2014年8月5日火曜日

理研笹井副センター長について(*1)

 理化学研究所笹井氏の自殺を、大きなショックを受けつつ聞いた。この残念な出来事の原因の一つは、理化学研究所がだらだらとこの問題を引きずったことであると思う。この件、ブログに書いた様に、首謀者を処分してさっさと幕を引くべきだった。再実験など意味がない。
http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/06/stap.html
科学研究にはデータを間違って読み、誤った論文を書いてしまうことはあり得る。その場合は、論文を取り下げて、そのテーマにかんしては何もなかったことにすれば、勿論軽率さはマイナス評価の原因になるが、一応研究者としての責任を果たしたことになる。
 再現実験を監視カメラや監視員の存在下で行なうことなど、非常に愚かなことであると思う。
http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/07/blog-post_7.html
拷問にかけて、自分がインチキをやりましたと白状させようとしている様に見える。また、この問題を一年以上引きずることは、主要な共著者にはたいへんな負担になる上、研究所全体の研究能率に大きくマイナスになると思う。
 何よりも大きな損失は、笹井副センター長という日本を代表する知性を、このような形で失ったことであると思う。
 
謹んで、ご冥福をお祈りします。

*1:この件でブログを書くのは、非常につらいことである。しかし、ブログにSTAP問題を書いて来た者として、一言書く責任があると考えここに小文を掲載する次第です。

2 件のコメント:

  1. 全くその通りです。
    取り下げられた論文の実証実験等は,即刻中止すべきと思います。
    いつまでも幕引きを引き延ばしているのは、獲得できたかもしれない多額の予算と,地位を、理研の上層部が、まだ諦めきれないからではないですか。

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  2. K-kazanさんコメント有り難うございます。おそらく、理事長は科学という精神を理解していないか、政治の精神が上塗りされているのかどちらかだと思います。科学は単に哲学を楽しむ社交であって、通常の職業(飯の種)とは少なくとも精神的部分で一線が引かれている筈です。しかし、物理学から、理学一般、工学、医学と学問が下流になるに従って、その精神がうすれていくのではないでしょうか。理事長は、理学の中でも哲学からは感覚的に遠い有機化学が専門なので、仕事として研究をされてきたのではないでしょうか。科学とは、産業の先端のことと思っている一般の方(総理大臣を含め)と、その思想に大差ないでしょう。
     本質論ですが、政治においてスポーツ振興と科学振興に差は本来無い筈です。従って、スポーツで反則退場になったからといって大騒ぎするのは変ですし、科学振興を第三の矢と考えるのも変です。もう少しリラックスして、ドロドロした世界から離れて、国境も文化も越えた秀才どもの遊びの世界という面も、科学を考える時に頭の片隅において欲しいものです。

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