2023年12月30日土曜日

日本にとって非常に危険な中国の政治経済情況と人類の最終戦争

中国経済の危機は、恒大集団や碧桂園(カントリー・ガーデン)等の不動産企業の行き詰まりに始まり、現在その深刻度を増している。それは単なる一業界の不振というのではなく、中国発展のモデルそのものの行き詰まりであり、現在習近平政権は民衆の支持を失いつつある。習近平は、予想外の手段で危機回避を試みる可能性があり、それが世界の動きとの関連で日本の危機にもなり得ると思う。以下は、理系一素人の考えとしてお読みいただければと思います。

 

1)中国経済の不況

 

中国の不動産開発は関連産業を含めてGDP3割を占めるとの試算もあると日経新聞に書かれている。これまで中国人中産階級の蓄財方法の殆どは不動産投資であり、中国の改革開放経済により産み出された冨のかなりの部分が、不動産として積み上げられ、その価格は年々上昇を続けた。

 

不動産価格の高騰は、中産階級の投資に巨大な含み益を発生し、彼らの旺盛な消費と益々盛んになる住宅建設を支えてきた。それが中国経済をけん引し、借地権を販売する中国地方政府の財政をも支えることにもなった。その結果、全人口が転居できる程のマンションが建設されたという。

 

この現象は、人々が住むために住宅を建設するという経済の基本から逸脱しており、非常に不自然である。従って、その価格にも合理性がない。Bloombergによると、危機感を抱いた中国政府は、三年前に不動産バブルを抑える方向に政策の舵を切った。そして、不動産バブルの崩壊が始まり、現在その真っ只中である。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-26/S6947DT0AFB400

 

その結果、恒大集団や碧桂園(補足1)など不動産大手さえ、経営行き詰まりとなった。資本主義の近代国家では、再建不可能と思われた時には、倒産処理が始まるが、そのようにはなっていない。銀行は多額の不良債権候補を抱えており、一般市民の預金の引き出しに応じない。中国政府はそのような銀行を支持しているように見える。https://www.youtube.com/watch?v=hbdNRg4sx94

 

 

中国政府は、市民一般の預金を全て消失させてでも、それら不動産業者と銀行をソフトランディングさせたいのだろう。恐らく、それら企業体と中国中央政府と地方政府、それに共産党幹部たちには、切っても切れない関係が構築されているのだろう。

 

それは、資本主義の近代国家では考えられない事態である。現在の中国経済の危機は、日本のバブル崩壊と30年の経済停滞など比較にならないと言われる。これは経済の問題だけでなく、中国の政治体制の問題なのだろう。それが深い所を経由して、日本の危機にもつながるような気がする。

 

 

2)経済危機を引き受けざるを得なかった習近平

 

経済が悪化すると、政情不安となるのは万国共通である。今日の情況は、中国の経済専門家なら予測できたと思う。恐らく習近平もその二期目には予測していた可能性がある。それなら、第三期目には誰か胡錦涛が指名したであろう誰かに席を譲るべきだったが、それが出来なかった。

 

誰か別人が主席になるなら、第二期目の国家副主席に共産党常務委員が就いていた筈である。しかし、国家副主席には王岐山がなり、彼は第一期は共産党常務委員だったが、第二期には常務委員から外されていた。つまり、習近平は第二期の始めから第三期以降も自分がやると決めていたのだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/30b96622d5fefa222dec63c2585b5eb2c92800ab

 

それは何故なのか? 中国政治の情況に非常に詳しいyoutube動画のmotoyamaチャンネルは、習近平は弱小派閥の出身であり、江沢民はそれ故習近平を中国のトップに据えたと語っていた。(補足2)

 

高度成長期に政権を握っていた江沢民とその一派は、政治と経済の支配継続の為には人脈の多い実力者ではなく、文化大革命の時に下放(危ない政敵を田舎送りにすること)された習仲勲の息子である習近平を据えることにしたのである。

 

支持基盤の脆弱な習近平は、政敵を腐敗追放の名目で葬る手法で政権を維持した。その方法は、習近平と主席の座を争った薄熙来の人民から人気を得る手法を真似たものである。

 

第一期でその腐敗追放の仕事に携わったのは、上述のように常務委員第6位の王岐山であった。その方法では前面の政敵を排除できるが、周辺に新た憎しみを産む。習近平が主席に居座る理由は、仮に二期で政権を下りれば、その後に復讐の嵐に遭遇することを恐れた結果だろう。

 

今日の中国経済の苦境は、江沢民と胡錦涛の時代の課題を10年の任期内に解決出来なかったことが原因だろう。WTOに加盟し、世界の工場と言われるようになった高度成長期に、腐敗を無くし且つ地方政府の財政基盤確立等が出来ていなかった。腐敗にまみれることを良しとしたのである。

 

地方政府の歳入としては税収や中央からの交付金の他に、土地使用権の譲渡収入がある。(補足3)それが活発な不動産開発と連携して、財政の重要な位置を占める様になり、且つ不動産バブルの発生につながった。開発業者と地方政府との癒着なども生じさせただろう。(補足4)

 

上記motoyama氏の解説の中にあったのだが、中国市民の蓄財の殆ど(80%ほど)が不動産保有だという。中国人は紙幣に対する信用が低く(補足5)、蓄財としては目に見える不動産への投資を好んだというのである。この歪な経済構造が、不動産バブルとその崩壊の原因である。

 

日々拡大する自分の資産を背景に散財してきた人が多いが、バブル崩壊で多くの人が不動産ローンの返済も儘ならなくなった。中国経済はこのままでは立ち上がれないと言われる。

 

一帯一路を発展させグローバルサウスの中心になって、中国元を国際通貨に育て上げることが可能になったのなら、米国のように巨大な債務も許され、一定期間は少なくとも問題を先送り出来たかもしれない。しかし、中国には米国のような実力はなく、習近平にもこれまでそれが出来なかった。

 

 

3.毛沢東時代への回帰と台湾進攻の可能性

 

この困難を乗り越える方法として習近平が執りつつあるのは、毛沢東崇拝を進め、共産主義的な政治と経済にもう一度戻ることのようだ。彼が掲げる共同富裕や住むための不動産建設という理想論は、共産主義への回帰の具体例である。

 

つまり、鄧小平が行なった改革開放路線の否定である。そのようにmotoyama氏が最新動画で解説する。https://www.youtube.com/watch?v=huVaFNyNaU8

 

 

素人の推測だが、今後恒大集団や碧桂園への資本注入から、それらを始め多くの国内企業の国営化が行われると考える。更に、西欧諸国との経済関係が拙くなれば、海外企業の中国脱出が加速され、場合によっては外国資本の接収に発展する可能性があると思う。(補足6)

 

習近平は、自分を21世紀の毛沢東と思わせる様に努力しているようだ。紅衛兵の代わりに習近平自身が文化大革命を進めるのである。その一方国民も、経済的苦境に際して、毛沢東の肖像画を掲げる形で、現政権批判を行なうケースも多いようだ。

 

そんな情況で21世紀の毛沢東になる為に、習近平政権は何か強力な事実が欲しい。そこで考えられるのが、台湾併合である。彼は中央軍事委員会のトップだが、人民解放軍がすんなり命令に従うかどうかを疑っているだろう。何故なら、それは下手をすれば世界戦争への道だからである。

 

そのような危惧の現れが、外相や国防大臣の解任である。外相の解任は、中国習近平政権の今後の外交が尋常でないことを匂わせている。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230919/k10014200581000.html 

 

また、昨日のロイターの記事によると、董軍・前海軍司令官が常務委員会で新しい国防大臣に決定されたようである。https://jp.reuters.com/world/security/R5NWRQVYQVINLGCSQVTXDKYGC4-2023-12-29/

 

つまり、常識的な判断として、中国の台湾進攻などあり得ないと考える向きが多いが、それは習近平の立場を十分考えて出されていると言えないのかもしれない。これが表題の意味である。

 

 

終わりに:

 

来年1月の台湾総統選挙では、民進党と国民党の支持率の差が1-2ポイントであり、接戦である。その結果が、今後の中台関係に重大な影響を与えることになるだろう。https://news.yahoo.co.jp/articles/86b302e986dbd43851818c0d6346aaf8ac5be0b3

 

もし、中共の台湾進攻となれば、巨大な被害を東アジアに発生させるだろう。それは共産党政権の中国にエネルギーを蓄積させた米国ネオコンの責任である。グローバル化の一環として、共産党支配の中国に資本主義経済を移植したことが、今日の矛盾に満ちた巨大な中国経済に繋がった。

 

彼らネオコンは、「資本主義の発展が中国人をして共産党独裁から解放するだろうと考えた」という屁理屈をこねる。そうではなく、かれらが考えたのは現在進行形の中国を人類絶滅のための火薬庫にすることでは無かったのか? 

 

米国の政治を支配しているネオコンなどユダヤ系は、ユダヤ人の国を獲得する運動であるシオニズムの推進者だろう。シオニズムは、神の行為としての人類の最終戦争とユダヤの国の実現を先取して、積極的に人間である彼らがそれらを引き起こしユダヤの楽園を実現しようという運動である。 

 

ウクライナ戦争、イスラエルとハマスの戦争、そこへのイランとロシアの参戦という形で、聖書エゼキエル書にある人類の最終戦争を予想する人(補足7)もいる。しかしそこに描かれている世界には、中国や日本韓国台湾など東アジアは含まれていない。それでは世界はアジア人に乗っ取られてしまうと、彼らは考えたのではないのか? 

 

つまり、聖書が記述する人類の最終戦争を、ユーラシアの西半分からユーラシア全体に広げる為に中国をこの最終戦争に巻き込むのである。それが、巨大な火薬庫状態となった現在の中国ではないのか? 伊藤貫氏によれば、彼らネオコンは非常に頭が良いのだが、同程度に傲慢な人たちだという。

 

 

補足:

 

1)碧桂園は英語名をカントリーガーデンと呼び、マレーシアに巨大なニュータウンをつくり、そこに中国人の百万人移住させるという計画を、国の協力を得て始めた。しかし、現在では一部出来上がったものの、中国人居住者の数は限られ、所謂鬼城と化している。以下の記事は5年前のものであるが、現在もフォレストシティ(森林都市)計画は頓挫したままである。

https://blog.goo.ne.jp/jiuhime007/e/65acceb8ac987c119c59600bbd063dba

 

2)鄧小平は、中国の政治が独裁化しないように、次のトップは現在のトップではなく一つ前のトップが決定するという方式を導入した。その方式に従い、江沢民は胡錦涛政権の後のトップを決めることになった。胡錦涛は鄧小平により江沢民の後の政権トップに決まっていたのである。

 

3)共産党政権下では土地は国有であり、民間が70年の借地権を購入して不動産開発をする。ただし70年の期間満了後は自動的に更新されるようである。ただ、時代が替われば更新料が徴収される可能性は残る。http://www.peoplechina.com.cn/zlk/falv/201912/t20191219_800187970.html

 

4)地方政府の歳入における土地使用権譲渡収入への依存度は高い。2021年は、日本の一般会計に近い一般公共予算の税収が17.3兆元であるところ、日本の特別会計に近い「政府性基金」での土地使用権譲渡収入は8.7兆元となっており、その大きさが分かる。不動産市場の低迷によって不動産開発が落ち込め土地使用権譲渡収入が減少し、地方政府の財政を悪化させる可能性がある。

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202210/202210h.pdf

 

5)中国では偽札をつかまされる危険性が大きく人気がない。それがデジタル決済が短時間に広がった一つの理由である。中国情勢に詳しい妙佛DeepMaxというyoutubeチャンネルが、一つの番号のセットで政府に納入する紙幣を印刷し、同じ番号のセットでもう一組の紙幣を印刷し、闇で流通させたという事件を報道していた。残念ながら、ここでその動画をリファーできなかった。未確認情報だが、ここに補足として入れる。

 

6)世界戦争を避ける形でそれらが進むと考えるなら、日本の企業などは逃避実行前に国有化される可能性があると思う。それは、日本からの軍事的反撃は恐れる必要ないからである。

 

7)越境3.0というyoutubeチャンネルの石田和靖氏は動画の中で、エゼキエル書(旧約聖書の一つ)38章にこの世界最終戦争について書かれていると説明している。ロシア(ゴグと書かれている)がペルシャやトルコ(ぺテトガルマ)などを引き連れてイスラエルを攻め、イスラエルのユダヤ人が追い払われたところで大地震が起こり、神の怒りがロシアにもたらされるという話である。

https://www.youtube.com/watch?v=Fl0_LDRMsa8 

https://www.youtube.com/watch?v=hYmQE5DHjfs

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