制に勝ることの証明となると思う。このような民主主義の仮面を被った、所謂先進国と競って生き残るには、或いは、それらの国々に優先して生き残るには、途中からこのレースに参加した国は独裁国になるべきだろう。

補足:

1)独裁政治とは、個人や少数の人または一つの党派が政治権力を独占する政治体制のことである。その中で絶対君主制とは、世襲の君主が独裁政治を行う政治制度である。固定的な支配層がそれ以外(被支配層)を支配する場合を専制政治という。独裁政治というばあい、国民の社会的身分に差がない。このあたりは自分の知識固めの意味もあって分かりやすく書いている。専制政治と独裁政治の境目は、支配階級が固定されているかどうかである。もし、共産党一党独裁国と言われる国家で、共産党員になれる人が世襲などでほぼ固定されているばあい、実際は専制政治的ということになる。また、社会主義人民共和国を名乗っていても、トップが世襲制と見なされれば、そして政治形態が独裁的であれば、その国は絶対君主制である。同じ独裁国でも、中国の政治は専制に近く、北朝鮮の政治は絶対王制に近い。

2)カダフィ大佐を殺害したのは、ヒラリー・クリントンの率いた米国国務省だったという説が有力である。カダフィ大佐についての日本などでも悪評は、米国等の宣伝である可能性が高いと思う。米国などがリビアの石油利権を得ることが、暗殺の動機だったといわれる。 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-5564.html http://tanakanews.com/160301trump.htm

3)フィリピンのルテルテ大統領の麻薬関係者への非常に厳しい取り締まりを、米国などは非人道的だとして非難したが、それも内政干渉であると思う。何故なら、米国に麻薬取締が出来る訳ではない上、ルテルテ大統領の支持率が非常に高いからである。

4)チャーチルのオリジナルではなく、誰かの言葉の引用かもしれない。https://richardlangworth.com/worst-form-of-government

5)極少数の基本的人権などのルールに抵触することが独裁制の弱点だと考えられる。しかし、民主主義国の徴兵制などや闇の世界が行なっていることをかんがえると、360度の神の視点から見れば、人権無視という点でもそれほど差がないのではと思う。もちろん、ウイグル、チベット、モンゴルなどの不幸な状態は解消すべきである。しかし、民主制と独裁制を比較する場合には、民主制の旗頭の米国が行なってききたアジアや中東での政治介入も考える必要がある。そうすると、大差無いではないか。

6)ユン・チアン著のワイルド・スワン(WildSwans: Three Daughters of China)数年前に読み、感想文を書いたことがある。 http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2013/10/wild-swans.html

7)日本人の多くは、愚かにも平和と戦争を反対の概念と信じている。そして、核兵器は日本を平和に導くという論理など、驚天動地の屁理屈と受け取るだろう。情けない民族である。以下にいくつかのブログを引用する。 http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42722151.html; http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43129251.html

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