2017年11月9日木曜日

米国も中国も北朝鮮問題を外交の武器にしている:日本にはロシアとの関係強化しかないかも

中国は、北朝鮮問題に対して何か効果的なことをやる予定はないだろう。それは北戴河会議で、北朝鮮と米国との間は消耗戦をさせると決めたことに沿っている。米国も北朝鮮の攻撃など、自分からはやりたくはない。

トランプ大統領の「北朝鮮の脅威に適当な対処がなければ「武士の国」である日本が自ら事に当たる可能性もある」と言ったという報道はそれを示している。韓国は勿論のこと、ロシアも北朝鮮を応援するが、制裁などすることはないだろう。  http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2017/11/blog-post_7.html

つまり、日本だけが北朝鮮の核兵器のターゲットになりうる存在である。北朝鮮にとって、日本を脅すことに関しては何の躊躇もいらない。日本は平和ボケで、核兵器の意味すら知らない。日本人の多くは、核兵器を持つことは、戦争をして、核反撃で被爆(殺される)することだと考えている。国民の多数を支配しているのは、論理ではなく言霊だからである。 

米国はかなり北朝鮮の核兵器の小型化技術やICBMへの搭載技術などの進展情況を掴んでいるだろう。まだ、弾道ミサイルに搭載するほどの技術を得ていない可能性もある。北朝鮮危機は、トランプのBig Stickなのかもしれない。トランプ大統領は、米国からアジアに来た兵器のセールスマンなのかもしれない。習近平は商談ではこちらが上だと言わんばかりに、28兆円の商談で応じた。 

北朝鮮は、米国の現在のレベルの脅しで非核化なんか同意する筈がない。空母がウロウロしていても、何もしないことは分かっている。米国からリークされている可能性すらあるだろう。このままでは、立派な核保持国が半島に出来るだろう。 

唯一それを防ぐ可能性があるのは、日本の核兵器開発である。(日本人は、伊藤貫氏の本を勉強すべきだ。)その計画が具体化しそうになると、米国は中国と協力して圧力をかけ、日本に核保持の断念を強制するだろう。トランプも、日本と日本の政治家を馬鹿にしている。それを日本のマスコミは隠している。 

「中国の核が世界を制す」(伊藤貫)と、日本は朝鮮(統一)と中国のATMになるだろう。暗唱番号は、慰安婦と南京大虐殺など「歴史認識問題」である。恐らく、それらを避けようと思えば、唯一残された道は、ロシアとの関係強化だろう。つまり、日本がロシアカード(補足1)を保持すると米国が思えば、上記のシナリオが変わる可能性もある。

  中国とロシアは永遠の友好国たり得ないのは、地政学的に明らかである。米国は、イスラム圏とロシアを敵に廻すには中国と宥和的に成らざるを得ない。中国が日本を敵視する限り、米国は日本にとって永遠の同盟国たり得ない。(補足2)そして、これまでの70年間、米国は日本を隷属させることしか考えなかった。中国が日本と本質的に友好国になるとしたら、革命後だろうがその確率は小さいだろう。 

従って、日本にとって対米国&対中国の対策としては、当分ロシアカードしか残されていないのだろう。(補足3)ロシアが日本に対して真摯な態度をとるのなら、過去を乗り越えて関係を構築する共通のメリットがある。それは北方諸島の帰属問題を、日ソ共同宣言を遵守することで解決することだと思う。

補足:
1)ロシアカードと言う言葉が外交的に特別な意味を持つかもしれない。ここでは、ロシアとの関係強化を武器にすると言う意味で使う。
2)米国は日本と先の大戦の時に、忘れられない大罪を犯してしまった。それが過去に送られることを願っているだろう。それには二つのシナリオがある。いずれも、日本にとっては悲劇的なものである。詳細は想像してほしい。

3)それは、非常に危険な道である。そんな道しか残さなかったのは、戦後の吉田茂内閣以来の米国追従策以外、何も考えなかったのが原因だろう。
(最終編集11/10/18:15; 変更が多くなり申し訳ありませんでした。)

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