2018年4月9日月曜日

拉致問題は比較的小さい問題である:拉致問題とは独立に日本の防衛をかんがえるべき

1)北朝鮮問題をほぼ拉致問題に等しいと考えることで、北朝鮮の核保持の問題を相対的に小さく見せようとする勢力が日本の内外にいる。何度も言うが、拉致問題は日本政府が国民を拉致されたという問題であり、責任は日本政府にある。それは既に起こったことだと認識されるべきである。彼らの家族に対する賠償は、日本政府がすべきである。それが、差し当たり第一の解決である。

もちろん、生きておられる可能性があるのなら、第二の問題として通常の外交的手段により奪還すべきという話になる。過去の問題を、時間の針を元に戻して解決すべきという考えは非現実的であり、過去が現在を左右してはいけないと思う。これを誰も言わないのが、この問題に対するこれまでの議論の決定的な間違いだと思う。(補足1)

その奪還を可能にする為、日本が独自軍を持つように憲法を改正すべきである。更に、北朝鮮などが核兵器を保持するのなら、日本も核抑止力を持つべきである。外交力の第一は軍事力であり、それに大差がある状態で、まともな外交とそれによる拉致被害者奪還は不可能である。外交力の第二が対話による交渉力である。何方も日本は最低だろう。

拉致被害者の会の方々は、拉致された家族の奪還のために、そのような主張をしたか? 一言も日本の憲法改正や核抑止力のことに言及しなかったとすれば、最初の節に述べたように、単に日本政府に保障を要求するにとどめるべきである。つまり、彼らは別の政治運動をしているように私の目には映る。

拉致問題を過大視することで日本の外交を歪め、1億3000万人の将来及びその子孫の将来、つまり運命と、現在の拉致被害者の北朝鮮からの引き取りを、天秤にかけるようなことは絶対に避けるべきである。

2)「トランプ大統領は、北朝鮮の核問題をどのように決着をつけるつもりなのか」について、諸説ある。もっとも、強硬な姿勢をとるだろうと言っているのは、今やマイナーな存在である。

以前のテレビ番組か何かで、米国共和党のスタッフを10年勤めた中林美恵子氏は、「トランプの方針はオバマ政権時の政策を否定することである。オバマ政権の時になされたイランとの核合意は、イランの核開発を凍結すること、それが実行されているかについてIAEAの抜き打ち査察を受ける、と言う素晴らしい内容だが、トランプはこれでは手ぬるいという理由で廃止する意向を既に示している。トランプは核保持のまま北朝鮮と和平をすることはできないのは、このイランへの政策との整合性がとれないからである」と語った。(補足2)

しかし現在、トランプはイランとの核合意を維持している。トランプは一応見直しを主張する一方、イランが核合意離脱を示唆して、トランプ政権を牽制している状況である。 https://mainichi.jp/articles/20180223/k00/00m/030/229000c つまり、トランプは自分の言葉の整合性だけが、北朝鮮に核保持を認める際の障害なのだ。

大統領候補だった時トランプは、韓国も日本も核兵器を持てば良いと言っていた。元々トランプは、東アジアに米国が介入してきた従来のアメリカの姿勢を改め、東アジアは東アジアに任せたいのである。

金正恩が習近平を訪問したのち、トランプは習近平から①「金正恩委員長との会談がとても上手くいったと報告を受けた」②「金正恩が私と会うのを楽しみに待っているとのメッセージを受け取った」③「金委員長が国民や人類にとって正しいことを行う可能性は十分にある。楽しみだ。」と米朝会談への意欲を表している。

その上で④「残念ながら、最大限の制裁と圧力はあらゆる手段で続けなければならない」ともツウィターに書き込んでいる。https://www.youtube.com/watch?v=CIWVG7xFbsg (3月29日、ANNニュース)

金正恩は習近平との会談で、「南朝鮮(韓国)と米国が善意をもって応じ、平和実現のために段階的、共同歩調の措置を取るならば、非核化の問題は解決できる」と表明したと報じられている(3月28日午前13時の毎日新聞)という話を知っているのなら、なぜ上記②や③の内容のツウィートができるのか。つまり、④は申し訳程度に付け加えたものと断言できる。

北朝鮮問題は、かなり以前から習近平、文在寅、トランプの間で綿密な協議がなされており、中朝会談でそこに金正恩が加わったとみなすべきである。上記ツウィートがそれを示している。これで、北朝鮮の核保持のままの和平が確実になったと思う。つまり、完全、常時査察、不可逆な核廃絶(CVID)は条件ではなくなるだろう。

ただ、イラン合意と同じ内容の同意を米朝でするわけには行かないだろう。そこで、表だけ、相当強い表現の核廃棄案をまとめて合意するだろう。しかし、その見張り役として、中国を当てることで、実質無査察に等しい合意となるだろう。私は、素人ながら、そのように思う。

日本は元から、独自の核抑止力を含んだ軍事力をどのように構築するかを議論及び交渉すべきである。しかし、そこに拉致問題など割り込ませてはいけない。トランプ会談は、本音を話し合う場であり、まどろっこしい外交的やりとりなど不要であり、トランプはそんなことに無関心であると思う。トランプに、日本の核武装に対する助力の開始を迫るべきである。

しかし、そんな芸当はできそうにないだろう。もうこの国は、北朝鮮の財布に成り下がるのだろう。白紙小切手を渡せといわれて、「はい。拉致被害者を十人ほど返してください」というのが関の山だろう。

補足:

1)以下、何度も同じことを書くことになる。外交関係にない北朝鮮は、日本にとって自然の脅威と同然である。日本政府が本来対策を立てられる立場にあると言う点で、通常の自然の脅威ではなく、むしろ“山のクマ”に似ている。それが人を襲ったとしても、それは防げなかった日本行政府の責任である。
安倍内閣は、その喩えを延長すれば、「今後クマが人を襲わないように、山に餌場を造って大量の餌を置く。その為に、住民の非常食が少なくなっても仕方がない」という解決をする可能性がある。つまり、北朝鮮に事実上核兵器保持を認める米国トランプ政権の政策を追認し、その指示で北朝鮮の経済開発に多額の資金援助をする可能性がある。

2)以下の文章は昨年10月1日に書いたブログの内容から抜粋した。テレビ放送というのは、その中に引用したyoutube画像である。しかし、そのサイトは現在アクセスできない。(想像するのは、テレビ朝日の朝まだ生テレビである)

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