2018年6月19日火曜日

米国外交の中心的テーマは中国の抑え込みだろう

1)ダイナミックなトランプ外交

①米朝首脳会談では、北朝鮮の非核化と体制保証の話し合いを行い、合意文書に署名した。その会場のあるシンガポールに。北朝鮮の金正恩は中国の飛行機で乗りつけた。その内容には、北朝鮮の非核化プロセスに具体性がないなど、大抵の人が予想したよりも北朝鮮に対して柔軟な内容だった。

その米朝会談について、日本政府は落胆したという意見が多かったし、米国本土でも民主党系の勢力から批判されたようである。https://jp.sputniknews.com/politics/201806134985617/

②トランプ米国大統領は6月18日米国に新たに「宇宙軍」の創立を指示した。「国家宇宙会議」で米国が宇宙で優位に立つ必要があると語ったという。“優位に立つ”という表現は、相手を意識するときに用いるのだが、その相手は明らかに中国だろう。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180619-00010000-sorae_jp-sctch

中国は、月面基地建設を国家プロジェクトとして検討している。嫦娥計画としてウィキペディアにも紹介されている。米国は月旅行や火星移住計画を民間企業が中心に計画しているようだが、このままでは中国の後塵を拝することになるだろう。中国の計画はネットにも多く書かれている。https://moonstation.jp/blog/lunarexp/china-discussing-unmanned-lunar-base

③最近、貿易不均衡を理由に中国からの製品にかなりの関税をかけることを命令した。中国の報復関税に対しても、更に関税品目を増加させるなどの対抗策を講じている。https://jp.reuters.com/article/trump-china-additional-tariff-idJPKBN1JF007

これでは貿易戦争になり、米国経済にもマイナスであると考えられている。

これら①ー③の米国の動きは、単独でみるのではなく全体としてみるべきだろう。そうすると、米国の中国の軍事拡大や勢力拡大に対する警戒心が見えてくるのではないだろうか。

つまり、今回のトランプの保護貿易的な動きは、各国との貿易不均衡を是正するという凡ゆる国を対象にする話だが、それだけではないような気がする。つまり本当の目的は、中国経済を抑え込むことで、世界における中国勢力の拡大を抑える戦略ではないだろうか。

2)金正恩の今後の外交:米中の間をうまく泳ぎ切るのだろうか

北朝鮮の金正恩は、今日中国に出かけた模様である。米朝首脳会談についての報告や打ち合わせに向かったのだろう。北朝鮮と中国が蜜月関係に入ったと単純に考えるのは、早計だろう。また、習近平も自分の意のままに北朝鮮を動かせるとは思わないだろうし、金正恩を100%信用している訳ではないだろう。

金正恩は、米国と中国の間でどのような外交を展開するつもりなのだろうか。おそらく、中国の属国になりたくはないだろう。属国になるのなら、米国の方を選択するような気がする。つまり、泳ぎ切った対岸は米国側であるような気がする。(補足1) それが、トランプの北朝鮮に対する柔軟な対応や中国に対する強硬な姿勢と関連しているような気がする。

米国と中国の間でどのような外交を展開するか、自国内部の中国にコネを持つ人物の動きなども見ながら、慎重に行動しないといけなくなる。金正恩は、米朝会談を終えて少し余裕ができたと考える向きも多いだろうが、本当はこれから正念場を迎えるような気がする。
以上は素人のメモです。

補足:
1)当然明確な米国寄り政権などできない。核兵器を米国の監視下で全廃をするように見せる。朝鮮半島は北朝鮮の経済復興のあと統一朝鮮とする。しかし、核兵器のかなりを隠し持つことを米国に見逃してもらうのである。自主独立路線を強調する新しい国となるが、当面は、米国との申し合わせにより親中政権を装う。

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