2015年9月27日日曜日

企業が主役の新しい国家とグローバル政治

安倍総理がスマホなどの携帯の利用料金が高すぎるという発言を行った。その発言を受けて、総務省が年内に対策を立てることになったという。この安倍発言で、携帯3社の株価が急落した。 そして、三社の経営者たちも新しい料金体系を考えるということで、この騒動は決着しそうである。

しかし、自由経済の原則から考えて、首相発言も不思議だが、その意向を受けて料金体系を改める動きに出る携帯3社も不思議である。携帯3社の株価は、安倍発言の直後料金体系見直しの姿勢が出る前に急落したので、市場は首相の発言の段階で携帯運営会社の料金値下げと収益悪化を正しく予見していたことになる。

三社に料金を引き下げたプランが可能なのに、それがないままに棲み分けてきたことは不思議である。従来の見方によれば、携帯3社は互いに競争関係にありながら、何らかの価格協定のような違反行為があったと疑われても仕方ないのではないだろうか。

しかし、それは表には出ることはないだろう。そして同時に、行政も独禁法違反という形ではない新しい介入の仕方があることを主張しているのである。それは日本独特のものなのか、それとも世界的に起こりつつある大きな政治的経済的変化なのだろうか。

最近の日本経済は、韓国のような財閥支配とまでは言えないのかもしれないが、多くの巨大な会社群が牛耳っている。そして、巨大資本は国家行政と密接な関係を持つ。行政府によるトップセールスなどは、企業にとってグローバル経済で生き残る上で非常に大切になっている。

今や、外国への新幹線の売り込みや、外国からの天然ガスなどの資源の獲得など、優秀なセールスができる首長が期待されるようになっている様に見える。それに対する疑問も一向に出ないのも不思議である。

このようなグローバルな国家による市場開拓の情況は、昔の植民地獲得競争とが重なって見える。

先日から米国を訪問している中国の周近平主席も、米国で活発に経済活動を行った。中国のアリババなどの巨大企業の経営者を引き連れて、米国の巨大企業のアップルやマイクロソフトなどのトップと会議を持った。米国企業のトップを“てこの支点”のように用いて米国政府を動かそうとしている様にも見える。つまり、裏から見れば米国の政治を牛耳っているのは、何とか資本だという話は良く聞くのだが、今や国家と巨大企業の密接な関係が当たり前で、真正面からの光景であるかの様である。

以上から、歴史は新しい段階に入っているようである。つまり、国際関係を国民国家という単位で考える時代から、徐々に企業国家という単位で議論する時代である。中国は、帝国から企業国家へと直接向かうようにも見える。

素人の意見ではありますが、馬鹿げた意見と言って無視しないで、出来れば意見・反論等お願いします。

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