2021年4月2日金曜日

新型コロナワクチンの効果について:

ファイザー社などの新型コロナワクチンは効果が高いようだ:

 

新型コロナ肺炎のワクチン接種が日本でも近づいている。その効果はどの程度なのかについて、疑問に思っている人が多いと思う。ファイザー社などから95%の感染予防効果が報告されて居るが、最近の世界はイカサマデータが横行する情況にあり、信憑性を疑う人が殆どだろうと思う。自分の問題でもあるので、公表されてデータを眺め、効果はどの程度なのか、考えてみた。

 

イスラエル:

 

ワクチン接種を一番早く行ったのは、イスラエルである。人口920万人のイスラエルでは、人口の9%以上が感染し、この1月10日から20日の10日間では、平均8500人程が感染した。日本の人口に換算すれば、毎日116000人が感染する酷い情況であった。

 

そのイスラエルがワクチン接種を始めたのが12月下旬、110日には既に人口の20%が一度は接種を終えている。その数字は、210日で42%、221日で50%、323日には60%を超えている。下に、World in Dataというサイトに公開された各国のワクチン接種率の時間変化を示す。(補足1)

 

 

イスラエルの日々の感染者数は、そのワクチン接種が効いたようで、その後急激に減少し、現在では一日500名程度である。そのデータから、今回のファイザー社のm-RNAワクチンには相当の効果があると推測される。

 

イスラエルの日々の感染者数を、Worldmetersというサイトから取って再録させてもらう。下図のように、第三波の頂点である120日の1万人以上の感染数から、急激に減少している。特に3月に入ってからの急激な減少は、特別な効果(つまりワクチンの効果)の存在を示している。

 

イスラエルでは、頑強にワクチン接種を拒否する人達も存在すると聞くので、接種比率は60%のところで飽和状態にある。それでも、ここまで押さえれば、現在の日本の感染数と変わらないレベルなので、経済活動には支障がなくなっただろう。

 

(因みに、日本、韓国、中国の100人当たり接種回数はそれぞれ、0.75、1.68、7.97である。)

 

英国:

 

他に、ワクチン接種効果が明確に現れているのが、英国である。英国では1月中頃から、一定のスピードで接種がすすみ、現在人口の50%以上が一回以上の接種を終了している。(最初の図参照)その結果、1月上旬には日に約6万人の感染者を出していたピーク時の感染者数が、現在では日に4000人程度まで落ちている。

 

このような効果は、フランス、ドイツ、イタリアでは見られない。これらの国では、100人辺りの接種率は、15〜17人の間にあり、少なくとも1回接種している人の割合は、恐らく10%程度である。

 

また、最近の一ヶ月の傾向として、英国とイスラエルの傾向とは逆に、これらの3カ国では感染者数が増加傾向にある。これらの二つのグループの中間にあるのが、米国である。米国の接種回数は、100人あたり44.1であり、少なくとも一回接種した人は多分30%位だろう。そして、最近一ヶ月、毎日の感染者数は、ほぼ増減無しである。

 

アラブ首長国連邦とチリ:

 

ワクチンがあまり明確な効果を示さなかった国として、人口約998万人のアラブ首長国連邦(UAE)がある。下に日毎の感染者数を示す。331日現在の感染者総数は約46万人であり、被害の一層の拡大を怖れた政府は、中国と契約して急いでワクチン接種を開始した。

 

 

 

第三波の2021128日には、一日で3966人(日本の人口なら5万人以上)の感染者を出している。UAEでは、16日以降ワクチン接種を始めて、現在では約830万回の接種を終わっている。1回以上接種した人は、人口の半分以上だろう。それにも関わらず、その日毎の感染者数は3月末で2084人であり、ワクチンの効果があったとは明言できない。

 

チリでは、330日現在、少なくとも一回接種している人の割合は、人口の35%程度であり英国よりも少ないが、100人あたりの接種回数は英国よりも多い。(補足2)しかし、この国の感染者数は、このところずっと上昇中である。主に使用されたワクチンは、中国シノバック社製である。

 

以上、ファイザー社やアストラゼネカ社等のワクチンには、かなりの効果があると考えられる。一方、中国製ワクチンは、あまり効果を示していない。(追補1)その原因として、中国製は古いタイプのウイルス株から作られた可能性が考えられる。それは逆に、今後第4−5波とパンデミックが続けば、現在のワクチンは効かない可能性を示唆する。

 

以上から、日本もファイザー社やアストラゼネカ社などのものを用いるので、ワクチン接種は有効だと予想できる。ただ、今年以内に制圧しなければ、新たな変異株の出現によって被害は収まらない可能性が高い。

 

追補1:MOTOYAMA氏は、自身のyoutube動画で、中国製ワクチンは偽造が殆どで元々効かないと言って居られる。そのように考える方が理解しやすい。以下の動画の6分ころから聞いていただきたい。尚、MOTOYAMA氏のyoutube動画は、日本語は若干たどたどしいが内容は信頼できる。

https://www.youtube.com/watch?v=49qPunsQ3l8

(18:00日本語の編集;4月3日早朝、追補を入れた。)

 

補足:

 

1)接種率は、World in Dataのサイト(https://ourworldindata.org/covid-vaccinationsから取った。最初の図には数日前まで、UAEの接種率を示す曲線が示されていた。どういうわけか、今日見たところそのデータは図1から消えていた。ただ全体の接種回数を、世界地図上に掲載している図があり、そこで殆どの国の100人あたりの接種回数を得ることができる。

 

2)アストラゼネカ社のワクチンは一回接種で良いという話である。英国ではアストラゼネカ社ワクチンが多く用いられているのだろう。

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