2023年9月24日日曜日

日本国民が日本国を自分の国として愛せない理由

今回も、この重大な国際環境の変わり目にあって、日本はどうすべきか、日本に何が欠けているかに関する議論である。表題に書いた理由を探すべく、世界の近現代史を簡単に復習し、そこから日本の近代史と現代日本に必要なものを考えてみる。

 

1)世界の近現代史:主権国家体制とその破壊

 

主権国家体制を定義すれば、一定の要件を整えた主権国家で国際社会を構成し、国家間の諸問題を内政に干渉することなく外交交渉のみで解決するという国際政治システムとなるだろう。この西欧に誕生した体制が正しく機能するには、国家は人権と法治の原則による政治制度を具えなければならない。(補足1)

 

国家は、内政干渉を排除する権利を保有するが、それは正常な外交関係を維持する上で内政に干渉する必要がないことを意味する。従って、主権国家体制の前提として、主権国家は基本的人権や法の不遡及等と言った“公序良俗”を維持している必要がある。(補足2)

 

ハーグ陸戦条約(1899年)やパリ不戦条約(1928年)の成立で、ヨーロッパを中心とした国際社会における政治文化として完成したと思う。現在までこの主権国家体制のルールは生きているようだが、遵守されてはいない。(補足3)

 

この地球上の人間社会の活動を、主権国家の健全な内政と主権国家間の外交とに区別できれば、この体制は機能的で堅牢な建物にも似て、人類の棲む安定な空間と言えるだろう。その一方、主権国家を認めず、その地域の無政府状態を好む国があるとすれば、それは犯罪者的国家である。

 

因みに、この主権国家体制は17世紀のヨーロッパに生じた考え方であり、巨大な神聖ローマ帝国が分解していく過程で、それらの国々が緩やかな国家連合の形式をとっていたことに由来する。それは、神聖ローマ帝国がカトリックの国であり、教皇と皇帝とに権威と権力が分離していたこととも関連すると思われる。

 

この主権国家体制が西欧から世界に広がったのは、西欧の市民革命に伴う人権思想の広がりにより、西欧の植民地が次々と独立し、国家主権を主張するに至ったからだろう。以上が、近代から現代の世界の政治史の粗筋である。

 

その国際政治体制が怪しくなってきたのは、20世紀に発生したグローバリズムによる。既に何度も書いたように、それは国際共産主義革命という形で、20世紀初頭にユダヤ系のマルクスとレーニンが中心になって世界史に埋め込んだ。

 

この現代の世界政治の流れは、これまでのキリスト教的人類史を破壊する方向への歴史の流れでもある。レーニンやトロツキーの共産主義、それを継承する米国のネオコンの主義は、人と人の間の無条件の親和性(愛)を説くカトリック的国際関係を破壊し、世界をゼロサムの唯物主義を原理とする暴力革命に導く思想である。これは、主権国家を持ちようのない人たちのその他人類への復讐の論理なのかもしれない。

 

歴史上の権威を全て否定した後に残る金融と政治の力で世界を単独統治し、世界帝国を完成する計画の為に工夫された理論が、史的唯物論と世界共産主義革命の理論である。この第一回目のグローバル化はレーニンとトロツキーがロシアを起点に進めたが、スターリンに乗っ取られて頓挫した。スターリンは本質的に民族主義者なのである。(補足4)

 

その時の革命家の生き残りと世界金融の支配者たちが、再び自分たちの世界帝国を目指し、95%まで完成させたのが、昨今のグローバル化運動の現状である。これらのグレートリセット或いは国際共産主義同時革命のための準備作業は、世界統一政府を目指す者たちの思想とその工程という題で、19日にアップした記事で述べた。

 

この第二回目の国際共産主義運動は、R・マクドナルドが「億万長者以外の資本家を倒し、労働者を抑圧して地球上の全ての富を億万長者が独占するために考え出された巧妙な策謀」として見抜いていた。(319日の記事)

 

現在、地球環境問題や地球資源問題などの国際条約やパンデミック条約などを利用して、主権国家体制を破壊する計画として進行中である。

 

 

2)愛国心の由来

 

ヨーロッパで主権国家体制が成立したのは、ウェストファリア条約の締結によるとされている。それは30年戦争後、厭戦気分の結果として締結されたと言われる。神聖ローマ帝国から独立するプロセスにおいて、各国の民族がアイデンティティを確認強化した結果だろう。

 

当初、構成国の多くは絶対王政であった。国民意識に目覚め、国境線で区切られた領土を持ち、傭兵でなく国民軍を擁し、国民主権を具現化した「国民国家」が形成されるのは、市民革命の後である。それらのプロセスが進行する背景に、キリスト教があったようだ。国民主権或いは民主主義の発生には絶対者である神の存在が前提であるというのは、井沢元彦氏の解説である。

 

 

ウエストファリア体制の下で、各民族のアイデンティティの確認強化は、領主や王の間だけでなく、市民一般に広く進行した。そのプロセスは、各個人が自分と”自分の国”の関係を考えるプロセスであり、それは民主主義国家建設の基礎的プロセスである。

 

日本も民主主義国になるのなら、自分の人生を考える時期に、自分と”自分の国”との関係を深く考えるプロセスが必要である。その為には、この国がどのようにして現在の形になったのか、そのプロセスに於いて自分がどのように関係したのか? つまり、国民が自国の近代史を細部に亘って、自分と自分の家族の問題として考え知ることが、国民主権の国家として日本が成立する必須条件である。

 

その思考の中から、自分のアイデンティティの一部として、この国の一員であるという確かな意識が生じる。そして、自国に対する愛着とこの国に所属するという誇りが生じる。(補足5)それが愛国心である。前回の記事でも、そのことを書いた。

 

9年前に、日本人に愛国心などないという文章を書いた。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2014/11/blog-post_19.html

そこに、もし敗戦時の日本人に愛国心があったのなら、着任後の連合国司令長官マッカーサーに直ぐに従順に振る舞い、且つ、解任されたとき10万人以上が沿道で手を振り見送るというような事は起こらなかった筈であると書いた。

 

 

従って、太平洋戦争の開戦時から、徴兵された人々の心にも、送り出す家族の心にも、愛国心などなかったと思う。あったのは、家族への思いと故郷への思いだけだったろう。故郷が破壊され家族に危害が及ぶなら、徴兵に応じて敵と戦おうと思って戦争に向かっただろう。(補足6)

 

 

3)終わりに:

 

日本の現在を考えるとき、歴史を160年ほど前まで遡る必要がある。そして、明治維新は市民革命ではなかったこと、単に領主が徳川幕府から明治政府に移っただけのクーデターであったことに気付くことが先ず必要である。

 

そのクーデターに利用されたのが、天皇家であった。徴兵制は、新しい支配者が人民を奴隷的に兵士として狩り出すための装置であった。現在の日本は、その大日本帝国の延長上にあって、その抜殻の様に見える。独立国としてのスピリットも、そのための身も体もない。

 

近代的民主国家の日本に生まれ変わるには、少なくとも市民革命かその代わりとなる大きな政治的出来事が必要である。そして、旧権力者の退任、既得権益の一掃が実現されるべきである。敗戦直後が良い機会だった。その時昭和天皇は退位され、明治から太平洋戦争までの大日本帝国において利用された天皇の地位を、江戸時代までの姿に戻すべきであったと思う。

 

近代史を学ぶことで、大日本帝国は戦争に邁進するために、天皇と日本国民の間の関係を絶対君主と被統治民の関係に変質させたことを理解し、戦後そのような政治体制を完全に取り去ることが必要だったことを知るべきだと思う。

 

大日本帝国の支配階級と披支配階級の構図は、中世の構図である。未だに日本国はその構図のままである。日本の支配階級は、ずっと薩長とその支持者により占められてきた。現在も日本を支配するのは、政治を家業とする政治貴族である。

 

占領中、米軍は都合の悪い出版物を廃棄させる一方、日本の政治家の内、独立指向の強い者たちを公職から追放した。更に、占領終了後の日本を戦前の支配者に任せることにしたのである。その結果、あの戦争の再評価する機会をは日本国民は奪われたままである。

 

戦後も引き続き日本の指導者となった大日本帝国の中心にあった人たちは、自分に都合の悪い大日本帝国とその戦争の歴史をなるべく学校で教えないように指導した。その結果、日本人は明治以降の近代史は殆ど学校では学ばない。近代史を学ばなければ、歴史を学ぶ意味も学ばずに終わる。その教育は今日も続いている。

 

そして、多大な犠牲を出した戦争から、日本国民は何も学ばなかった。あの原爆碑の文章「安らかにお眠りください。あやまちは二度とくりかえませぬから」は、その証明である。日本のどこにも、「かれらはあんな残忍な殺され方をして、安らかに眠れる筈はない」と叫ぶ者などいないのだ。

 

結論を一言で言う:日本国民には西欧各国民のように、自分が政治主体を為すという形で民族のアイデンティティを学ぶ機会など無かった。市民としての自覚がないのに、愛国心などある筈がない。

 

 

補足:

 

1)この定義は、政治学や歴史学の専門教育を受けていない素人の私による、現代の政治から抽出した主権国家体制である。歴史的な定義としては、「16~17世紀までのヨーロッパにおいて、徴税機構を中心とした行政組織と常備軍をもち、明確な国境内の領域を一個の主権者である君主(国王)が一元的に(中央集権体制的に)支配する「主権国家」と、それらの国家間の国際関係が形成された。その国際体制のこという」(一部修正)と世界史の窓というサイトに書かれている。

 

2)中国や北朝鮮は、人権無視の人治国家である。それらの国々は国際社会の一員となる資格がない。中国を西欧政治文化である主権国家体制の国際社会の一員として、特別にWTOに加盟させるなどして迎え入れた米国には、この主権国家体制を破壊する計画が当初からあった筈である。それが、919日の記事に書いたLaurence McDonaldが指摘した国際共産主義革命つまり世界経済フォーラムが言うところのグレートリセットだと考えられる。

 

3)近代の西欧政治文化では、戦争を外交の一つとしている。ハーグ陸戦条約は戦争において守るべきルールを規定した条約である。一方、パリ不戦条約は理想論であり、国際連盟憲章とともにグローバリストらの計画の一環かもしれない。何故なら、この非現実的な条約は、破壊しやすい脆い現実をつくるからである。尚、その条文は日本国憲法第9条の条文に利用されている。

 

4)ロシア大統領のプーチンは民族主義者の筆頭格に属する人物である。そのプーチンは、ロシア革命のレーニンを全く評価せず、スターリンの方を評価していることは良く知られている。

 

5)この同じ問題を2020年にも考えていました。それは、「保育園落ちた、日本死ね」というツイートがネットで話題になったことを引用した記事です。殆ど同じ主張でした。

 

 

6)特攻隊兵士が天皇陛下万歳と言って死んでいったというのは本当かもしれないが、それ程天皇に対する忠誠心があったというより、それ以外に自分を心理的に誤魔化す方法が無かったのだろう。日本国民はマッカーサーを新しい支配者としてスムースに受け入れたことがそれを証明している。

 

(9月25日、午後9:00全体を編集;9月26日早朝再編集、補足5を追加して最終稿)

2023年9月19日火曜日

世界統一政府を目指す者たちの思想とその工程

 

1)現代の日米欧諸国では民主主義が否定されている

科学的論理とそれに基づく言論の自由は、民主主義の要件である。それは、非科学的な風説や政治的プロパガンダの対局に位置し、それらの台頭を牽制し、非科学的非民主的政治支配を防止する。

科学的論理とそれに基づく言論の自由が無ければ、政治的発言に対する正当な評価と、民衆の間の重要情報の伝達と風説の流布との区別が、ともに不可能となる。

現在、①日本や欧米で、この民主主義の要件が満たされていないのは明らかである。それは、②何者かによる世界支配体制が作られつつあるとしても知ることが出来ないということである。

①に関して: 日本や欧米の社会では、科学的論理とそれに基づく言論が存在しない

例えばウクライナ戦争に関して、米国のマスコミの殆どが、ロシアが帝国主義的な領土拡大の為に、民主主義国である隣国ウクライナを侵略したと報道する。そして、その野望を打ち砕くための民主主義国の国際的協力で、現在ウクライナが優勢に戦っているという論調が支配している。

しかし、原因は米国とNATOがウクライナの一部と結託して作ったという逆の話が、中立的なアラブ圏やインドなどでは支配的である上、米国内でもシカゴ大のミアシャイマー教授なども同様に考えている。

元大統領補佐官のヘンリー・キッシンジャーも同様に考え、ダボス会議でウクライナ問題の現実的解決法として、「ウクライナは、ロシア侵攻の日以前に支配下に無かった領域をロシアに割譲すべきだ」と発言した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12810915310.html

戦況についても、現在ロシアが優勢であるという話が中立世界に多い。米国内でも、例えば、FOXテレビの人気コメンテーターだったタッカー・カールソンが退役軍人のダグラス・マグレガー大佐にインタビューする番組(ツイッタースペース上)等である。https://www.youtube.com/watch?v=iMUAaWK79Vc

この冒頭の部分で、タッカー・カールソンは、明確に主要メディアの上記報道を否定する発言をしている。彼は、マスコミ上でこの議論をする筈だったが、FOXテレビを解雇されたので、ツイッター・スペースに移って、細々と報道せざるを得なくなったのである。

このような米国マスコミの現状だが、ウクライナ戦争の現状に少し近づきつつある。それは、いよいよ誤魔化しが効かなくなった時の為だろう。

日本の主要メディアでは、米国主要メディアのコピーを流すだけで、真実を追及するという姿勢は皆無である。インターネットの世界でも、著名な政治評論家や学者が真実に迫るような動画をアップしているのではなく、遥かにマイナーな方々による通信が存在するのみである。

②に関して: 米国そして世界は、巨大な非民主主義的権力に支配されつつある

サブタイトルの非民主主義的権力とは、前大統領のトランプもこの2, 3年発言している“ディープ・ステート”(深奥政府)のことである。

その中心には、新自由主義経済により蓄積された巨大な富を背景に、政治をコントロールする億万長者たちがつくる、所謂ウォール街の勢力でいる。彼らは、世界を巨大資本が中心になって支配するグローバルな体制の構築を目指していると言われる。

彼らの米国議会のフロントは、民主党と共和党の一部RINO(名前だけ共和党員)を構成する所謂ネオコンである。そして、国家組織の中にはカーターにより配置され、オバマが完成させたSESという高級官僚組織がある。SESについては =>https://www.youtube.com/watch?v=EHeuNIQ9i68

ヨーロッパでは、世界経済フォーラムが議論や研究、そして宣伝を行なっている。上記グローバルな体制(新世界秩序)への移行を、主催者のクラウス・シュワブらはグレートリセットと言っている。


2)グローバリストの考え方(想像)

彼ら大資本家は、事業における大成功が示す通り、聡明である。当然の如く自信家であり、大衆一般よりも遥かに優れた知的能力と予見力(感覚)を持っている。彼らは、従来の宗教や常識を越えて、或いは無視して、考え行動できるだけでなく、それらを思想的に捨て去っている可能性が高い。

既存宗教とそれによって生じたとも考えられる常識に縛られている普通の人間には、彼らがなぜ新しいグローバルな秩序を目指すのか、理解できないのは当然だろう。

簡単なのはユ〇〇の陰謀としての解釈だが、新しく億万長者となってウォール街で活躍している人たちもグローバリストとして参加しているので、ある種の必然がある筈。そこで、彼らの考え方を想像してみたので、以下に記す。

(以下は、セクション4のローレンス・マクドナルドの考え方と比較する為に、思いつきで書いてみたので、出来が今一つかと思います。追加すべきこと或いは批判等があれば、コメントを是非お願いします。)

想像によるグローバリストの考え方:(三人称で書きます)

彼らは、主権国家体制を嫌う。何故なら、彼らの巨大な事業の運営には、国境の壁は障害となる。更に、より低い民族間の境界なども同様に障害でしかない。それに、現在の国家組織は大企業よりも非効率で生産性が低い。また、国家間で領土を争うのは、彼らの視点では意味がなく無駄である。

彼らは民主主義が嫌いである。古い因習や迷信(これには宗教も入るだろう)に支配された民衆が主役となる政治システムでは、所詮歪んだ価値基準とそれによる曖昧で不統一な判断の積み重ねになるからである。

近代の戦争を含めて民族間や国家間の戦争は、一次産業が主であった時代の土地争いが原因の中心にあった。全産業の中でそれほど大きな比重を占めなくなった現代、そして多くの産業に国境がなくなっている今、既得権益を持つ少数以外の者には、戦争をして多大な犠牲を出すほどの意味はない。

彼らは神を信じてはいないし、それによる善悪も信じていない。神は、古代の人類が無知蒙昧状態だった時代に、自然災害や隣接する生存競争相手の民族と戦う為の旗頭だった。そして、現在の善悪の基準はその神とともに創造された物差しに過ぎない。現代的な価値に基づく善悪とは異なる。

彼らは、愚鈍且つ劣悪な民衆の人口爆発で、地球資源を使い果たされ、地球環境を破壊されたくはないと思っている。

彼らの善悪は、民族的でも主権国家的でも人類皆兄弟的でもない。彼らの善悪は、能力のある彼らの恒久的な未来と永続する美しい地球に調和した善悪である。


3)MAGAの政治思想は、大昔からあった

このような大金融資本家が中心になって世界帝国を作り上げようとする勢力、所謂グローバリストたちの世界支配、その前の米国支配に反対したのが前大統領トランプである。そのトランプは暗殺される可能性が高いと言う文章を以前何度か書いた。

このような世界支配を目指す勢力に真正面から反対するかなり大きな勢力が、40年前まで存在した。今では、その存在は完全に歴史から消されている。その代表が、大韓航空機撃墜事件(補足1)で死亡した、Laurence McDonald(以下、R・マクドナルド)下院議員である。殺された可能性が大きい。

R・マクドナルド下院議員は、1983年9月1日まで、下院議員を8年務める。アメリカ第一主義 を掲げるジョン・バーチ協会の2代目会長であった。彼は大統領選挙に出馬する予定であった。https://www.youtube.com/watch?v=ABzPS67suTA

 

 

このR・マクドナルドの言葉を、上記林千勝氏による語りから次のセクションに記す。その簡単な紹介を兼ねてMAGAとの類似点を以下に記す。

彼の主張の中心は「ある大資本家が、様々な規制緩和と地球規模の企業活動で蓄積した金融資本を使って政治に介入し、彼らのための世界帝国を建設しようと数世代前から計画してきた」との主張である。その計画の中心にあったのが、国際共産主義革命である。

共産主義を道具として地球全体を支配し、彼らの帝国を作り上げる計画なのだと説く。つまり、トランプらと同じくの政治文化のグローバル化との戦いは、既に数十年前から米国に存在していたのである。その組織の一つが65年前に創設された「米国第一」を主張するジョン・バーチ協会である。

この名は、現在では殆ど忘れ去られている。それを歴史から抹殺するために、その二代目会長であるローレンス・マクドナルドを暗殺したのが、1983年の大韓航空機撃墜事件のようだ。ジョン・バーチ協会の「米国第一」は、MAGAの考え方「米国を再び偉大に」と本質的に同じである。大統領を目指すR・マクドナルドと現在のトランプも互いに良く似ている。



4)ローレンス・マクドナルド議員の大財閥批判:

以下に上記youtube動画で林千勝氏が紹介したR・マクドナルドのグローバリスト批判文を記す。その文章でR・マクドナルドが批判しているのはロックフェラーであり、そこにはユ〇〇系財閥の名を出していない。しかし、そこには米国の中枢に位置するある彼らに対する遠慮があったと思う。 


FRBなど米国の心臓部にまで達した勢力を真正面から批判するのは、米国そのものを批判することになってしまうからである。そのように考えて読むと、非常にわかりやすくなる。


ローレンス・マクドナルドによるグローバリスト批判:


アメリカに我々が想像することもできない巨大な富と権力をもった億万長者がいる。その一族は世界の各地に100箇所も邸宅を持ち、2500人もの使用人を抱え、語り尽くせない程の贅沢な暮らしをしている。彼らの富は、大国の富にも匹敵し、一国の規模を越えて地球の全土にわたっている。

およそ一個人ないし一家族が一国の富を上回る私的な富と権力を持ち、この地球上に見えない帝国を築いているなどという事をあなたは想像できるでしょうか? これは全く信じられないことだが、アメリカには数世代にわたってそのような富を蓄え、金の力でアメリカばかりでなく全世界を支配しようとしている闇の帝王がいる。

それは誰か? ロックフェラーである。ロックフェラー一族はそのあくなき野望を満たすために金だけでは十分でないと悟ると、自分たちが築き上げた莫大な富と社会的影響力をうまく利用して、更に大きな権力を手に入れようとしてきた。

彼らの目指す権力は嘗てのいかなる専制君主や暴君も夢想だにしなかった絶大な権力である。地球の全てを覆う権力、それも単にモノを支配するだけでなく、世界中のあらゆる人間を支配する権力、これこそ彼らが最終的にもとめる権力である。

我々はこれまで資本家と労働者は対立するものと考え、共産主義は億万長者の富を我々の手に取り戻すのに必要であると教えられてきた。だが、それは事実に反する。共産主義とは億万長者の富を否定するものではなく、億万長者以外の資本家を倒し、労働者を抑圧して地球上の全ての富を億万長者が独占するために考え出された巧妙な策謀である。

ロックフェラー一族がこれまでいかに社会主義者を背後から支え、共産主義の世界支配に道をひらき、全ての人間を超資本主義と共産主義が結びついた世界政府の支配下に置こうとしてきたかを知って、皆さん愕然とするだろう。

この計画は共産主義の陰謀だろうか、そうではなく、これは共産主義を遥かに超えた陰謀の一部である。我々の想像を絶する国際的な広がりをもち、何世代も前から密かに計画を進め、信じられない邪悪な意図を以て行動する彼らの存在は、我々の歴史の見方に対する考え方を改めさせずには置かない。

終わりに: 

林千勝氏の動画の後半は、世界統一の具体的な方法について述べている。それは、パンデミックとワクチンを用いて、主権国家の枠を破壊しようと言う企みである。そこで利用するのがWHO(国際保健機関)である。今回のCovid-19ウイルスは、その為に合成されたと考えられる。

つまり、2024年5月に予定されている国際保健規則改訂は、各パンデミックが発生した時には、加盟国政府がWHOの指示したように対策を実行することを期待する内容となっているようである。つまり、国際機関であるWHOが、主権国家の上部組織であるかのように働くのである。

https://www.nicovideo.jp/watch/1694796785

勿論、主権国家は国際機関の決定に従う必要はない。しかし、パンデミックとワクチンのペアで、WHOが実績を積むことで、徐々にグローバル政府的に把握する空気が定着する。それを遵守しない国があれば、それに対する罰則も成文化されるようになるだろう。

一旦、その空気が醸成されたなら、その後国際警察や国際司法が整備され、権威と権力をあわせもつ世界政府のプロトタイプが出来上がるだろう。そして、その国際機関或いは世界政府は好きなように、地球上の人類の生態を調整することが出来るのである。岸田内閣のような政府が続けば、日本は途中までその先頭に立つ危険性が高い。

 

そして、人口調整後に日本人はあまり残らないだろう。

(8:30 表題のロードマップを工程表に変更;9:00編集あり)

ーーーーーー EOF ーーーーーー

2023年9月16日土曜日

中国の習近平政権による台湾併合のシナリオと予想される日本の悲劇

 

山岡鉄舟氏が、最近訪日した元トランプ政権中枢の方と会見した時の話を紹介している。その方の訪日目的は、中国の日本への浸透とそれに対する日本の姿勢や準備の情況を調査することであり、山岡氏との会見もその為にセットされたという。

 https://www.youtube.com/watch?v=eF52cBimNuE 

 

今回のブログ記事前半では、山岡氏の語っている内容を一人称の記述で紹介する。ただ、そのままではなく、筆者の解釈も加え簡単化して記載する。後半では、筆者自身の台湾進攻と絡んだ日本の将来についての予測を記す。

 

 

1)台湾進攻は近く起こる。

 

その元トランプ政権中枢の方は、戦闘を伴うかどうかは別にして、近い将来中国が台湾を併合する可能性が大きいこと、もし台湾周辺で戦闘が起ったとしても米軍は応援に駆けつけることはないことを、夫々明言した。(注釈1)

 

米軍が動かないのは、バイデン政権が中国によって既に買収されているからであり(注釈2)、バイデン大統領の息子ハンター・バイデンは、ウクライナや中国のエージェントとして活動していると、その方はいう。(注釈3)

 

日本はどのような準備をしているかと問われたが、何もしていないと答えるしか無かった。国会では、LGBT法案について議論があったが、自民党政府はエマヌエル大使の強要を受け入れて可決したと話した。その方は、あきれ顔だった。

 

台湾進攻の準備として、中国は福建省に巨大な病院とその周辺軍事施設を建設中だという。また、来年の台湾総統選挙には、中国はあらゆる手段、つまりインチキでも何でも行なって、大陸との関係が深い政権を台湾に作る努力をするだろう。

 

中国は、2020年の米国大統領選挙に干渉したが、2024年の選挙にもより大規模に干渉する可能性がたかい。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-16/QLG1OYDWLU6L01

 

メキシコ国境から人民解放軍兵士を含めて多数の中国人を不法移民の形で送り込んでいるのは、その類の工作のためだろう。

 

来年の台湾総統選と米国大統領選の際に、中国は両国の政治が大混乱になるのを煽り、その機に乗じて台湾の無血併合を画策するだろう。もし、無血併合が出来ない場合には、台湾への軍事進攻を開始するだろう。

 

その際、中国は米国に対して「内政問題に手出しをすればミサイル攻撃をする」と脅し、米国バイデン政権は買収されていることもあり、何もせずただ傍観するだろう。日本も、「手出しすれば、核兵器による報復を受けるだろう」という脅迫で、身動きできないだろう。

 

何故なら、米国の核の傘など日本には存在しないからである。

 

自衛隊元幹部の方から、戦争には必ず予兆があるという言葉を聞いた。上記福建省での大規模病院の建設の他に、ロジスティックの集積や輸血の準備などがあったら、それが台湾進攻の予兆であるので、日本人は警戒心を持つべきだ。

 

 

2)山岡氏の動画を見ての筆者の考察

 

結局、台湾併合があるかどうかは、中国の決意次第である。これまで、「台湾有事は日本有事」として、日米韓の戦闘体制強化の姿勢を中国に見せてきたのだが、中国がその決断をした瞬間にその軍事的連携は、幻となって消失することになる。

 

そのトリックを独立国のまともな政権なら、知っている筈である。実際、韓国尹政権はその知恵を持っているだろう。その知恵は、緻密な論理で組み上げられた知恵ではない。単に、国民の利益と国益を第一に考えると言う主権国家のイロハに過ぎない。

 

NATOに加盟してプーチンロシアを潰す米国の戦略に協力するウクライナのように(注釈4)、東アジア版似非NATOをつくり、米国の中国弱体化に協力する理由など、日本にはない。

 

もはや兵隊には老年と少年しか居ないと言われるほどの人命を犠牲にし、歴史ある街を破壊し尽くされたウクライナを真似して、沖縄を破壊され原爆を中国に落とされてまで、台湾併合をする中国に盾突く理由はない。台湾のこの境遇の責任は、米国のF・ルーズベルトにあり、日本にはないのだ。

 

ウクライナが米国に協力するのは、ゼレンスキーは元々ウクライナ人でなく、ウクライナのオリガルヒであるコロモイスキーに乗せられて、自分の利益の為に米国の戦略に乗ったのだが、岸田にはそれに類する大きな私的利益が約束されていない筈である。

 

 

ただ、今回のLGBT法案に対する岸田政権の姿勢を見ると、岸田政権は上記主権国家のトップが持つ知恵のイロハに欠ける心配がある。そして、日本は米国の核の傘と日米韓の軍事協力の体制を信仰して、最後まで「日本有事は台湾有事」の軛に支配される可能性がある。

 

つまり、岸田政権は米国ネオコン政権の操り人形となり、中国弱体化の為の代理戦争を行なう可能性がある。その時、日本のどこかに原爆投下の可能性がある。中国にはロシア正教のような宗教はない。敬虔なキリスト教徒であるプーチンが示した忍耐など、中国の習近平や王毅にはない。

 

これまで、中国による日本に対する先制核使用の可能性については、中国の少将であった朱成虎の発言を何度も引用している。朱成虎は、将来のある時期に世界の人口削減のため、人口密集地であるインドや日本を核攻撃すべきと言ったのだ。そのことを再度日本人は思い出すべきである。

 

 

 

 

もし、台湾が無血併合され中国からの攻撃を免れたとしても、この数年の間に日本は中国の支配下に入るだろう。これは、国際政治評論の分野で著名な伊藤貫氏の予測でもある:(下の動画「真剣な雑談」の14分頃に述べられている)。

https://www.youtube.com/watch?v=u1HLkVOAkL4 

 

その環境下で、日本民族は悲劇的な境遇に置かれる可能性がある。それを多少とも防ぐ鍵は、ロシアとの関係改善にあった。安倍氏が存命なら、その道が細くとも残されていた。

 

その関係を米国バイデン政権の操り人形となり果てた岸田首相は、ウクライナの支援とロシア制裁という形で破壊してしまった。上に韓国尹政権は、主権国家としてはまともな政権だろうと書いた。その一つの根拠は、今でもロシアとの関係を切らないように大事にしていることである。

 

最近、北朝鮮の金正恩がロシアのプーチン大統領と会談したことがテレビでも放送されていた。しかし、同じ時期、つまりロシアが毎年ウラジオストクで開催する東方経済フォーラムに韓国も大きな代表団を送っていたのである。https://forumvostok.ru/jp/

 

韓国は、日本の様に中国の敵国として真正面に立ったことはなく、中国の覇権下でも一定の自由を国民は保持できるだろう。しかし、日本は核武装しているのなら兎も角、反日教育を行っている中国の下では、ウイグルや内モンゴルよりもひどい情況になる可能性すら存在する。

 

そんなことも気にも掛けないで、ウクライナ支援に際限なく血税を注ぎ込む岸田政権である。哀れなのは、それでも日本国民は30数パーセントの支持を岸田政権に与えている点である。救いがたい。参政党に期待したいのだが、百田尚樹と有本香両氏が設立する右翼政党が、参政党の芽を潰す可能性が高い様に危惧する。

 

 

注釈:

 

1)習近平は、中国共産党政権の歴史において毛沢東に次ぐ位置を確保しなければならないと考えていると言われる。一帯一路政策もその戦略中の一つだが、最重要課題は台湾併合である。

 

2)ハンター・バイデンは、オバマ政権の時の国務長官ジョン・ケリーの義理の息子であるデバンアーチャーと共同で投資会社を設立し、中国でも巨額の投資を得たと言われる。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12809219713.html 

 

3)米国グローバリストの大きな戦略としては、中国共産党政権は本来協力関係にあるべきと考えていると思う。従って、米国は対中戦争には動かないと考える。その情況証拠の一つとして、欧州のグローバリストの集団である世界経済フォーラムが、スイスのダボスの次に活動拠点に北京を選んだことがある。中国と欧米グローバリストらは、表面上では争っているように見えるが、底では同じ思想を持っている。本文にも書いた様に、米中の二極支配の完成後に、二つ支配国は協調の為の国際機関を国連の上に作ると考える。そのように考えなければ、米国が南部国境から多数の違法移民を受け入れるなど、米国という国家を壊しながら二極支配の地球を目指す理由がない。(以上は筆者独自の考え方です。)

 

4)ウクライナ国民には、もともと住民のほとんどがロシア人である東部ドネツクから、ロシアの影響を完全排除するよう命を懸けて努力する理由は存在しない。その根拠は、伊藤貫さんのウクライナの歴史の解説にあるのでご覧いただきたい。=>

https://www.youtube.com/watch?v=N8a-w7S3s8A

 

 

ゼレンスキーは、ウクライナ国民の為に政治を行うなら、大統領選挙の時の公約を守り、東部ドネツクのトラブルをさけるべく準備されたミンスク2(東部へ自治権を与える約束)の合意を実行し、ロシア国境に軍備の集結をせず、ウクライナの平和を維持した筈である。

(17:00;18:00編集、最終稿)

2023年9月13日水曜日

新型コロナとそのワクチンの危険性

 

新型コロナ肺炎(covid-19)は、全世界で約69500万人の罹患者と約691万人の死者をだした。

(補足1) https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries

 

因みに、これらの統計に於いて、途上国の罹患数と死者数はともに低い。例えばアフリカでは、両方とも全世界のそれぞれの5%以下なので、統計から漏れている数が多いと推測される。正確なのは先進国の数値のみだろう。

 

この新型コロナ肺炎予防の為に、新型ワクチン(m‐RNA in Liposome)が一年という驚異的な早さで用意された。イスラエル等で直ぐに用いられ、発表されたdataからは大きな効果があったように見えた。日本でも、遅れたもののm-RNA型ワクチンがほぼ全国民に注射された。

 

このワクチンだが、感染予防効果も重症化予防の効果もそれほど大きく無いと言われ出したのは、多分英国政府(ワクチンは、アストラゼネカ製60%、ファイザー社製40%だった;補足2)のレビューがあってからだろう。 https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12686042646.html?frm=theme

 

その一方、これらワクチンが未承認であり、その使用が緊急使用という形で決定されたという事情もあり、ワクチン接種をためらう人も多かった。更に、当初有効だと言われたヒドロキシクロロキンやイベルメクチンなどの治療薬は禁止されとことも異常である。

 

最近でも日本政府は、m-RNA型ワクチン追加接種を国民に勧めている。また、批判的且つ詳細な評価が為される時期が来ている筈だが、政府はあまり乗り気で無い。このような日本政府に嫌悪感を感じるひとが多く出るのは当然だろう。

 

日本政府は米国製薬会社と米国政府の考えの通りに動き、ファイザー社やモデルナ社が多額の利益を上げることに協力した。その日本政府の姿勢とその政府に完全追従を決め込んでいる日本のマスコミに、何か不気味な世界の動きを感じる。

 

最近、京都大学名誉教授の福島名誉教授が中心になって、このm-RNA型ワクチンの副作用を調べる為の研究会「ワクチン問題研究会」を発足させ、その記者会見を97日の開催した。https://jsvrc.jp/kaiken230907/

 

この会の設立は、ワクチンの副作用に苦しむ人たちの為だけではなく、真実を隠す日本政府、マスコミ、米国民主党政府らを相手に、全国民そして人類の為に事実を明確にする為であると福島医師は語る(筆者の解釈)。尋常でない表現だが、私もこの姿勢に賛成する。

 

何故なら、新型コロナとそのワクチンは、世界のグローバリストたちの企みの一環として計画された可能性が高いからである。このウイルスが生物兵器として作られた可能性が高いことについて、京大の宮沢準教授が自分の職を賭して告発動画で明らかにしている。

https://www.youtube.com/watch?v=nfSWLa1_aW8

 

 

 

2)ワクチンの副作用について

 

以下に厚労省発表の上記m-RNAワクチンの副作用件数等について、その抜粋を示す。厚労省のデータでは信用できないではないかと言われそうだが、そのデータしか見つからないので仕方がない。そこには、麻疹とか百日咳、BCGなどのワクチンよりも一桁大きい副作用の数字が示されていた。

 

我々はワクチンの副作用は殆ど無視できる程だという前提でこれまで各種ワクチンを受けてきた。これらのデータは、ワクチン接種は、その効用と副作用の比較評価を行なってから、そしてそれらを国民に公表した後に実施するべきことを示している。全くの新型ワクチンなら猶更である。

副作用が現れた件数は36000件余、その内重篤件数は、約8600件、死者数は約1600人である。この副作用の被害は、ワクチン接種のものとしてはこれまで考えられて来なかった大きさである。ここでは取り上げていないが、福島医師はワクチン問題研究会の設立記者会見で言及された通り、このワクチンの副作用は全身に様々な形で現れる点も大きな特徴である。

 

ここで、他のワクチン接種でどれほどの副作用や死者が出ていたのかということも重要である。本当は同じところからデータをとりたかったのだが、時間が無かったので最初に見つかった薬事日報のデータから引用する。

2009年度に新型インフルエンザが流行したのだが、今回知ったことは、その時のワクチン接種に於いても、かなり大きな副作用が発生していたことである。その一方、従来の季節性インフルエンザのワクチン接種では、その%テージは、一桁以上小さい。これに関する解釈はここでは行わない。

 

最後にその他のワクチンについてもデータを下に示す。これらのケースでも死者も出ているが、多くは重篤な基礎疾患を持っていた方に発生していると書かれている。(補足3)

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/04/s0401-5.html

 

 

終わりに:

 

新型コロナワクチン接種は、全世界の人類を用いた莫大な規模の人体実験のようにも見えないこともない。その被害も相当大きく、筆者の全く健康だった近親者(姪の息子)にもワクチン接種後に自己免疫疾患になった人も出たこともあり、非常に不気味に感じる。

 

新型コロナワクチンによる死者数の%テージは相当大きいのだが、新型インフルエンザの時の死者数も同様に大きかったことは意外だった。今回の研究会の方々には、科学的にその原因も含めて究明されるように期待する。

 

ここで別の観点から、今回の疾病とワクチンの危険性を指摘したい。現在の米国政権など世界のグローバリストたちは、m-RNAワクチンの接種を、NIHの決定に従う形で全世界の人間に強制するような動きを見せている。(補足4)

 

真実を追求し、それをマスコミ等が明らかにするという前世紀までの民主政治の骨組みが、今世紀に入って米国ネオコン&グローバリストらにより無残に破壊されようとしている。このような情況下で、ワクチン接種権限を主権国家からNIHに譲り渡すのは非常に危険であり、絶対反対したい。

 

新型合成ウイルスとm-RNA含有リポソーム注射液の対は、用い方によれば核兵器を何十倍も越える兵器になり得る。更にその世界一元管理をもし悪魔に委ねれば、人類絶滅兵器となるだろう。前回記事に書いたような恐怖のシナリオで、一部の人間が地球独占と人口削減計画を進めていると考えた場合、非常に恐ろしい話である。

 

現在、「ワクチン被害研究会」の発起記者会で福島名誉教授が語る様に、民主主義社会と人類の危機である可能性が大きい。日本が独立を取り戻し、これらウイルス病とワクチンの監視する諜報システムを創るべきである。

 

補足:

1)NHKは米国ジョンホプキンス大の統計を用いてdataをあげている。両方ともほぼ等しい。https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/world_progress/

 

2)アストラゼネカ製もm-RNAを投与する方式である。ただ、ファイザー社とモデルナ社のワクチンは人工的な、脂質二重膜ナノ粒子(理化学分野ではリポソームと呼ぶ)で、内部にm-RNA が封入されている。アストラゼネカ社のものは、m‐RNAがチンパンジーのアデノウイルスに組み込まれるという点がことなる。

アストラゼネカ社英国・医薬品・医療製品規制庁によると、今年3月末までに英国内で約2,020万回接種され、79例の血栓症が報告され、うち19人が死亡している。

https://www.medius.co.jp/asourcenavi/vaccine-type/20215月)

 

3)この表現は微妙である。どのようなことで死亡しても、直接その死亡に関係したことを死因とし統計を取るのがどのような場合でも同じである。薬物中毒で気を失い交通事故を起こして死亡したときも、薬物中毒が死因だとは言わない。

 

4)個人への強制の方法としては、中国が用いている社会信用スコアの方式が考えられる。各個人に社会信用スコアを割り当て、その点が何点か以上になると、公共交通が用いられないように規制するなどのデジタル技術によるものである。

 

10:00 、補足3追加。翌日早朝、全体の加筆編集と補足4の追加

2023年9月7日木曜日

グローバル化の3つのフェイズと人類の最終戦争

 

グローバル化の考え方は、大航海時代に生まれただろう。実行に移されたのは、20世紀の国際共産主義革命の企みだったが、それは失敗に終わった。その後、経済のグローバル化が先ず進められ、そして21世紀になって政治と文化を含めたグローバル化全体の動きとなった。(補足1)

 

経済のグローバル化の基礎にあるのは、決済通貨としての米ドルの地位の確立(FRBの設立)、金融や物品の国際取引の円滑化の為のIMFやWTOなどの設立であった。そのプロセスで、アジアが経済的に大きく発展した。

 

経済のグローバル化システムが出来上がると、グローバリストは続いてその版図拡大を行なった。先進国を一通りそのシステム下に置くと、次に政治と文化でも世界を自分たちの支配下に置く企みを開始した。米国政府だけでなく世界経済フォーラム(WEF)も同じグローバリスト勢力だろう。

 

欧米のユダヤ資本を中心とするグローバリスト勢力は、主権国家と民族文化を破壊して、社会主義的地球の実現を目指している。それが政治と文化のグローバル化の中身である。具体的には、国境破壊と価値観の統一である。
 

国境破壊の例は、メキシコ国境から米国への不法移民や、北アフリカからヨーロッパへの難民の大量流入である。ホンジュラスからの移民キャラバンの支援をしたハンガリー系ユダヤ人のジョージ・ソロスは、グローバル化の中心に居る。

 

価値観の統一の為には、各国の伝統的価値観の破壊が無くてはならない。その為に工夫された武器がSDGsLGBTQなどの論理である。

 

国境破壊や文化のグローバル化の道具としては、更に、米国で利用されたクリティカル・レイス理論(critical race theory; CRT)やキャンセル・カルチャー(cancel culture) などの考え方思想も創造された。日本でのアイヌ先住民説もCRT理論がその背景にあるだろう。

 

これら全て、主権国家内の人と人の繋がりに関する伝統的価値の破壊が目的である。米国ネオコンの僕である岸田文雄の政権が続く限り、これからこの種の動きが活発化するだろう。

 

政治と文化のグローバル化に抵抗するのは、世界の民族主義者である。米国のトランプ、ロシアのプーチン、ハンガリーのオルバン、トルコのエルドアンなどである。インドのモディや故人となった日本の安倍もその中に入るのだろう。
 

彼らは、このグローバル化の大きな障害であり、排除されなければならない。トランプに対する恥も外聞もない攻撃は、彼らの生命線上に存在する障害線だからである。ロバート・ケネディJr.も、彼らの手に落ちるか、彼らが負けるかのどちらかだろう。
 

米国外では、その筆頭がロシアのプーチンだろう。ウクライナ戦争は、ロシアの資源の略奪もその目的の一つだが、プーチンを倒すことが主な目的だろう。現在世界は、米国を中心とするグローバリストによって制覇されるかどうかの瀬戸際にある。

 

最近、それに対抗する動きがロシアや中国を中心にして始められた。それに協力するのが、サウジアラビアなどのアラブ世界である。BRICSとグローバルサウスは、この米国ネオコンの企みに抵抗するように、ドル決済システムからの離反を画策している。

 

これらの国々の強味は、資源国だということである。G7など米国の下僕的な国々は、食糧とエネルギーで将来困窮する可能性がある。


 

2)グローバル化のプロセスを歴史の発展に任せられないのは何故か?

 

グローバル化は、歴史の発展プロセスの線上にある。人類の目標としては、やはりグローバルな共産主義世界の樹立があるだろう。人種差別や地域の差別、知能や身体の優劣による差別など、さまざまな差別を乗り越えたところに、それはあるだろう。退屈なユートピアに感じるかもしれないが。
 

20世紀から21世紀の急激なグローバル化は、この左翼思想に沿ってはいるが、かなり杜撰な計画に基づく性急な企みに見える。その最初のバージョンである20世紀初めの国際共産主義革命は、粗雑な計画だったことは既に近代史によって証明されている。

 

その企みに従事した人たちの系統に属する人達、つまりネオコンが、再びチャレンジしているのが現在のグローバル化Generation2(グローバル化G2)である。

 

国際共産主義革命の中心的人物がレーニンとトロツキーという東欧系ユダヤ人(補足2)であった。レーニンの死後、トロツキーがスターリンによって潰されたので、トロツキー派のユダヤ人たちは米国に逃れた。そして、金融資本家とともに米国の政治に参加したのが、所謂ネオコンの由来である。
 

レーニンやトロツキー、マルクスや上記ジョージ・ソロスらは全て、東欧系ディアスポラのユダヤ人たちである。極めて優秀な彼らだが、アイデンティティとディグニティを守る国家が無かった。それ故、この地球を彼らの国家とするという企みが、グローバリズムである。

 

この分不相応な計画の背後には、何かにつけて優秀な彼らの驕りがあるだろうと思う。ユダヤ教に由来する選民思想もあるだろうが、実際優秀な人たちも多い。米国在住のユダヤ人の平均知能指数は、東アジアの人たちよりも高いと言われる。ユダヤの歴史については次の文献が読みやすい。https://www.camri.or.jp/files/libs/1285/201906070908578551.pdf
 

近代の金融資本主義を担うのは確かに彼らだろうが、近代西欧文明の基礎は明らかにギリシャ時代からの西欧のものである。「真実」を大事にして議論で英知を集合させるギリシャ哲学の系譜上に近代科学と近代文明が存在する。
 

金融資本主義の覇者によるグローバリズムは、この西欧近代文明を破壊しようとしている。上述のクリティカル・レイス理論(critical race theory; CRT)やキャンセル・カルチャー(cancel culture) などは、法の不遡及の原理(補足3)を破壊することで成立し、西欧文明を基礎から破壊しようとする暴挙である。
 

この企みに反対する、或いはこの企みから脱落する民族や国家は、彼らの敵である。

 

グローバル化を目指す性急な活動は、米国を中心とした欧米の巨大資本を牛耳るディアスポラ(離散)のユダヤ人たちだが、ユダヤ人一般ではない。それを明確に示したのが米国の前大統領トランプだと思う。(補足4)ユダヤ人一般を批判するのは人種差別であり、源に慎むべきである。

 


 

3)一神教の世界では、異教徒は冷酷に扱われる

 

キリスト教の世界でもユダヤ教の世界でも、一神教の世界における異教徒に対する扱いは冷酷である。従って、グローバル化から脱落した人たちに対する残忍さは、彼らの歴史書である聖書に書かれている通りだろう。日本人にはこの理解が全く欠けている。
 

この金融と経済のグローバル化の版図拡大の為に、世界で数多くの戦争を起こした。最も直接的で話として分かりやすいのが、石油のドル決済破壊を防止する為のイラク戦争である。その他、ソ連の崩壊、東欧のカラー革命、ウクライナ戦争などもその目的は同じである。
 

これらは全て、独自の政治形態で安定に存在する国に対して、自由と民主主義という物差しを当てて悪を創造し、その悪に対抗するという形で内戦を誘発し、そこに“正義の介入”をするのである。
 

ウクライナ戦争でも、彼らは「国際法違反」と言う悪を作り出し、それへの成敗という図式にプーチンロシアを乗せる努力をしている。それは真珠湾攻撃に誘い込む米国Fルーズベルトの努力と同じである。ベトナム戦争でもイラクやアフガン戦争でも同じである。

 

上記アフガン戦争などへの努力が、9.11事件であると、今朝の及川幸久氏のyoutube動画で解説されている。それは、あのタッカー・カールソンによる次期大統領立候補者ラワスワ三(Vivek G. Ramaswamy)へのインタビューの話の内容である。
 

削除される前にその動画の視聴を推薦したい。(補足5)https://www.youtube.com/watch?v=bTDmc6M4EaY

 

 

 

彼らは米国で金融資本を蓄積し、その力により米国の金融のみならず政治をも支配した。そのために選挙資金を幾らでも使えるという制度(スーパーPAC)を作り上げた。そして、米国民主党と共和党ネオコンを含めての所謂RINO(名前だけ共和党)らを支配下においた。

 

その勢力は巨大である。世界で紛争を引き起こし、それに介入することで、先進国とその周辺での覇権を実現した。残るのはロシアと中国、そして途上国である南方の国々である。

 

インターネット時代に入り、ネオコンが支配する米国(ディープステート、DS)の企みが徐々に明らかになってきている。彼らを縛る法律も常識もない。彼らは必要ならCIAに命じてカダフィでもだれでも殺すだろう。ただ、日本以外の国では、諜報や警備の能力があるので、簡単ではない。

 

トランプは獄につながれるか、殺される可能性が高い。無事選挙に参加できて大規模なインチキ選挙がなければ、2024年の選挙で彼が勝利するだろう。それはこのグローバル化の運動全ての終焉を意味する。それを簡単に受け入れる人たちではない。

 

RケネディJrも非常に危険な状況にあるだろう。彼が攻撃しているのは、人口削減の道具とも言われるウイルスとワクチンである。その様な計画の中心にマイクロソフトの創業者のビルゲイツが居るだろう。https://note.com/sekainoyami/n/n8b761a00c3b4
 

グローバリストらは、WHO条約で疫病の際に国境を越えてワクチン接種を義務付ける体制を世界に作ろうとしている。https://www.youtube.com/watch?v=6Af6b_wyiwI

 

彼らの考え方の中心にあるのは、「事実など存在しない、存在するのは解釈だけだ」というニーチェの言葉だろう。21世紀の民族主義者とグローバリストとの戦いは、この言葉と人類の戦いのように思える。2024年で全てが終わるだろう。

終わりに:

 

以上は筆者が最近の世界を理解するためのモデルであり、必ずしも真実と確認されたことではありません。以上、お断りしておきます。
 

補足:

 

1)国際共産主義革命が失敗したことの証明は、ソ連の崩壊である。中国と北朝鮮の共産党独裁は、中世の皇帝による独裁の変形だろう。表題の三つの相とは、①国際共産主義革命、②グローバル経済体制の樹立、③政治文化に於けるグローバル化である。③を第二次グローバル化として、②をグローバル化のフェイズと見ない人もいる。

 

2)東欧系ユダヤ人とはディアスポラのユダヤ人の内、東欧に棲んでいた人たちでアシュケナジム(アシケナージはヘブライ語でドイツを意味するようだ)と呼ばれている。

https://www.camri.or.jp/files/libs/1285/201906070908578551.pdf

 

3)制定した法律が効力を発揮するのは、その法律制定後の事象についてである。

 

4)イスラエルの嘆きの壁でのパフォーマンスや米国大使館のエルサレムへの移転など、イスラエルのための政策を実行している。アラブの国々とイスラエルとの和平を仲介したのも非常に大きい。

 

5)2001年に21世紀が明けた。911日、ワールドトレードセンター第1と第2のツインタワーに飛行機が衝突し、ビルが自由落下するように崩壊した。三か月ほど前に、古くなりかけたこのビルを買い取り、事故後に多大な保険金を受け取った人物がいた。イスラエルの現大統領ネタニヤフの友人のラリー・シルバースタインという人物である。ツインタワー崩壊後1時間程して、第7ビルも崩壊した。その直前にカウントダウンの声を聞いた人がいるという話である。

 

(17:10、編集;17:45、終わりにを追加:;18:45一箇所修正して最終稿)

2023年9月3日日曜日

ALPS処理水の海上放水基準と反対運動の論理

最近大きな話題になっているのが、福島第一原発の廃炉処理に於いて発生したALPS処理水の海中放水である。この処理水の海中放水に反対する動画をアップしている人として、例えば、元京大原子炉実験所助手(現在助教と呼ぶ)の小出裕章氏、 フリージャーナリスト の烏賀陽弘道氏(元朝日新聞記者)、及び衆議院議員の原口一博氏などを挙げることが出来る。

 

その中で、最も影響力を持つのが、原口衆議院議員の発言である。原口氏の主張は以下の動画で聞くことが出来る。https://www.youtube.com/watch?v=DLjWQG6Sq2w

 

 

これを聞いていると、議論する立場或いは前提が、日本政府と全く異なると感じる。日本政府は、事故炉の廃炉処理の一環として処理水放水を行い、その安全性を主張しているが、原口氏らは、原発全廃の主張の為に処理水放水の危険性を強調している様に見える。問題意識は全く異なる様だ。

 

政府は、格納容器の底にメルトダウンした核燃料が存在するので、それを取り出して廃炉処理をしなければならないと考える。その為の方法や具体的手順などが確定するまで、燃料物質を冷却し続け、その結果生じた水を浄化して放出しなければならない。

 

一方、原口氏は海の生態系や漁師など海で生きる人たちに対し、処理水放水が与える影響を最重視しているようだ。彼は、考えられる全ての放射性核種の濃度を決定し、更に、海での生物濃縮の影響なども明らかにし、将来害をなさないことを証明してこそ処理水放水は許されると言う。

 

また、ALPSという装置で多くの放射線核種を除去したとは言え、メルトダウンした燃料等と直接接触した元汚染水を海に放出するのは世界で初めてなので、将来においても完璧に危険性が排除されると科学的に証明されない限り、処理水は海に放水すべきでないと言う。

 

原口氏を始め処理水放水に強く反対する人たちに共通しているのは、数百キロの核燃料(燃料デブリ)を原子炉格納容器とその周辺から取り出す必要性の議論をスキップしている点である。

 

原口氏は、上記動画で「燃料デブリを取り出すことなど不可能である。危険で近づけない」と言いながら(上記動画29:30~)、その対策を示す努力をしないで、中国などの反対を招くなど外交的損失も大きい(補足1)として放水に反対する。代案を示さないで、ただ反対するのである。

 

この件、数年以上前から話題になっていた。その時に、積極的にいろんな案を提出するなどの活動をしないで、海中放水を実行する段になって、強硬に反対運動を始めるのは、将に反対のための反対だと感じる。

 

彼らは、原発廃止運動を進めるための手段として、今回の処理水放水を利用している。もしそうでないなら、処理水の海中放水が話題になった時点で、何故もっと反対しなかったのか? 代案を出さなかったのか?

 

3年以上前の産経新聞に、ALPS処理水に関して以下のような文章を含む記事が掲載されている。https://www.sankei.com/article/20200114-FV2AWAPQ6ZO7FPWE234SHMCUQE/

 

① 政府の委員会で候補案が議論されたのは、水で薄めて海に流す「海洋放出」と、空中に蒸発させる「大気放出」を主要な選択肢とする案である。

 

② 漁業関係者などの間には処理水放出を強固に拒否する声がある。風評被害を警戒しての反対だ。大気放出では農林業にまで風評の影響が及びかねない。

 

③ 事故から2年後に現在の浄化装置が稼働を始め、国際原子力機関(IAEA)からも再三、海洋放出などを勧められていたにもかかわらず、約千基の大型タンクに計100万トンを超えるトリチウム水をためてしまった。

 

この記事がネットにアップされたのが 2020114日(多分紙面には15日ごろ掲載だろう)で、その後20214月になって漸く菅首相が2年後という期限をつけて海洋放出を宣言したのである。

 

IAEAの勧めを海中放水の良い機会として実施せず、方々に反対の論理が組み上げられる時間を待って、放水を開始した様にも見える。必ず海に放水しなければならないことを知りながら、批判の矢面に立つことを恐れて、問題を後回しにし大きくしたのだ。(補足2)

 

これ以上延期出来ないとなって、海中放水を始めたところ、中国に難癖をつけられたのである。(補足2)それを見て、野党議員は良い政治的テーマだとして、批判を始めたのだろう。

 

処理水放水が始まってから、活発に反対の動画を発表するのは、動機不純である。国会議員なら、あくまでも、今回の事故(2011年の事故)の最終的な被害総和を最小にするにはどうすべきかという論点から、議論すべきである。

 

以下、重要な点の復習として、告知濃度比総和とその意味について調べたので記載する。そして、関係する放射線障害に関する一般的な情報を追加して、この記事を終わる。

 

 

2)ALPS処理水の安全性:告知濃度と告知濃度比総和

 

ALPS処理水の安全性について環境省が公開している情報をまとめると以下のようになる。「廃液中に含まれるすべての放射性物質による影響を総合して告示濃度比総和が「1」を下回るように規制がおこなわれます」と書かれている。

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r3kisoshiryo/r3kiso-06-03-07.html

 

ここで告知濃度(限度)とは

日本の原子力発電所等から環境中に放出される液体・気体廃棄物に含まれる放射性物質の規制基準は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき、追加的な公衆被ばく線量(人体に与える影響)を、年間で1mSv 未満にすることを基本に定められている。

 

具体的には、ある放射性核種が含まれる水(処理水)を、生まれてから70歳になるまで毎日約2リットル飲み続けた場合に、平均の線量率が1年あたり1mSv に達する濃度が告知濃度(限度)である。放射性核種ごとのこの濃度は法令で定められており、告示濃度或いは告知濃度限度と呼ぶ。

 

つまり、ある核種をXベクレル/kgBq/kg)含まれる水を毎日2リットル飲み続けた時に、年間1mSVの被爆量となるとすると、この核種の告知濃度限度は、Xベクレル/kgということになる。

 

告知濃度限度が、核種A,核種B、核種Cで、それぞれAn BnCn (単位はBq/kg)だとすると、それらの核種が、夫々a, b, c (単位はBq/kg)の濃度で含まれる水の告知濃度比総和は、(a/An + b/Bn + c/Cn)となる。

 

処理水がこの告知濃度比総和がmSv/以下でなければ、海に放水できないということになる。この告知濃度比総和は、検出されている放射性核種全てについて行なう。

 

 

3)ALPS処理水の安全性:自然放射線との比較

 

処理水の安全性の感覚を正しく持つには、我々はどれだけの自然放射線を受けているかを知るべきである。地球上で生を受けた我々の体には、4000ベクレルのカリウム402500ベクレルの炭素1420ベクレルのポロニウム等が既に存在する。

 

これらによる内部被ばく量は、合計約1mSv/ 年 である。更に我々は、外部被ばくとして、宇宙線や土壌からの放射線などを受けている。これらを合計すれば、平均して2.1mSv/年の放射線被爆の下に生活しているのである。これらのことを考えれば、合計1mSvの告知濃度比総和は、処理水の放出には十分に安全な基準である。

 

上記結論を支持する研究結果を下に示す。放射線の影響として人々が恐れるのはガンの発生であるが、それが放射線線量との関係を示した図である。https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/risk_commu_2017_004/pdf/risk_commu_2017_0004_171201_0003.pdf

 

こ の図によると、100Sv以下の放射線を被爆しても、ガンの発生確立は誤差の範囲でしか増加しないということになる。(補足3)

 

Lの処理水を365日飲み続けても、1mSvにしかならないと政府が言い、それをICRPが監視しているというのなら、それを信じて福島での廃炉作業を見守るべきだと思う。ICRPの言ったことよりも、中国政府の言ったことを重視するのは間違いである。

 

また、生物濃縮(補足4)なども、突出した具体例があれば個別に考慮する必要がある。しかし、今回の処理水投棄の時点で、明らかになっているものだけ考察すれば良いと思う。

 

福島第一原発に関しては、これ以上二次災害を出さずに、国中の知恵を集めて廃炉まで進むべきだと思う。

 

 

補足:

 

1)今朝の香港系のメディアによれば、中国政府が日本の処理水放水を大々的に攻撃したのだが、中国国民に予期せぬ反応が出たようだ。その結果、中国政府自身が困っているという。そこで、中国政府はその沈静化に動き始めたという話である。

 

 

2)日本の政治家は自分の職業としての政治家の地位が大事で、どこかから反対が出るような政策の判断や実行等を先送りにすることが非常に多い。それは日本を1952年に始まった米国の属国状態に置き続けることは、政治家にとって楽な道だとしてむしろ積極的に維持してき自民党政治家の一般的な姿である。因みに、そのような政党に頼らず新党を立ち上げようという動きが最近出ている。参政党もその一つだが、百田新党も面白い。

 

 

3)急性の放射線障害としては、LD 50/60(60日以内に被曝した人たちの50%が死亡する線量)は、無治療の場合は3Gy、集中治療を行なった場合は6〜8Gyとされている。(ウィキペディアの急性放射線症候群の項参照)この場合のGy(グレイ)は吸収線量という物理量であり、Gyの単位はJ/kgであり、それに線質効果の係数(放射線の種類、持つ運動エネルギーなどの効果)を掛けたのがSvである。今回の議論では、差し当たりSv(シーベルト)と同等と考えてよい。

 

4)ポロニウム210は魚特に内臓に濃縮されるが、どのような魚を食べても被ばく量は1 mSv/year 程度であり、心配には及ばない。

(8:20 表題の改正;1.の最後の文章修正;20:00 補足の引用を修正)