2020年6月27日土曜日

香港国家安全法関連の米国上院で議決された法案と宣言について

香港安全法関連で新しい動きがあった。一つは、中国軍の車が列をなして香港に入ったこと。もう一つは、米国上院で関連する法案が民主共和両党の賛成で成立したこと。更に、上院で関連する決議がなされたことである。

 

香港安全法で処罰の対象となるのは、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託である。香港民主化デモが欧米からの支援をうけて行われていることも考慮して、これを弾圧することを目的としている。そのため、中国政府は香港に出先機関として、国家安全維持公署という部署を設置する。同時に、国家安全維持委員会という香港行政長官がトップの組織をつくり、そこに中国共産党政府から顧問を派遣する。顧問とは、実質トップということだろう。

 

これで香港の国際的に認知された特別な地位がなくなる。7月1日は、香港の返還記念日であり、民主派はデモを強行する可能性がたかい。第三の天安門事件の可能性がある。何故なら、最初に触れたように中国軍は何らかの装備品(武器等)を積んだトラックを香港に運び込んでいるからである。及川幸久氏のyoutube動画に紹介されている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=GYgfPAm7BT0

 

それによると、米国上院で香港自治権法案が可決された。1984年に返還された時、香港の自治権を保証するとなっているが、それを侵害する者個人を制裁するという内容。制裁対象者が使う米国銀行にも制裁を加える。(補足1)下院で可決され、大統領の署名で成立するだろう。

https://www.aljazeera.com/ajimpact/senate-approves-china-sanctions-bill-hong-kong-law-200625204510051.html

 

ジョシュ・ホーリー上院議員が、香港決議を提案し議決された。そこでは、各国政府に香港の自由をまもるため対中国で団結を呼びかける内容である。(補足2)ジョシュ・ホーリーは更に、今が中国による香港の自由の破壊を止める最後の機会であり、中国は重大な結果を招くことを認識せよとのコメントを出している。

 

 

補足:

 

1)この法案は、既に下院で決議されているもう一つの法案と対をなす。25日、上院で議決された法案としては、引用のサイトでは、“a bipartisan measure that would penalize banks doing business with Chinese officials involved in the national security law the country is seeking to impose on Hong Kong”(国家安全保障法に関与する中国当局者と取引をしている銀行を罰する超党派の措置)などと書かれている。

 尚、この法案の内容は、毎日新聞朝刊にもあった。9面のロヒンギャの新型コロナ感染拡大に関する大きな記事の脇に小さく紹介されている。上院決議については何も書かれていない。これは、毎日新聞編集部の部長以下が非常に愚かな連中でなければ、明らかに中国の強い影響下にあることを意味している。

 

2)決議文とは以下のサイトのものだろう。下線部は、決議文から具体的な表現に変換されている。(翻訳文の下線部2箇所を合わせた意味である。)その可決は、以下のHawley 議員のホームページに紹介されている。https://www.hawley.senate.gov/us-senate-passes-senator-hawleys-resolution-condemning-beijings-proposed-takeover-hong-kong (内容はその中のSenate Resolution 596をクリックすれば出てくる。)

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