2024年9月14日土曜日

高市首相は米国民主党政権の手先となるのだろうか?


自民党総裁選挙への立候補者が揃ったようだ。抽せんの結果、高市経済安全保障担当大臣、小林鷹之氏、林官房長官、小泉進次郎氏、上川外務大臣、加藤元官房長官、河野デジタル大臣、石破元幹事長、茂木幹事長の届け出順となった。(補足1)


これらの候補者に関する世論調査での人気上位は、小泉氏、石破氏、高市氏の順である。立候補者9名の自民党員と国民に向けた10分間のメッセージが以下の自民党製作の動画で見ることができる。各候補の主張の要点が聞ける。先ずそれについて感想等を述べる。 https://www.youtube.com/watch?v=XITZnWhZNMI

 

 

ほとんどの候者が日本の経済力を増強するために成長投資など財政出動を行うと言っている。しかし、それは間違いである。特にひどいのは、加藤元官房長官の所得倍増目標であった。日本はもはや途上国ではないので、池田勇人の同じ名前の政策の真似は不可能である。

本来、経済増強を政策の柱にすることなど、社会主義経済を採用しない限り政治の中心的仕事にはなり得ない。自由主義経済の下では、政治の経済に対する影響力は大きくはない。経済的取引や法人の在り方などに設ける様々な規則などが主であるべきで、非常時に財政に頼る以外には、赤字国債を充てにすべきではない。そのことを正しく指摘したのは、河野氏のみであったことは驚きであった。

河野氏は、財政の規律は守るべきであり、例えばパンデミックや大災害の時の大胆な財政出動が可能となるように余裕を持つべきだと言っている。ただ河野氏の世界情勢に関する理解は上川洋子氏と同じく、全く欧米グローバリスト(補足2)の考え方に完全に支配されている。

「主権国家体制はもう古く、日本も米国を中心にした国際的連携で世界の政治体制をつくりあげなければならない。その為には中国やロシアの独裁政治を潰さなければならない」と言っているように聞こえる。国民の一人として、この二人のグローバリストの申し子的候補には当選してほしくない。

現在、人類は世界大戦の前日、或いは既に世界大戦中なのかもしれない。岸田政権はその片方に加担しているが、これ以上に戦争が拡大した場合、中国と米国グループ(G7及びNATOとAUKUS、そして日韓)との戦争が東シナ海で発生する可能性が高い。その場合、日本はロシアと戦うウクライナと全く同じ状況になるのである。上記二人は、国民の一人として、日本の首相になってほしくない。

茂木氏、石破氏、林氏、小林氏の言葉には全く新しいものを感じなかった。小泉氏の考え方には同意したい部分もあるが、今一つ経験と能力を高めてもらいたいと考える。今回私が特に注目する候補は高市早苗氏である。出馬表明の記者会見で発表された高市氏のメッセージは明確であり、一部に評判が高い。https://www.youtube.com/watch?v=6p21fsXiosk

 

 

以下、高市氏の考え方を取り上げて、ほんの少し議論してみたい。私は高市氏こそ、米国民主党政権が期待する次期日本首相だと思う。高市氏の危険性については既にブログ記事として書いているので下に引用する。

 

 


2)高市早苗氏の立候補記者会見

高市氏は国のもっとも重要な使命は、国民の生命と財産を守ること、更に(或いは)領土、領海、領空、資源、国家の主権と名誉を守ることであると話す。そして今、総合的な国力の強化:外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力が必要である。そのために、経済力の増強が先ず必要であると話す。(補足3)

高市氏の上記メッセージを聞いて私に以下の疑問が湧いた。自民党政治がほぼ70年間続き、最近の10年間ほどには幹部として入閣していた筈であるにも関わらず、何故今このような国家の使命というイロハのイから言わねばならないのか? 

自民党の70年間の日本国統治は、このイロハのイを無視したものなら、先ずそのことに言及すべきではないのか? 高市氏は1996年以来自民党に所属してきたが、自民党の考え方や政治的姿勢が自分の思想に近いから自民党に参加してきたのではないのか?

そうではなく、現在急遽にその必要性が生じる程の大きな日本の政治改革そして自民党改革が必要なら、それは具体的にはどのようなもので、どのような経緯でそのような状況となったのかについて、高市氏は自らの歴史感を語る必要がある。

この声明の中で高市氏が話した国家防衛に関する問題意識のある部分は、客観的に見て正しいだろう。中国は、米中対立(補足4)が深刻な情況にあり、ウクライナで米国連合と戦うロシアに味方している。そして今、東アジアにおける戦闘に備えているように見える。

 

日本は国家の真面な機能として、国際状況に対応できるような防衛力を持つべきである。ただ、それはあくまで日本国独自の防衛として実行されるべきである。

現在中国やロシアに日本を攻撃する動機があるのか? 

 

ロシアと日本は、数年前に歯日露平和条約の締結に動いた。ほとんど同意直前であったが、日米安保を根拠にしてそれらの島々に米軍が配備される可能性を除去できずに反故となった。(補足5)その後のウクライナ戦争によるロシア制裁など、対ロシア敵対行為は日本側に100%責任がある。高市氏は、その岸田政権の一人であった。ロシアの脅威は彼らが招いたことである。

一方、中国との間では、日本にとっては経済的には非常に重要な関係にあるものの、最近尖閣問題などを中心に対立が深まっている。現在中国は経済的に苦境にあり、国民の政権批判の空気が強まっている。そんな中で過去の歴史問題などでの対日批判が民衆のガス抜きに利用されている。(補足5)

この歴史的責任の半分は旧日本帝国の侵略体質にある。ただ、平和条約締結後にはそれは持ち越さないのが原則なので、現在の中国の卑怯な姿勢は中国政府に責任がある。

対中国の防衛力強化は、日本にとって必須であるのは言うまでもない。日本が真に独立国として独自外交が可能だったなら、ロシアからインドまでの中国を取り囲む国々と協力して、中国の軍事的圧力に対応すべきだった。その戦略を自ら放棄したのは、岸田政権である。

現在の中国の軍事的脅威の80%は、米国ネオコン政権が進めるグローバリズム(新シオニズム政策)、或いはそれによる中国弱体化が原因である。(補足6)従って、日本は米国の同盟国ではあるが、対中外交は米国の関係する部分を排除して行うべきである。

しかし、高市氏はその防衛構想の中で、以下のように言っている。「安倍晋三元総理が提唱しそして構築をしてこられた“自由で開かれたインド太平洋”にアメリカを強く関与させ続けることが日本の責任でございます。受け身ではなく主体的な外交で同盟国と同志国の絆をさらに強くしてまいります。」これは「米中戦争に積極的に参加します」という宣言にも聞こえる

米国は、中国の領土の一部であると認めている台湾にたいして、2022年以降特に顕著に独立させるべく動いているように見える。米国民主党政権は、中国に対して台湾独立をつぶす軍事行動を嗾けているように見える。高市首相を持つことは、日本国民にとって非常に危険になると思う。

当時下院議長のナンシー・ペロシ氏や、連邦議員団、更に中国攻撃を繰り返してきた元CIA長官且つ元国務長官のマイク・ポンぺオ氏らが台湾を訪れて中国習近平政権と対立する台湾総統を励ましている。マイク・ポンペオ氏は、蔡英文中華民国総統より「特種大綬景星勲章」を授与されている。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240115/k10014321651000.html

日本国は、日中共同宣言の時以降、当時の中国共産党政権に対して台湾は中国の一部であると明確に表明している。国民の命を守る政治を目指すなら、日本が核軍備を十分な形で完成するまでは、その条約文を何度も読み、条約を守るように努力すべきだ。


日本は、田中角栄から大平正芳の時に台湾を裏切り見捨てたのである。日本は卑怯にもわが子を捨てて、自分が豊かな生活を夢見て生き延びたのである。それが国際政治というものだというのなら、それはその通りかもしれない。しかし、締結した国際条約の重みを無視することは、日頃国際秩序を重んじるという自民党国会議員たちの言葉に反すること位は、十分承知すべきである。

そして現在、日本が台湾の味方であると言うのも現実的国際政治というのなら、中国と戦いになり原爆を投下されて国民の数百万人が一瞬にして焼き殺されることも現実的国際政治と言うことになる。中国高官はときどき、日本に原爆を投下することは一つの選択であるという類の発言をしている。

現在の状況下での日本の憲法改正、自衛隊の国軍化、更には防衛力増強には反対する。それは、米国の駒となって、ウクライナのように米国が弱体化して崩壊させる戦略を持っている相手国と戦う羽目に陥る可能性大だからである。なお、有事の際には日本の自衛隊の指揮権は米国が持つという密約があるので、開戦となれば日本国に独自外交はない。

 

 


3)高市早苗氏を新総裁に期待する米国?

グローバリストの中枢である米国の現政府は、高市早苗氏を総裁候補として高く評価している筈である。彼女は2008年の世界経済フォーラムによって世界若手リーダーに選ばれている。そして、米国民主党政権にひたすら従順な岸田政権下で、経済安全保障担当大臣を勤め、2023年その業績を米国のシンクタンク(グローバリスト機関)であるBoston Global Forum(BGF)に高く評価され、AIWS世界リーダー賞を受賞している。

受賞理由は、彼女のリーダーシップの下、日本は経済安全保障の向上に向けた諸措置を講じた他、彼女は米国を含む他の国々との日本の経済・安全保障関係の強化にも重要な役割を果たしたこととされている。AIWSとは AI world society のイニシャルであり、AI時代の国際社会を意味する。https://bostonglobalforum.org/boston-global-forum-awards/world-leaders-in-aiws-award/the-world-leaders-in-aiws-award-2023/

因みに、2022年のBGFの世界平和と安全保障に関するリーダー賞は、ウクライナのゼレンスキー大統領が受賞している。そのことからも、BGFは世界経済フォーラムと同じ勢力による国際機関だと分かる。

自民党岸田政権とその背後に居る米国のリーダーは、上川外務大臣が時期首相として良いと思っているだろうが、それでは余りにもあからさまな政権移譲なので、同様に欧米グローバリストへの同調者として育てられた高市早苗氏を次期首相に、上川洋子氏をその次の候補と考えているのではないだろうか。

高市氏は国連中心の外交を当然のこととし、ウクライナ戦争が国連の機能を阻害しているという理解を今回の立候補記者会見でも披露している。このような単純な考え方が、9名の総裁選挙への立候補者の全てに共通している。つまり、だれが次期総裁になっても、日本の米国追従路線は変わらない。勿論、それが吉田茂以来の自由民主党という政党の遺伝子である。

高市早苗氏が米国民主党政権に強く支持されていることを報じているyoutubeチャンネルがある。最後にそれを引用して、今回の記事を閉じる。香港系の大紀元というyoutubeチャンネルの一つで、米国の国務長官ブリンケンが高市氏の対中強硬姿勢を高く評価していると言っていると報じている。https://www.youtube.com/watch?v=7-QcdJY9F5s

勿論、信頼できるかどうかは分からない。オリジナル情報を探してはみたが見つからなかったので、そのつもりで視聴してくださればと思う。


補足:

1)なぜ届け順まで抽選で決めるのか? 更に、本当に抽選で決定したのか? 党全体の今後を考えたとき、そして候補者が出揃うこの10日間程のインフルエンサーたちの意見と世論という“風”を読んでの党幹部の独裁的決定ではなかったのか? 我々国民一般は、単に総裁選び劇を見せられているだけではないのか。

重要人物の内、茂木幹事長が最後の届け出となり、その声明文には練られた跡が見られないだけでなく、発表の準備も十分には為されていない。東大とハーバードケネディスクール出身の俊才としては彼の発表はあまりにも貧弱である。自民党議員票の分散を狙っての出馬ではないのか?

2)グローバリストとはユダヤ系金融資本家を中心にした世界帝国の建設を目指した勢力である。近年は、気候変動や人口増加などの地球環境問題を主要武器として、世界政治の支配を目指している。彼らの中心は米国の民主党及び共和党の一部(RINO)を牛耳る金融資本連合やイスラエルロビーとされる。米国と同じくユダヤ系資本に支配された英国、英米の影響下のNATOやAUKUS諸国、それに日本などの米国との軍事同盟にある国を通して、世界中をその勢力範囲としている。それに対抗するのが、聖書の時代から敵対国とされるロシアやアジアや中東の異教徒、アジアの中でロシアに近い国々だろう。これらの国々は、最近BRICSやグローバルサウスの二つのグループにまとめられている。


3)ある方が高市氏の声明文を文字起こししている。そのご努力に感謝する意味もあって、下に引用させていただく。https://shinjukuacc.com/20240910-01/

 

4)習近平政権下で独裁色を強め米国を中心とする西側諸国に批判され続けている。しかし、国家がどのような形態をとるかも国家主権の範囲に入る筈である。その米国の核の圧力の下で、米国と核攻撃と防衛の均衡をとるために、南シナ海を原子力潜水艦を配備する深海として利用する計画を進め、周辺諸国と摩擦を繰り返している。これも世界各国の米国支持派の攻撃の的になっている。

 

5)これは、米国スタンフォード大のフーバー研究所研究員の西鋭夫氏によれば、英国の真似をした英国影響下で日本にクーデター(つまり明治維新)を起こした主に長州の若い人たちの所為である。
その末裔が現在の自民党政府の中心であったのだから、そしてそれを日本国民が日本政府として受け入れていることから、日本国民が相続すべき歴史的責任である。

 

6)元々、北方4島は戦争時にソ連に占領された地域であり、それらの帰属は平和条約で決定すべきことである。ただ、戦後サンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄している関係で、歯舞と色丹島が交渉の焦点となるのが真面な考え方である。その意味で、ロシアの二島返還(ロシア側は譲渡と呼ぶ)での平和条約締結案は、誠意ある提案である。
 

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