2014年9月30日火曜日

御岳山への登山者に、何故注意情報を与えなかったのか

 御岳山の噴火で多数の死者が出た。御岳山は火山であり、2007年にも噴火している。その10年程前にも水蒸気爆発で怪我人をだしている。2007年の噴火の前に、前兆として火山性地震が多数回あったことが知られている。そして、10日からそれ以来となる多数回の火山性地震が観測されていた

 もし、10日以降にその事実だけでも登山口や山頂近くのロッジに掲示し、気象庁から関係者に通知していれば、このような被害はある程度防げたのではないか。気象庁は噴火予知は出せなくても、注意報は台風でも津波でもだしているのだから、警戒レベルを一段階上がることは出来た筈である。或いは、火山性地震が2007年の噴火以来となる程、多数回観測されているという事実だけを登山口や山小屋などに掲示しても良い。

 兎に角、日本の行政は責任を取らないくせに、ずさんである。最初から仕事をする気がないのか、と疑いたくなる。テレビで、気象庁火山噴火予知連絡会の幹部は、「完全に予知できる訳ではないので、発表できない」という趣旨のことを言って言い訳をしていた。それは全くレベルの低い言い訳である。誰も、完全な予知など期待していない。天気予報でも、台風情報でも、特別警報を含め完全にはほど遠く住民の信頼を得ていないではないか。気象庁は全てのデータを出し、自分達の責任を調査し(或いは第三者委員会を組織して国会が)、責任者を処分するべきである。
 今後、大雨が降った場合、泥流が予想される。その際の被害予想などもシミュレーションして、対策を検討しておくべきだと思う。

追加:
東北に大震災のあった数週間前に、あの地方で大きな地震が近いうち(数ヶ月程度)にあると、テレビで予言した琉球大の地質学者の木村教授は(注1)、御岳山で2010-2016年の間に、噴火が起こると2013年に出版の本に予言していた。木村教授は、”東海地震は起こらない、富士山噴火は起こる”など、大胆と思われる予知を出しておられる。教授の予知は、後だしジャンケンが可能なように含みを持たせたような出し方ではないので、信頼出来ると思う。  ただ、日本と言う国では、昔から権威が実力よりも重視される(注2)ので、地震学者でない木村教授のような方の予言は無視される。 注釈; 1)”たかじんのそこまでいって委員会”だったと記憶している。たしか3ヶ月程度の短い間にという話だったので、司会の辛坊治郎氏が、本当ですか?と何度も念を押していたことを記憶している。 2)全く関係ないですが、明治時代、画壇の長老の黒田清輝に評価されなかった、レオナール藤田を思い出す。近い例では、天皇陛下の心臓手術の際、執刀者は順天堂大の人でも、場所は東大病院でという奇妙なことになった。

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