2017年7月5日水曜日

自民党の日本国を棄てる政治の歴史:野中広務氏の憲法に自衛隊を書き込むべきではないという考え

IZAニュースによると、自民党幹事長や官房長官を歴任した野中広務氏は4日夜、同党の安倍晋三総裁(首相)が目指す憲法改正について、東京都内で記者団に「私個人は反対だ」と述べた。

野中氏は、自民党額賀派(平成研究会、旧経世会)の結成30周年の会合にOBとして出席。終了後、記者団の取材に応じ「私みたいに戦争に行き、死なずに帰ってきた人間としては、再び戦争になるような歴史を歩むべきではない。これが信念だ」と強調し、憲法9条に自衛隊の存在を明記するなどの改憲案に反対を唱えた。

http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/170705/plt17070510000002-n1.html?utm_source=browser&utm_medium=push_notification&utm_campaign=PushCrew_notification_1499193629&pushcrew_powered=1

自民党の元幹部のこの発言を聞いて、ただただ悲しくなった。軍隊を持てば戦争になるという考えは、全く幼稚な人の考えか、イザという時に革命を容易に行いたい共産党や社会党の考えかの、どちらかである。こんな人が自民党の幹事長や官房長官をやっていたというのだから、戦後の政治はめちゃくちゃなのは当然だ。 

野中氏の考えは、多分、軍隊を持てば日本国は直ちに戦争を始める可能性が高いということだろう。政府に対する完全な不信を与党の幹部が持っていたということになる。 
それは、日本の政治家には軍隊を適切に運用する政府を造れない、或いは同じことだが、日本人には民主的国民国家を形成する能力がないと考えているのだろう。極論をすれば、日本人は猿か子供だから、国家を持つ資格などないと白状したということになる。

野中広務氏は、政府与党の政治家だったのだから、その期間に受けた給与を国家に返却すべきである。与党幹部でありながら、国家の正常な枠組みを作るために働いていた訳ではないのだから。

吉田茂と吉田学校生徒たちの経済優先と安全保障の米国への丸投げ、そして外交における米国完全追従という安易な政治の付けが、このような形で自民党及び日本国に残っているのだろう。戦後20年ほどは、疲弊しきった日本国の再建が急務であったという言い訳は可能である。勿論、大衆への言い訳が可能なだけで、正当性はない。何故ならそれは、「今夜命を奪いに来るかもしれない外敵に備えるよりも、明日の飯をたくさん得ることが肝心だ」というような理屈だからだ。

しかし、戦後50年を経過したころの官房長官には、そのような言い訳すらあり得ない。 政府与党の「非武装こそ平和への道」という類の考えは、吉田学校の生徒が政治を担当するようになって以来、便宜的な戦術論から本質的な政策になったということになる。つまり、独立国としての日本国建設放棄である。棄民政策&棄国政策を党是とする政党が、戦後70年間日本の政治の中心だったということになる。

そのように考えていると、思い出したことがある。自民党の丸山和也参議院議員(70)が2016年2月17日の参院憲法審査会で、「日本が米国の51番目の州になった場合」を仮定して持論を展開する一幕があったのだ。 丸山議員も日本国だけでは独立した国家とはなり得ないと考えたのだろう。https://www.j-cast.com/2016/02/18258878.html

従って、「軍事力を備えて抑止力とするのが平和への道」と提言すれば、直ちに「隣国を信用しないで軍備をもつことこそ、戦争への道」と、野党だけではなく、与党も心の底から反論するようになったのだろう。海部俊樹、宮沢喜一、河野洋平、細川護煕、などの顔を思い出すと、そのような合唱が聞こえてきそうな気がする。

社民党の福島瑞穂やテレビによく出演する元社民党の田嶋陽子らがそのようなことを言えば、「何をバカなことを言っているのだ、お前らはあほか売国奴か?」と声を張り上げることが出来る。しかし、与党の元幹部が「隣国を信用しないで軍備をもつことこそ、戦争への道」と言えば、ただ黙って涙を流すしかないではないか。

我々日本人は黄色い猿か、10歳の子供レベルの知性までしか得られないことになるのだから。この記事を書いている時に、テレビで放映された北朝鮮の姿が勇ましく見えた。(補足1)

追加:
1)天皇制と軍隊の共存を恐れている方が多い可能性がある。実際、自民党の憲法草案では、第1条で天皇を日本国の元首と位置づけ、第9条の2に国防軍保持を唱っている。私は、天皇を国家元首とすることには反対である。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43194485.html
2)自民党の党則か何かに憲法改正が書かれている。しかし、それは自民党神社のお守りに過ぎない。何かの時に、ここに書いてありますと見せるためのお守りである。

補足:
1)北朝鮮問題の解決の責任は米国と中国にある。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43008331.html

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