2017年10月2日月曜日

民進党の事実上解党と多数の希望の党への合流の荒技は誰の発案なのか?

民進党の事実上の解党と、多くの人を希望の党が引き受けるという図式は、おそらく前原氏の予定の行動だろう。そして前原氏は、数人を除いてほとんど全員が合流できると考えていたのではないだろうか。しかし、実際に合流できるのは最大で現職議員の2/3程度であり、残りは希望の党からの出馬はできないだろう。

これが前原氏の失敗だと考えると、あまりにもバカな前原氏ということになる。一方、多くの旧社民党出身者や民主党時代からの幹部を切るという、強引且つ鮮やかな手法が前原氏の発案だとすると、優秀過ぎる。

数日前に佐藤優氏は以下のサイトで、前原氏が今回の民進党を事実上解体して、希望の党へ合流するという案の黒幕だといっている。その理由もその9月28日の動画サイトで詳細に説明している。 https://www.youtube.com/watch?v=r-YSJ54NawI&t=181s https://www.youtube.com/watch?v=Yc0XLKyaF_Y

そして佐藤氏は、「民進党員のほぼ全員が合流するだろう、そして、その選別の基準は憲法や安全保障ではなく、小池氏との人間関係だ」と言い切っている。この予測は前原氏の予測と同じであり、今日現在(10月2日)見事に外れたことがわかっている。

佐藤氏は今回の政治劇を説明するに当たって、前原氏の考え方を少年時代の家庭情況から説明している。そして、議員になってからの前原氏の考え方の変化を、佐藤氏も参加した勉強会(補足1)などから説明している。私は、この佐藤氏の説明の丁寧さには一種の不自然さを感じた。つまり、今回の政治劇の初稿は佐藤優と前原誠司の共著で完成したのではないだろうか。

しかし、その後の希望の党側の厳しい立候補者の選別については、ふたりとも全く読めていなかった。つまり、その政治劇の脚本が、小池百合子氏に“大幅修正(小池氏の言葉で言えばリセット)”されたのではないか思うのである。

そのように考えると初稿の執筆者は、政治的には無能ではないがそれほど優秀でもないことが分かる。小池氏のキャラクターが全く読めてなかったのは、若狭氏や細野氏も同じである。「希望の党」の綱領などを考えている時に、小池氏にさっと“リセット”されてしまった時の二人の表情などを見れば分かる。この後者の件については以下のサイトに書いた。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/09/blog-post_82.html

しかし、そこに書いた小池氏の評価は若干修正しなければならないと現在思っている。つまり、上記のような鮮やかなチャンバラ劇を考えると、小池氏が日本を変えることができる数少ない一人かもしれないと思うのである。ヒットラーのように日本を潰すかもしれないが、現在の閉塞した情況を変えるにはこれくらいの灰汁の強さがなければならないのかもしれない。

小池氏は優秀な側近を持ったことが無いようである。是非、優秀な側近を抱えて、彼らを信頼するという一回り大きな政治家になってもらいたいものである。そのためには、結党時の新人の採用がもっとも大切である。“ガラクタ政治家”を受け入れない決断は良いが、多くの人をただ批判するだけでは、自分の目が曇っているだけかもしれないことを知るべきである。

補足:
1)前原氏が議員になってからも、日本社会をどう変革するかについて2年間勉強会を開いて、それに基づいて佐藤優氏、井出英策氏と共著の本を出したという。本の題名は「分断社会ニッポン」である。

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