2021年6月1日火曜日

新型コロナのワクチン接種の是非

新型コロナのワクチン接種が、日本でも医療関係者に引き続いて老齢者を対象に進んでいる。ワクチン接種は義務ではないので、各自メリットとデメリットを考えて決断することが出来る。そこで、予約通りに接種するかどうかを決めるために、デメリットを中心に考えてみた。

 

 

1)ワクチン接種のメリットとデメリット:

 

ワクチン接種のメリットは、新型コロナに感染したときにB細胞が予め持っている記憶に従って、直ちに中和抗体をつくりウイルスの活性をなくすことである。

 

ワクチン接種のデメリットには大きく分けて二つある。その一つはワクチンの成分に対するアレルギー症状であり、アナフィラキシーショックと呼ばれ、重症化する場合がある。

 

この場合、600万人の接種者の内85人が、接種直後に明確な原因が特定されずに死亡したことが、このデメリットの最大値を推定する際の助けとなるhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20210526/k10013053461000.html

 

つまり、このデメリットは最大万分の1の確率で死ぬかも知れないという形で数値化できる。日本において、この病気での死亡率は現在約1万分の1である。英国やフランスでは、1000分の2程度である。つまり、この問題だけならワクチン接種はすべきだということになる。

 

もう一つのデメリットの議論の前に、病原ウイルスの変異に関する以下の2点を指摘しておきたい。

①このCOVID-19という病気の病原体ウイルス(SARS-CoV2)は、RNAウイルスであり、非常に変異しやすい。しかし、今回のワクチンは新しいタイプの変異株を対象につくられていない。

②製薬会社は変異株に同様の効果があると言っているが、それは未来の変異株にまで当てはまる保証はない。

 

もう一つのデメリットとは、抗体依存型感染増強(antibody dependent enhancement; ADE)と呼ばれる現象である。ワクチン接種により出来た抗体が、変異株ウイルスが細胞に結合する際、つまり感染する際、その結合部位(RBD)のブロックが不完全となる。そのとき、食細胞が貪食の際に逆にウイルスに感染することがある。これがこれまで知られたADEのメカニズムである。

 

そのリンパ球(マクロファージやキラーT細胞)が感染により減少し、ウイルスの増殖とサイトカインの大量放出などで、重症化の原因となる。(補足1)

 

この問題も考えた場合、今回のファイザー社のワクチン接種はやめた方が賢明かもしれない。ADEだけでなく自己免疫疾患となることも考え、ワクチン接種をしない方が賢明だと、若者に進言している医者もいる。

 

 

 

 

2)新型コロナウイルスは人工的につくられたのか

 

ここで、思考の裾野を広くする意味で、上記サブタイトルの問題を考える。新型コロナCOVID-19が世界に広がった昨年4月、フランスのHIVウイルスの発見でノーベル賞を受賞したリュック・モンタニエ博士が、同国のニュース番組「C-NEWS」に出演(2020417日)し、新型コロナは人工ウイルスだと断言した。当時の米国などの主流メディアは中国と米国グローバリスト達の支配下にあったので、この発言をモンタニエ博士の人格批判までして否定した。

https://www.businessinsider.jp/post-211767 (補足2)

 

しかし現在では、その言葉の通りである可能性が主流のメディアでも流されるようになった。モンタニエ博士は早くから新型コロナウイルス(SARS-CoV2)は、誰かがエイズワクチンの開発の際に誤って作ってしまったのだとも発言していた。

 

検証:ノーベル賞受賞の仏ウイルス学者「コロナは武漢研究所の人工操作」発言をどうみるべきか

 

実際、オーストラリアでは新型コロナワクチンの臨床試験に参加してもらった治験者の何人かが、HIVの検査で偽陽性になったので、開発を諦めたという話もある。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201211/k10012759411000.html (補足3)

 

現在、米国で真剣に議論されているのは、SARS-CoV2が、米国立アレルギー感染症研究所のアントニー・ファウチ所長が行った武漢のP4研究所への研究支援の中でつくられた可能性である。昨年来、SARS-CoV2ウイルスが人工的につくられたという説を完全否定していたファウチ氏も、その可能性を否定しなくなった。(補足4)更に、上記モンタニエ博士のワクチン接種反対説も、現在徐々に力を増している。

 

科学研究の中に政治が絡んでくると、非常に厄介なことは、政治では嘘やプロパガンダは有用な手段だからである。何が真実で何が嘘か全くわからなくなっている。もう一例追加すれば、香港から米国に逃れた香港大学公共衛生学部のウイルス研究者の閻麗夢博士が、SARS-CoV2は武漢でつくられたという説も、これまで学者達は猛反対してきた。学会が全体として正しい道を歩むとしても、個々の学者は人間であり、広い意味で政治的存在である。

 

閻麗夢博士がスティーブン・バノン氏や郭文貴氏の支援下にあるからインチキ学説だという人が多いが、かれらの支援下に居なければ閻麗夢博士の学説も博士の命も、とっくにこの世から消えていただろう。https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200920-00198978/

 

3)ワクチン接種による抗体依存型増強ADEの危険性

 

ここでもう少し詳しく、抗体依存型感染増強(antibody dependent enhancement; ADE)メカニズムを考えてみる。今まで知られているのは、最初に書いたように、抗体が不完全にウイルスの受容体結合部位(RBD)をブロックしたとき、その逆側のFC部位(Y型のガンマグロブリンの底の部分)から食細胞が貪食するのだが、その途中でウイルスが抗体から離れて、逆に食細胞がウイルスに感染するというメカニズムである。

 

実際、新型コロナに感染して重症化した患者にはT細胞などリンパ球の大幅な減少が見られる。この減少は昨年の春に既にネットに掲載されている。https://wired.jp/2020/05/24/covid-19-and-t-cells/

 

最近阪大の研究で新たなADEのメカニズムが発見され、米国の一流学術誌のCELLに掲載された。その論文では、重症患者の中に感染増強抗体の高い保有率が見られたことが発表されている。つまり、ウイルスに感染すると、B細胞がウイルスに結合する抗体をつくるが、それは必ずしも細胞のACE2受容体に結合する部位(RBDreceptor-binding domain)をブロックするものだけではない。

 

ウイルスのスパイク蛋白の他の部分、N−末端の部分(NTDN-terminal domain)に対する抗体もつくられ、それはウイルスに結合した状態で抗体同士が架橋反応を起こして、RBD部分をより細胞上のACE2に結合しやすくするというのである。(補足5)https://www.youtube.com/watch?v=7KBifXemcjg

 

このような状況下で、変異ウイルスが次々と生まれると、中和抗体の能力が減少すると同時に、もう一つのスパイク蛋白のNTDに結合する抗体により抗体依存性感染増強が起これば、重症化する危険性が高くなる。全国民の数十パーセントがファイザーやモデルなのm-RNAワクチンを接種すると、それらの人が抗体依存性感染増強を持つことになり、変異株が例えば2年後に再流行すれば、悲惨なことになるというのである。

 

それを避けるには、このNTDドメインを上手くブロックしたような蛋白を合成するm-RNAワクチンを造ることだろう。その指針を与えたのが、今回の上記研究論文だろう。

 

4)何故同じウイルスに感染しながら、殆ど無症状な人と重症化する人が居るのか?

 

この論文を紹介したyoutube動画は、新型コロナに感染する以前に、かなりの人がこの新しいタイプのADE(抗体依存性感染増強)の原因となるNTD抗体を、低レベルだが持って居るという、上記CELL論文の内容を紹介している。(上記紹介のhttps://www.youtube.com/watch?v=7KBifXemcjgの6分から)

 

この話は、「何故新型コロナに感染した人の80%が殆ど軽症ですむのに、残りの人の中から重症者や死亡者が出るのか?」という疑問の答えになる。つまり既に、NTDに結合する抗体を持っている人が重症化し、持っていない人が軽症ですむというメカニズムである。

 

重症化と軽症治癒の境目で、この抗体の有無が重要な働きをしているとした場合、そしてワクチン接種によりNTD抗体を摂取者が持つことになれば、次回の変異株のパンデミックのときには相当悲惨なことになる可能性がある。

 

この新しいタイプのADE(抗体依存型の感染増強)は、新型コロナの特徴だろう。わざわざワクチン接種で古い株への模擬感染を体験するのは、将来の変異株に対するADE(抗体依存型増強)の準備をするようで、愚かなのだろう。

 

結論:

 

結論は、今回のファイザー社等のワクチンを接種することで、新型コロナ(COVID-19)を抑え込み、将来変異株が何処かから再流行しないのなら、出来るだけ多くの人がワクチン接種をし、集団として、実行再生産係数を下げるべきである。

 

しかし、COVID-19との戦いが今後2-3年或いはそれ以上続くのなら、日本のように低い感染率にある国はワクチン接種を急ぐべきではない。それよりも、NTD領域への抗体が出来ないような修正スパイク蛋白を作るm-RNAワクチンなど、抗体依存性増強(ADE)の起こらないワクチン開発にエネルギーを注ぐべきである。

 

あるブログサイトで桂秀光という方が、モンタニエ博士がワクチン接種者は2年以内に死亡すると言ったという説がガセネタであるとサイトを引用して主張している。しかし、その理由が上記ADEだとすれば、もうすこし考えてみる必要があっただろう。上記2年後の悲劇とその他のADEなどについて要領よくまとめているので、ここに引用する。https://go2senkyo.com/seijika/22385/posts/246846

 

(これは素人のオリジナルな考えであり、各自自己責任で取り扱って頂きたい。;11時15分、結論部分を分離し、更に2,3編集; 13時45分「コロナは武漢研究所の人工操作」発言を引用)

18:05 追加: 阪大の論文の要約は、以下のサイトに日本語で出ています。

 

 

 

補足:

1)ADEとしてよく知られているのが、デング熱におけるものである。https://www.youtube.com/watch?v=7KBifXemcjg

 

2)この説は米国の大手マスコミなどの結束により完全否定され、上記記事でも以下のように書かれている。“モンタニエ博士はかなり以前から、非科学的な言動が問題視されていた人物だ。科学的根拠の乏しい代替医療ホメオパシーを推奨したり、反ワクチン(=ワクチンの接種を拒否)を主張したりするなど、科学界から批判されている”。この記事の著者や編集者は、人格攻撃によりモンタニエ博士の科学的な説「SARS−CoV2ウイルスは人工的なものだ」を否定している。それが全く非科学的なやり方であることがわかっていない。更に、この記事にある査読で落とされた論文はインチキだと言わんばかりの文章は、この記事の著者や編集者が「科学」を全く知らないことを証明している。査読というプロセスはインチキと本物を振り分けるプロセスだけではない。

 

3)SARS−CoV2ウイルスには、エイズウイルスの遺伝子配列が挿入されているなど、HIVとの関係が議論されてきたが、何れも強力な圧力で封殺されてきた。その中には、「新型コロナウイルスは、HIVウイルスのように免疫系を破壊する?」という記事もある。 https://wired.jp/2020/05/24/covid-19-and-t-cells/ この記事の主張はまさにADE現象の一側面であり、現在注目されている。

 

4)この人工ウイルス説にはかなりの状況証拠がある。その一つは、武漢のP4研究所の所員3人が2019年の11月に新型コロナの症状に酷似した症状の病気に罹ったという事実であり、もう一つは、この研究所でコロナウイルス研究を率いていた石正麗博士が新型コロナが流行しだしたとき、心配で眠れなかったと話したという情報である。

 

5)新型コロナウイルス(SARS CoV2)は、細胞のホルモンであるアンジオテンシン転換酵素IIACE2)の受容体に結合し、自身の脂質二重膜を細胞の脂質二重膜と融合して感染する。この感染の鍵となるACE2受容体に結合するのがウイルスのスパイクタンパク質(S蛋白)である。免疫細胞Bセルが作る中和抗体(RBD抗体)は、そのスS蛋白に結合してACE2受容体に結合できなくなるのが、この獲得免疫のメカニズムである。しかし、BセルはS蛋白のACE2受容体に結合する部位の重要性を認識して抗体をつくるだけでなく、兎に角S蛋白にくっつく抗体を作る。その一つがN末端領域にくっつく抗体(NTD抗体)であり、それは2分子が架橋して、ACE2受容体へのS蛋白の結合をたすけ、感染力を増強する。

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