2019年3月11日月曜日

米国は、米軍駐留を同盟国相手の商売にしようとしているのか?

1)3月8日(2019年)のブルンバーグの記事によると、米国は同盟国に駐留する米軍の経費を100%駐留相手国に要求するだけでなく、更に50%のプレミアムを上乗せして、米国の商売にすることを考えているという。

(TrumpSeeks Huge Premium From Allies Hosting U.S. Troops By Nick Wadhams and Jennifer Jacobs;2019年3月8日 14:00 JST)

このニュースは、国際政治評論家の田中宇氏のメルマガで初めて知ったのだが、検索すると、他にもジャパンタイムズを含めて、多くのメディアで報じられている。

米軍駐留費の増額は、既にニュースになっていたが、それは実際に必要な経費と駐留相手国の負担分との差額を、現在よりも小さくするというレベルの話だと思っていた。この線での話として、既に米国と合意している韓国の駐留経費8%増がある。

日本は、他国に比べて負担率が非常に大きいが、それでもトランプ大統領は駐留経費の多少の増額を言ってくるだろうと思われていた。

しかし、ブルンバーグの報じるトランプの考えは、米国の赤字解消のため相手国に米軍駐留経費の全額負担だけでなく、50%の儲け分をのせて払わせようというのである。トンデモナイ話である。

この話に関して、田中氏はメルマガの中で、韓国は将来的に米軍の撤退を考えるだろうし、ドイツもEU全体の防衛構想の中で、米軍の駐留をなくする方向で解決するだろうと書いている。つまり、日本だけがこれまでの”思いやり予算”などの経緯にお構いなしに、倍額近い駐留費増を要求する米国に従順だろうと書いている。

トランプは、そんな考えを持つトンデモナイ大統領であるが、もし田中氏の分析通りなら、同様に日本政府もトンデモナイ政府である。

トランプ外交をマッドマン理論で解釈する向きが多かったが、完全に間違っているのかもしれない。つまり、マッドマンを演じているのではなく、本当にマッドマンなのだ。米軍の駐留に至った過去の経緯などお構いなしに、駐留経費を大幅増加しなければ、後は野となれ山となれというのだろう。

2)田中宇氏は、「隠れ多極主義」という言葉で、ずっと以前から米国は世界の多極化を考えていると言ってきた。そのとおりなら、トランプの考えはオリジナルではない可能性もある。米国支配層は、丁度良い時期に良い大統領が就任したので、荒療治はトランプにやってもらおうと考えているかもしれない。

トランプは、米国と他国との貿易不均衡問題でも、二国間で輸入と輸出が釣り合わないと、もっと米国製品を買うべきだと喚いている。これでは物々交換の古代の経済と同じではないのか。

金正恩と恋におちいったとか、訳の分からないことを言ったり、無茶な要求を同盟国に押し付けたりと、本当に厄介な大統領である。トランプ大統領をグローバリズムと対決する偉大な大統領だと持ち上げている馬渕大使に、この話に対して是非コメントしてもらいたいものだ。

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