2019年10月31日木曜日

日本の終焉の前に、戦争までの歴史の評価を終了すべき(1)

一昨日の記事の続きを、二回に分けて書くつもりです。その一回目が以下の文です。元気を無くして二回目が書けない可能性もありますが、表題だけ二回分の題とします。素人の文章ですので、そのつもりでお読みください。

1)昨日の延長として、将来の東アジアを考えてみる。時間的には近い可能性があるが、内容的にはあまりにも遠い先の話なので、素人の私にも一定の発言権と発言力があるだろう。昨日は日本の暗い近未来を予想する文章を書いた。今日はそのように考える根拠と、その結果も想像して書いてみる。

その日本の将来に向けて、中国と日本の中心にある人達は、準備をしているのかもしれない。その法律が、新入管法とアイヌを先住民族として認定する法案である。中国は、北海道を重視し、李克強も王岐山も、来日した際には北海道に視察に出かけている。何故なのか?

恐らく、中国は将来の覇権構造として、米国、ヨーロッパ諸国、ロシア、中国の4領域を考えているのだろう。そのロシア圏と中国圏の領域の境界として、北海道を考えているのではないだろうか。

今年1月に、チャネル桜において、伊藤貫氏から話を聞く番組がyoutubeにアップロードされたとき、その感想をブログ記事に書いた。その時、後半部分は中国と米国の覇権争いの中の日本というテーマだったのだが、感想文は次回に書くとしながら、これまで書けなかった。それは、伊藤貫氏が話す日本の国際的位置が納得できなかったからである。それは、中国の覇権域の中の日本である。https://www.youtube.com/watch?v=0bwlpoETjxQ&t=5069s 

24日のペンス副大統領の演説では、トーンが昨年より相当宥和的になったという。それを予見するような話が、一年弱前の伊藤貫氏の話の中にあった。

トランプはある段階で取引を行うことで、この経済的封じ込めをやめるだろうという予測である。その考えは、オバマ政権時代のCIA副長官(2010-2013)のMichael Morellが分析していることだという。米国が現在の中国と折り合いを付けるということは、日本が中華圏に入るということになる。(補足1)

マイク・モレルの分析の基礎にあるのは、中国の確実な経済発展である。経済的封じ込めが出来ないと考えるのは、中国は2,014年に購買力ベースで殆ど米国と同じGDPに達し、その後、おそらく米国を抜き去っているとの予測による。冷戦時代のソ連との関係とは異なり、中国はすでに自由主義世界の経済にあまりにも深く入り込んでいる、そして、すでに中国は経済的に米国を超えているからだという。(補足2)

米国には、取引のオプションしか無いが、それは結局東アジアからの米国の撤退ということになる。その切っ掛けは、5-10年先に何らかの戦争が西方で起こったとして、米国と中国が第二のヤルタ会議のような会議をひらいた時、取り決められるだろうと言うのである。

2)安倍総理が日本の置かれた上記情況を知ったのなら、そしてそれを考えた上で上記2法案を通し中国人の大量移民の流入を考えたのなら、安倍総理は優秀なスタッフを抱えており、その説得による現実的判断なのかもしれない。

安倍総理は、ロシアとの連携を考えただろう。日米露印の連携により、中国の脅威(将来起こり得る理不尽な要求)を抑えて、日本の独立国としての体裁を高めるのである。これはモスクワにいる北野幸伯氏(恐らくプーチンに近いのだろう)の考えである。プーチンも世界一長い国境線を持つ中国との関係を対等な形に維持するには、日本を利用し米国との関係も改善して、経済力をつけるべきだと考えるだろう。

その際、日本との友情樹立の証として歯舞色丹を返還することなど、ソ連時代なら簡単だっただろう。しかし、ロシアには選挙がある。ロシアの一般市民は、日本が敗戦を受け入れると表明した後に、満州、朝鮮、樺太、北海道周辺などで、民間人を含め数十万人の日本人を捕まえてシベリヤ送りにしたことや、大量の日本人を虐殺、強盗、強姦したことなど、教えられていないだろう。そのような情況で、ロシアの一般市民を説得することは不可能である。プーチンは中国の下にあって、中国に協力する路を選択するだろう。

安倍総理も、誠意あるロシアの態度無くして、日露平和条約を結び、経済協力を大々的に開始するのは、ロシアへの属国化を意味するので出来ない。更に、トランプは東アジアを切り捨てる方針を決して捨てないだろうし、トランプでなくても米国の減退する実力がそれを強制するだろう。トランプはその姿勢を、早々にTPP(環太平洋パートナーシップ)からの脱退という形で示した。(補足3)

更に、日本は憲法改正もまともに出来ない国である。日本国民は、米国とそのコバンザメ的日本の官僚政治家により、徹底したWGIP(戦争犯罪史観の徹底)の教育を受けている。その結果、「戦争は外交の一環であり、軍備は国家の背骨である」など、人類史の常識すら完全に奪われている。

日本人の殆ど、特に婦人方は、平和教信者であり、日々平和という言葉を“お経”のように唱えることで、世界の国々は日本の平和に協力してくれるはずだと信じている。野党議員は、その層の代表であり、非武装中立と非核三原則を金科玉条のように考える人たちか、日本に対し敵意を心中深く抱く人たちだろう。

そのような情況で取りうるのは、これまで世界がコンセンサスとしてきた自由貿易の原則に反するトランプの姿勢を逆手に取って、日中友好を演出することだったのかもしれない。しかし、それは国家としては自殺行為に見える。

自由を奪われる香港のように、虐待されるウイグルやモンゴルのように、そして、完全隷属を演じた李氏朝鮮のように、日本はなるだろう。

その時になって、日本人は「戦争は外交の一環であり、そのための軍備は国家の背骨である」という言葉の意味を知るだろう。日本人得意の忖度でもって、天皇制は日本人自身の手で破壊することになるだろう。天皇家が、伊勢神道のトップとしての位置に残れるかどうかも明らかではない。

天皇の2文字は早々に憲法から消えるだろう。その時、日本は日本でなくなる。日本で無くなっても、日本国という名前、その時恐らく大勢の外国人を抱えているだろうが、日本国民という括りは存在するだろう。それに耐え難い苦しみを感じるのは、主として知識人、特に、右派系の知識人だろう。

日本人の必須科目は、英語ではなく中国語の習得となるだろう。数年して、殆どの人々の脳裏から天皇は消えるだろう。それを寂しく思うのは、少数だろう。あのマッカーサーも、直ぐに日本の神となったのだから。

補足:

1)勿論、中国が自己崩壊する可能性はあるが、それはずっと先の話である。また、自己崩壊なら米国の方が早いだろう。米国はともかく民主主義の国である。国民を束ねる箍(たが)が緩い木製であり、形がバラバラの板を束ねている情況である。中国は金属製の箍であり、板が変形するほどに締め付けられる。

2)伊藤貫氏の話では、中国は2010年に世界との貿易が最大になり、2014年購買力平価で計算したGDPで世界最大になった。世界諸国で、米国と取引が無くなった時よりも、中国と取引がなくなった時の方が経済的に困ってしまう国が多い。従って、中国は自由主義経済の世界におけるメインプレイヤーであり、経済的封じ込めには遅すぎ、現在では無理である。

3)CBS NEWS 7月3日の記事「Why the U.S. could "possibly lose" war against China in East Asia(何故米国は東アジアでの戦争に“恐らく負ける”可能性が高いのか)」 で、前CIA長官代理のマイク・モレルは以下のように言っている。

中国の世界で拡大する影響力は、米国の軍事的、経済的、技術的な面での直接的脅威となっている。多くの人は中国が米国の最大の国家的脅威であると考えている。

そして、中国は世界のどの国よりも急速に米国に追いつき、東アジアで戦争になれば米国は負ける可能性さえある。中国の脅威は、中国が米国の賞賛の対象から手強い競争相手になった経済の分野や、香港において明確になっているように、地政学的影響力において顕在化している。中国は、東アジアは過去自分たちの勢力圏であったし、それを今後回復するのだと考えている。

トランプは、米国大統領として初めて中国問題を主要課題と見なした。その解決策は多くの人が関係しているが未だ解決策がない難題だが、トランプの策は狭い視野での考察に基づいている。トランプが冒した特に大きな間違いは、環太平洋パートナーシップから抜け出したことだと思う。(訳は簡単な意訳ですので、詳細は元の文を御覧ください。)

https://www.cbsnews.com/news/us-could-possibly-lose-war-against-china-in-east-asia-michael-morell-says/

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