2019年3月27日水曜日

北方領土問題ともう一つの巨大な拉致問題

ウクライナの人が、安倍総理の対露外交を軟弱外交と言っている。グレンコ・アンドリー氏は、新著『プーチン幻想』(PHP新書)の中でその理由等を書いているという。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190326-00010001-voice-pol

プーチンの巧みな外交と安倍外交とでは比較にならないが、確かに20数回の首脳会談で何も実質的に進展しなかったことを考えれば、この方の考えを傾聴せざるを得ない。ザギトワの秋田犬を可愛がるのも、プーチン外交の一環だという説も納得できる。https://courrier.jp/news/archives/138852/

メドベージェワに続いてザギトワの「一途な日本愛」が、プーチンにより仕組まれたものだと考えることは、インテリジェンスの方々の間では相当初歩的な分析かもしれない。

ところで、あの秋田犬の名前がマサルであることが気にはなっていたのだが、ふと、佐藤優氏の名前と同じことに気づいた。ロシアでもひょっとして比較的良く知られた日本の名前なのかもしれない。

佐藤優氏とは、鈴木宗男事件の時に逮捕された人である。一月の両首脳会談の直前のラジオ番組で、佐藤優氏が2島は帰ってきますということを自身ありげに話していたことを思い出す。佐藤氏は、その時安倍総理が鈴木宗男氏に会ったことも、話していた。

日露平和条約交渉だが、2島返還で合意しようとしても、なかなかできないように見えている。もうすぐプーチンから2島返還で合意しようという提案があるのかもしれないと思うようになった。

つまり、もう一度上記の話を全て思い出し考察すると、この数ヶ月の消えかけた北方領土交渉は、ロシア側による日本側のための移動したゴールポスト(あるいは新たに作った仮のゴール)を定着させるプロセスなのかもしれない。

両方ともが、やったと思って喜ぶのだが、ロシアは日本がゴールキックに失敗した場面を見て喜び、日本はロシアが作ったダンボール製の仮のゴールに入ったと言って喜ぶのである。

グレンコ・アンドリー氏の記事に戻る。2島返還の基礎となる日ソ共同宣言だが、それはシベリア抑留者の早期期間のためにはやむを得ない合意だったと、アンドリー氏は書いているらしい。数十万人の人質をシベリアに抑留されたあの件は、現在の北朝鮮による拉致問題よりも遥かに巨大な問題である。

そのシベリア抑留者の問題と北方領土問題の関連について、政治家の口や、マスコミの北方領土問題の報道で聞いたことがない。私のブログ記事でも補足で議論したに過ぎない。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43856541.html

このシベリヤ抑留の件、「約107万人が終戦後シベリアやソ連各地に送られ強制労働させられ、研究書によっては、死亡者は25万人以上と書かれているものもあり、実際の人数は定かではないようです。」とある記事には書かれている。

帰還は1946年から1956年に亘ってなされたらしいが、1955年に社会党議員が収容所を訪問して、その貧しい食事に驚いたという記述もある。このような両国の関係の下、日ソ共同宣言は結ばれた。アンドリー氏の意見もそれなりの説得力がある。

北方領土問題は、ハーグ陸戦協定に違反したシベリア抑留問題と同時に考え、交渉し解決しなければならない類のものだった。そのことをもう一度思い出すべきである。もし、日ソ共同宣言での2島返還は無効であるというのなら、シベリア抑留問題も議題に登る筈である。 https://ironna.jp/article/2743

0 件のコメント:

コメントを投稿