2024年11月9日土曜日

トランプは未だ大統領選挙の戦いを継続している:彼の歩む道は非常に険しい

11月5日(米国時間)の大統領選挙でトランプが当選したと報じられているが、彼が大統領に就任するまでの道は未だ平坦ではない。 

 

追補 ジェイソン・モーガン氏は以下の動画の26分あたりから、トランプが1月の大統領就任まで生き残ることができるか心配だと言っている。トランプは、それほど巨大な敵と戦っているのである。https://www.youtube.com/watch?v=vBQyUbRU7KU


これからのスケジュールは以下のようになっている。11月5日に全米で538人選ばれた選挙人が、12月17日に開かれる各州の州議会で承認された場合、彼らにより投票が行われる。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12647034993.html

そして翌年1月6日に上院で大統領選挙結果の承認と選挙人による選挙の結果の集計が行われる。そこで次期大統領が決定される。次期大統領の選定作業はこの時点まで継続する。ここで再度指摘したいのは、今回の選挙で選ばれたのは大統領ではなく、大統領を選ぶ各党が登録した選挙人だということである。

今回、ペンシルバニアで共和党が19人の推薦人を獲得したのだが、原理的には彼らが19人ともトランプに投票するとは限らない。共和党の選挙人がハリスに投票することもあり得る。前回選挙では、最終的には全て承認されたものの、この州でも選挙に異議を申し立てる議員が出た。今回の大統領選挙が歴史的なものなら、選挙人による選挙でも歴史的なことが起こり得る。

繰り返しになるが、今回特に心配されるのは12月の州議会で不誠実な大統領選挙人、つまり自党以外に投票する選挙人が多数出る可能性である。過去不誠実な選挙人は散発的(2016年の選挙では7人)に出たのだが、今回もし組織的に出たならハリスの当選もあり得るのである。https://www.bbc.com/japanese/articles/cy0g8gyqzv2o 

日本のSNSでは、もうトランプ政権が始まったかのような動画配信が目立つ(例えば下の動画;補足1)。上述の不確実性を非現実的な話(つまりそんなことを考えるのは現実的でない)として軽視している。このように、原理に戻って考える文化が無いのが日本の弱点の一つである。(補足2)

 

https://www.youtube.com/watch?v=Yxo_llDrXjI

 

一方米国では当然ながら、前回の大統領選挙の時も選挙人による選挙が注目された。ブルー州として代表的なカリフォルニアで不誠実な選挙人が大量に出た可能性までも考えて、心配した人も居たようだ。https://wired.jp/series/super-election-returns/super-election-returns-31/

米国がこのような制度を採用したのは、国民の熱狂がそのまま大統領選挙に反映しないようにするためだろう。それは、国内の殆どが国民のためを考えることに疑いが無いなら賢明な制度だが、もし国家組織が異邦人に乗っ取られていた場合、国民の多数が冷静な判断として選挙に臨んでもその結果を捻じ曲げる装置となりうるのである。(補足3)

何故そんなことまで心配するのか? それはトランプは伝統的な共和党代表とはかなり異なるからである。共和党員のなかに大勢ネオコン(neo-conservative、新しい保守)が居る。ブッシュ政権は将にネオコン政権であった。選挙人として選ばれた人の多くがネオコンだとしたら、そのようなことが起こり得るのである。

 

ネオコンたちはグローバリストであり、地球上に唯一の権力組織として自分たちの体制建設を目指している。(補足4)トランプの敵は経済で世界を支配する人たちであり、彼は途轍もない強敵と戦っているのである。


トランプは早速次期政権のための人事を行っている。早すぎると考える人がほとんどだろうが、おそらく選挙人による12月中旬の選挙に対し無言の圧力をかける為だろう。つまり、国民の意識を選挙人選挙の日までつなぎ止め、できるなら自分たちの味方を更に増やしつつ選挙人がこっそりと裏切らないように監視するためである。

 

つまりトランプは未だ選挙戦を戦っているのである。新しい体制を発表して今後の政策を述べることは、これまでのグローバリストの支配が如何に米国民の為にはなっていなかったことを強調するためである。

その後様々な困難が予想される。最も心配されるのが、暗殺である。この選挙戦中に起こったことが1月20日の就任式までに起これば、大統領就任に至らない可能性もある。大統領就任後、実際にネオコンの手足を縛る政策を実行する段階になると、尚一層その危険性が高まるだろう。


 

補足:

 

1)トランプらは既に人事を進める一方、”Deep State”撲滅計画を発表しているようだ。まるで革命前夜のような話である。そのようになることに期待しているが、不安も大きい。その不安部分を示すのが、本稿である。

 

2)ここでも原点からの全プロセスを念頭に考える文化が日本に欠けている。それが本ブログで数年間書き続けたことである。日本には哲学がないので、原理的なところから思考するという文化或いは習慣がない。原理的思考の文化があれば、現在の自民党政権は50年前に潰れていたと考えられる。米国の傀儡政権として吉田茂とマッカーサーの間で作られたのだから。


3)日本も異なった形だが間接民主制の国である。この回りくどい政治制度も、国家を乗っ取った人たちに利用されているように思う。例えば何故、1票の格差が2倍以内なら合法なのか? そんな判断をする裁判所は日本国民のための裁判所ではない。1票の格差が可能な限り1.0に近づけることなど当然の筈だ。(これも補足2に書いたことの一例である)

 

4)ロシア革命でレーニンやトロツキーなどのボルシェビキが実権を握ったのだが、レーニンの死後の政争でトロツキー(世界同時革命を目指す派)がスターリン(国内で共産党体制を確立する派)に敗ける。その時、大勢のトロツキー派が米国に逃れた。彼らは、新自由主義を掲げるグローバリストとして、共和党内に進出して新しい保守(neo-conservative)を自称した。(ウイキベディアの新保守主義参照)

(2024/OCT10/20:30に冒頭に追補を入れた)

 


 

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