2020年6月25日木曜日

米中経済隔絶は起こらない:大山鳴動ネズミ一匹?

1)中国は計画経済に逆戻りするシナリオまで考えている?

 

以下は「中国経済政策において、中共高官からの指示と見なされている録音:」と題する、香港大紀元新唐人共同ニュースが5月31日にアップしたyoutube動画の紹介である。中国人高官から一定の限られた人たちへ、今後の中国の経済悪化と、それに対する個人が取りうる対策についての指示や教示である。https://www.youtube.com/watch?v=7-fgFfPO67Q

 

出所不明の語りだが、米中関係が完全な対立となった場合のプロセスを考える上で有用だと思うので、とりあげた。米中関係の最悪を前提としての話なので、注意して読んで欲しい。トランプが大統領である限り、実はこのようにはならないだろう。(補足1)素人の予測だが。。。

 

この動画では、米国との貿易戦争で、中国の貧困化が起こると予想している。つまり、関税25%が中国からの輸出品の全品目に適用されれば、外資系企業のベトナムやタイへの脱出により、合計8000万人程度の失業が発生する。そしてそれに国有企業は対応できない。

 

当面は物価高騰などで自然に進む元安により、米国への輸出が成立したとしても、米国が為替操作国に指定する可能性もある。そうなれば、完全な米中隔絶となる。(補足2)その場合も想定して、中国は計画経済への移行も考え、手を打っている。(全国計画供給消費公社の各省での設立)

 

それと同時に、当面の財政問題は、国民が現在保有している金融資産を国家が取り上げることで賄う可能性がたかい。そのための手段として、新札発行によるタンス預金や隠匿資金のあぶり出し、株価や不動産価格を下落させることなどの方法を採用する。

 

2)動画の要約:米中隔絶の下での中共政府の対策と個人のあり得る対策

 

お金は政府が配った紙切れで、政府が認めれば使えるが、政府が認めず別の紙切れ切り替われば使えなくなるので、政府の新札発行に注意すべきだ。それまでに、現物(外貨、金など)に替えるべきだ。

 

また、②国民の財産(金融資産)は、政府の負債だ。政府が負債を減らしたいと思えば、株式市場を操作し、株価を暴落させる、或いは、不動産を暴落させる、などの手段がある

 

これからのことを良く考え、お金は現物に替えるか、外貨に替えるべきだ。そして、海外に行ける人は行った方が良いが、米国は避けるべきだ。将来米国は敵国になる。米国での財産は没収される。中立の国に行くことができれば、中国の戸籍は消去した方が良い。何故なら、中国はCRSに加入しているので、中国にも税を払わないといけなくなる。

 

我々がこれまでやってきた全ては、中国の現状を根本的に変えられない。高層(共産党の上の方)は依然として激しい闘争がつづいている。誰が将来舵取りをするかわからない。現在三つの勢力が争っている。計画経済を取りたくない勢力もあるのだが、その勢力が最後に勝ち残る確率は未知数だ。

 

米国と完全に断交に近い状態になれば、我々は毛沢東時代に退行するしかない。皆準備しておくほうが良い。多くの解放措置は、実は米国に見せかけるためにある。その措置は中米貿易を有利にするため。交渉に成功すれば、これらの措置は必ずしも実行されるとは限らない。中国人は約束を守ると考えるのは大間違いだ。

 

 

3)国民の金融資産は政府の負債(私の解釈)

 

大まかに言って国民の金融資産は政府の負債である。負債は未来から借りること(未来の取引を縛ること)である。それが大きくなりすぎた場合、昔は徳政令を出した。インフレは、穏やかな徳政令である。高いインフレは、ほとんど徳政令である。

 

その場合、新札発行するだろう。今後の世界は、どこもその傾向が高まるだろう。現在、株が値下がりしないのは、それがわかっているからだ。

 

そこで狡い人間は、金融資産の逃避を考える。それを防止するのが、マイナンバーと銀行口座の連携である。結局、人類の経済は徐々に社会主義の方向に変化していくだろう。

 

なお、各国の対外金融資産は、米国の負債である。米国が贅沢をして負債を増加させると、世界の国々には金持ちが増える。金持ちとは、上の動画で言っているドル札という紙切れを集めて喜んでいる人たちのことである。

 

しかし、そこに同じことを真似て、負債を他国の預金に書き換えたいと考えているのが中国である。中国の元或いはデジタル元を、国際通貨にすれば、中国は負債を世界にばらまくことができる。

 

中国がそれに成功すれば、米国はドルから元に乗り換えた国から、ドルを回収することになる。その回収は、実物との交換で行うから大変だ。米中対立の別の面である。EU圏とも同じ争いがある。

 

補足:

 

1)トランプはグローバリズムに反対であると信じている人が日本に多い。馬渕睦夫氏がその代表。幸福実現党の及川氏もそうかもしれない。グローバリズムとは、中国農村部に縛られた(戸籍が固定されている)貧民を奴隷のように低賃金で使って、中国共産党高官とグローバル企業とで儲けを折半しようという経済体制である。そこで、反グローバリズムのトランプは、Pナバロなどの反中学者を利用して、米中隔絶を実現しようと考えているというのである。しかし、それはトランプの買いかぶりである。伊藤貫氏を日本に呼び戻して、話を聞くべきだ。

 

2)米中隔絶はおこらないだろう。それは中国経済に詳しいMOTOYAMA氏の直近動画:https://www.youtube.com/watch?v=JwZRA4Lt9xc 後半(20分位から)にもある。それは、伊藤貫氏が2年ほど前にも言っていたことで、大きくなりすぎた米中関係は、切り様のない縁(腐れ縁、鎖縁)である。

 

中国が混乱すれば、同様に米国も混乱する。どちらが混乱に強いか?答えは簡単である。共産党独裁の中国が強い。かれらは計画経済まで戻り得る。米国はそれに比べれば脆弱だ。もちろん、三峡ダム決壊、新型コロナの更なる大爆発、共産党政府の崩壊など(本文最後の三強の争い参照)があれば、話は全く別で予測不能である。

 

つまり、トランプが大統領を続ける場合、米中隔絶はおこらない。MOTOYAMA氏が以前の動画で喋ったように、隔絶も止むなしと考えるなら、わざわざハワイで6時間も会談しない。ポンペオは怖い顔をして、中国にお願いをしているだけだろう。

 

トランプは、儲かること優先であり、人権とか人種差別反対などには関心がない。それを察知して、現在の中国政府は、トランプが大統領を続けることをむしろ望んでいる。以下の動画で、幸福実現党の江夏氏が解説している。https://www.youtube.com/watch?v=euUiDrbZylI

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