2020年11月17日火曜日

食事中のマスク着用; 厚労大臣による推奨とその効果について

マスクをすることで、新型コロナの流行を抑えようという考え方は良いとしても、マスクの正しい取り扱いにまで、十分には言及されていないと思う。先日、田村厚生労働大臣により、食事の際にもマスクをして、口に食物を入れるときだけ外すという、”マスク懐石”(朝のテレビ番組内での呼称)が推奨された。しかし、”マスク懐石”だから大丈夫だと思い込む可能性のあるとしたら、その推奨はむしろ危険だろう。https://news.yahoo.co.jp/articles/07b17a8b5626f1ff86c5d1728b747d71a6f323d0

 

新型コロナ肺炎への対処法として、マスクをすることが世界に流行しているが、医師などの専門的なマスク着用の場合を除いて、未感染者が感染を防止する効果は限定的だろう。(追補)それは、既に経験している以下のケースから明らかである。

 

例えば、ホコリアレルギーの人がマスクをして埃っぽい部屋の掃除をした場合、アレルギー症状から逃れられないだろう。また、メガネ着用者は、マスクをするとメガネの曇りは避けられない。つまり、マスクをしても呼気が多量に漏れるのである。マスクに頼りすぎるのは危険である。

 

殆どの人がマスクをする動機は、他人から感染しないことを考えてのことだろう。この効果(直接の効果)は、上述のように大きくはないだろう。しかし、社会全体の視点から期待されているのは、自分が既に感染している場合に、周囲へ撒き散らすウイルス量を減少させることである。(補足1)この効果は相当あるだろうが、そのように考えた場合、マスク着用の前に推奨すべきことがある。

 

それは、感染者或いはその可能性を感じる人が、外食などを控えること;外で多数の人の居る環境下で、会話や歌唱など唾液の飛び散るような行動を慎むこと、等である。(補足2)

 

感染者が”マスク懐石”で食事をすると、手で頻繁にマスクに触る。この時、自分のウイルスを含んだ唾液により手を汚し、その手でドアノブなどに触る可能性が高くなる。更に、厳密に予防措置をとっているので、大丈夫だと勘違いして、外食などに出かける頻度を増し、マスクをしながら普段どおりの会話をする可能性がたかい

 

冬に大流行が考えられるのは、①ドアノブや椅子の背もたれなどに付着したウイルス含有粒子が、長期に水分を保ち感染力を維持すること、②喉粘膜などの乾燥により感染確率が上がること、などが考えられる。従って、冬に向かって、飛沫感染よりも接触感染に注意を喚起することが大事だと思う。

 

追捕:上記は今ひとつ分かりにくいようなので、要点を書きます。

 

マスクには、①未感染者がウイルスを吸い込まない効果と、②感染者がウイルスを撒き散らさない効果の二つが期待される。多くの人は①の効果を期待してマスクをしているが、②の効果が(特に冬場は)大きいと思う。撒き散らしたウイルスを手で触り、方方に付着させると未感染者が接触感性する可能性が大きくなるからである。”マスク懐石”は、②の効果をなくしてしまう可能性がある。

 

(追捕と編集17時)

 

補足:

 

1)普通のマスクでサブミクロン粒子の吸入を防ぐことは無理である。また、メガネが曇る現象から分かるように、顔面とマスクの隙間には大きな隙間が空いている。ただ、クシャミをした場合、飛び散る唾液量を抑える効果は大きいだろう。

 

2)ウイルス外側のエンベロープは、リン脂質二重膜から出来ていると言われる。その場合、水分がその構造を保持するのに必須である。低温では、蒸気圧が低下し、このウイルスの失活時間は延びる。

0 件のコメント:

コメントを投稿