2020年3月28日土曜日

新型コロナ肺炎:中国での二度目の大流行とその政治利用の可能性

1)「中国でのCOVID-19肺炎の二度目の大流行の可能性」については、既に3月14日の本ブログに書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12581994035.html

 

妙佛DEEP MAXさんが、YOUTUBE動画で同じ指摘をする一方、その二度目の大流行を外国の所為にする準備を、中国政府は行っていると言っている。https://www.youtube.com/watch?v=d56Hs4fYogY

 

中国習近平は、最近、新型コロナ肺炎(COVID-19)を完全に征服したと宣言し、その宣言と一見整合性のある感染者数等のデータを発表している。その上で、中国人留学生を中国に呼び戻しているという。その理由を兼ねて、「今や中国は、外国(米国など)よりも、安全だ」と、宣伝しているという。

 

妙佛DEEP MAXさんによれば、中国はCovid-19の完全征服を演出し、海外にプロパガンダとして流しているというのである。更に、米国などの感染者数や死者数と比較して、中国の優れた対策、ひいては、国家としての能力が欧米より優れていると、全世界に(特に一帯一路のルートにある諸国に)宣伝しているというのである。

 

しかし、既に何度か書いたように、中国のCovid-19完全勝利は、闘病中の人たちを完治者として病院から追い出して得た、誤魔化しの勝利である。それは、経済活動を再開するためであり、そうしなければ、国家財政の破綻から、習近平政権の崩壊につながるからである。

 

それは、高い確率で二度目の大流行が起こることも承知の上での決断である。DEEP MAXは、その言い訳も既に用意しているといっている。つまり、海外から入国した人間が持ち込んだということにして、外国に責任転嫁を行うのである。

 

恐らく、民事的には、その責任は海外から従業員を入国させた企業の責任となり、その企業の資産没収の口実となるだろう。また、その所属する国家に対して、適正なCOVID-19対策を怠ったとして責任追求し、アジア・アフリカの一帯一路の仲間の国々にそれを唱和させ、それらの国々が多くの票を持つ国際機関を動かして、主張の正統性を構築する可能性すらある。

 

このような中国の動きを見て、「民主主義の先進国は、中国と経済的デカップリングをすべきだ」と、トランプ政権は主張するだろう。しかし、中国はそれをさせない様に、このCovid-19を利用する戦略を建てているのだろう。つまり、Covid-19すらまともに克服できない共和党トランプ政権というプロパガンダを幅広く展開するのである。

 

デカップリングを政策の中心に置いているトランプ、ペンス、ポンペオの政権を潰し、親中派の民主党の人間が次期大統領に代わる様に、運動しているのではないだろうか。(民主党の議会も今や経済的に中国とデカップルする方針に賛成だと聞くが、本当だろうか?)

 

2)中国におけるCovid-19からの偽りの克服:

 

3月20日の記事で、中国は死亡していない感染者を殆ど完治者として病院から出して、SARS-Cov-2ウイルスとの戦いの勝利を捏造したことについて書いている。そして、それ以降、海外のこのウイルス肺炎との戦いを支援するという姿勢を示している。自国民の命を軽視して、現在の政権の安定と成長にCOVID-19を利用するのである。

 

下の図は、3月11日から28日までの、武漢市を含む湖北省での感染者数、死者数、回復者数の日毎の変化である。全て、28日の値を1.0に規格化している。数値データは全てジョーン・ホプキンス大の特設ページからとった。

 

この図が示すように、中国湖北省ではこの2週間ほど、回復者が急激に増加する一方、死亡者や感染者はほとんど増加していない。この傾向は、他の省も解析したところ同じであった。これは、患者が新たに発生せず、しかも、長期入院中の患者が殆ど回復して退院したことを意味する。特段新しい有力な治療法が発表されていないので、このような結果にはなり得ない。

 

 

更に、武漢を含む湖北省以外の地域での死亡者の比率(死亡率1=死亡者/(死亡者+回復者))が、この肺炎を抑え込む点で非常に優秀だった韓国での数値よりも、遥かに低い点も不思議である。3月28日の時点での湖北省以外での死者は僅か117名である。そして、それら地域の平均の死亡率1は、0.87%である。因みに韓国の死亡率1は、28日午後8時のデータで、2.9%である。

 

それでも、中国のCovid-19を抑える技術が非常に優れているという言い訳は可能である。しかし、香港やマカオのデータでは、上記中国本土のデータとは全くことなった推移を示しているので、その言い訳も難しい。

 

例えば香港の感染者数は、28日夕刻現在、519である。そのうち、死者は4,回復者は110である。殆どの感染者は未だ回復者としてカウントされていない。中国本土では殆ど治療中の人がいないのに、何故、香港では圧倒的に闘病中の人が多いのか?

 

更に、最近中国は43000人の発病しない感染者を統計から外したといっている。(昨日引用)これを同説明するのか?これを上記死亡率に入れれば、もっと小さい死亡率になってしまう。これらを中国はどのように説明するのだろうか?

(終わり)

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