2020年10月9日金曜日

足立区白石議員のLGBTに関する言葉は非難には当たらない

昨日朝のテレビ番組グッドラックで、足立区議会での白石正輝議員のLGBTに関する発言が、司会者やコメンテーターらにより、「気分が悪くなる」程の悪質な差別発言だとして紹介された。私には、彼らの「気分の悪さ」がさっぱり解らなかった。

1)ネットに現れた報道機関による白石議員の発言の紹介と論説;

毎日新聞の記事が引用したのは、以下の発言である。
①「日本人の女が全部L、日本人の男は全部G、次の世代生まれますか?」「LとGについてだけは、もしこれが足立区に完全に広がってしまったら、足立区民いなくなっちゃうのは100年とか200年の先の話じゃない。私たちの子どもが一人も生まれないということ」。 https://mainichi.jp/articles/20201007/k00/00m/040/115000c

一方、ABEMA Timesも同様に直接白石議員に取材し、上記発言を紹介している。両方の記事とも、この発言に対して何処を批判しているのかが、わかりにくい。ABEMA Timesによる記事では、それに加えて、作家、乙武洋匡氏の以下の意見を紹介している。

白石区議が問題の質疑で、②「正常な結婚をし、子どもを産み育てることは、人として最も崇高な使命であると思う。学校教育の中で、子ども達にしっかり伝えるべきと思う」と発言していることに注目した。

そして、「“正常な”という言葉を入れる必要があるのだろうか。あえて“正常な”と入れるところに、僕はLGBTQ(補足1)の方々に対する蔑視が滲み出ていると感じてしまう。政治家としては少子化問題に向き合わなくてはならないが、大事なのは産むことを望まない人や望めない人に圧力をかけることではなく、産みたいと思っている人が経済的な事情や労働環境的な理由で産めない状況改善することだ」と指摘する。 https://news.yahoo.co.jp/articles/a9216f5c25f7fec21a19392e3347d137de0056ea

ここで初めて判りやすい非難の言葉が現れた。乙武氏は、「同性婚など子供の誕生を期待できない結婚を“異常な結婚”といってはいけない」という意見のようだ。ただ、あとで引用する区議会の要旨によれば、そして白石議員のインタビューでも、産めない人に圧力をかけている部分は皆無である。乙武氏は、恣意的解釈をして論理を無視して批判を展開しているのだ。

そこで漸く私も彼らの非難の言葉が理解できた。それは、LGBTなどを対象に、正直に本当のことを言ってはいけないということである。つまり、LGBTは現代文化のアンタチャブル(補足2)であり、よほどのことがない限り触れてはいけないのだ。

LGBTは正常ではないし、同性婚は正常な結婚ではない。それに言及する必要があれば、そう発言するのは当然である。つまり、論理的批判があり得るというのなら、白石議員の発言は、不必要にアンタッチャブルに触れたという非難だけだろう。

2)足立区議会の議事要旨における白石議員の質問:

そこで、足立区議会の議事録を探した。白石議員の質問要旨が、しっかりと記載されている。マスコミは何故この議事録を引用しないのか? 令和2年第3回定例会における白石議員の質問は、以下の通りである。(前半部分は省略)

少子化問題は政治の大きな課題として取り上げられてきた。しかし「ひとりでも多く子どもを産んでほしい」「最低3人は」等と発言すると、「女性蔑視だ」「軍国主義につながる」という非難にさらされ、政治家は口をとざし、その上、性の多様化、性的マイノリティを守ろうという美辞麗句の下、全国の自治体の中には、こうした傾向を自重するかのような法律や条例が制定され、あたかもLGBTを擁護し、助長するものと思う。
以下、質問をする。

①工藤副区長は、第一回定例会の予算特別委員会で、足立区は出生率 1.4 を目標にしていると答弁したが、その真意は。
②LGBTについては、人それぞれの生き方であるから、非難する気持ちはないが、正常な結婚をし、子どもを産み育てることは、人として最も崇高な使命であると思う。学校教育の中で、子ども達にしっかり伝えるべきと思うがどうか。 https://www.gikai-adachi.jp/voices/GikaiDoc/attach/Enq/Enq50_20203t6.pdf

乙武氏の批判は、質問②の表現にあるようだ。何故、白石議員はLGBTを引き合いに出したのか?つまり、LGBTに対する配慮を非常に重要なことのようにマスコミ等が報道し、それに反論すると叩かれるようでは、子どもたちが正常な結婚に対する社会的な意味を理解しない可能性がある。そこで、それに反論するために、同性婚を異常婚であり、未来の社会に対する貢献が期待できないと言ったのだろう。

どこがおかしいのか? グッドラックや上記紹介記事では、一体何を批判しているのか? 知性的ではない過敏な反応の影に一体何があるのか? 与党保守派を攻撃する政治的目論見が見える。何度も引用したことだが、かの有名な米国の政治学者(故)ブレジンスキー氏は、彼ら「ユダヤ人が米国の政界で大きな力を得た方法は、マイノリティの権利を主張することであった」と言った。その尻馬に訳も分からず乗っているのだろう。

補足

1)下に引用の記事より: Qは、「Queer(クィア)」もしくは「Questioning(クエスチョニング)」という2つの言葉を表している。これは、セクシュアルマイノリティでもLGBTに当てはまらない全ての人たちを表すために、LGBTの後ろにクィアがつけられているようだ。http://rainbow-project.jp/lgbt-q/

2)アンタッチャブルとは、触れてはいけない物や事。現代文化でのアンタッチャブルとしては、性に関することが多い。しかし、昨今学校で性教育する時代であり、その壁は薄くなっている。ほかには、「優秀なヒットラー像」もアンタッチャブルである。日本では、被差別部落民、在日などもは今でも政治的アンタッチャブルである。

0 件のコメント:

コメントを投稿