2015年9月8日火曜日

基軸通貨について(個人的メモとして)

主要20カ国の財務相・中央銀行総裁会議が閉幕した。http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150905-OYT1T50001.html 話題の中心は中国の経済(今後&透明性確保や構造改革)と米ドルの利上げ時期だった。米ドルの利上げから通貨の弱い新興国への外国の投資が減少し、それをきっかけにそれらの国の不景気が心配されている。一方、これに反対する意見もあるから経済は解り難い。

経済のズブの素人がこの様な問題について十分な考察など出来る筈はないのだが、自分の考えをまとめておきたいので、以下続ける。詳しい方のコメントが貰えれば有り難い。

ここでやはり問題は、米国の利上げである。IMFが心配する様に、米国が純粋に国内問題として、基準金利をあげたり下げたりして、他国が強い影響を受けるのは問題である。

本来なら、米ドル以外に何か良い国際決済通貨を考えるべきだと思う。(補足1)

元々、通貨は多くの場合中央銀行や政府の負債の証書として発行される。従って、現在世界最大の債務国である米国という表現と、米ドルは世界の基軸通貨であるという表現は殆ど等しいと思う。そして、世界経済に必要な巨大な通貨発行量を維持するのは、GDPの世界シェアが相当大きくないと、財政破綻の危険性もあり、かなり難しいだろう。(補足2)。

世界経済が膨張し、米国のGDPの世界シェアは2014年で約22.5%であり、10年前より10%ほど低くなっている。 http://www.nli-research.co.jp/report/econo_letter/2014/we141017us.pdf この徐々に下がる傾向は、反転することが殆ど考えられず、米ドルが基軸通貨としての地位を維持する困難は増加するだろう。(補足3) 

金本位性が崩壊したのも、必要な基軸通貨と金価格をリンクさせれば、金があまりにも高くなり過ぎるからであると思う。(その一方、本当は米国中央銀行の倉庫には金はないという説も裏でささやかれている。 http://tanakanews.com/140120gold.htm

世界各国が未だに外貨準備として金を保有している様に、金の通貨としての役割が未だ残っている。そして、金価値がグラムあたり暴騰すると言う説もあるが、金バブルが再び来るかどうかは全くわからない。(金バブルは来ると言う米国投資家、ジムロジャーズ氏の意見) 金に価値が集中していたのは過去の話であり、現在では価値は多くのものに分散しているからである。

現在の工業的価値や宝飾品としての価値から遥かに高い価値を金に与えるのはやはり無理だろうから、何らかの形で、安定した決済通貨を世界が発明する必要があるのではないだろうか。

補足:
1)もし突然決済通貨が米ドル以外にできれば、米国のドルは急落するかもしれないだろう。
2)債務はドル建てなので、ドルが急に同時期に戻ってくると、急激なインフレが始まり国債は暴落すると思う。
3)米ドルが決済通貨として位置を今後も占めれば、世界経済がより多くの米ドルを必要とするだろう。その場合、米国が赤字を嫌って、通貨供給量を減らせば米ドルが高くなり、米国経済も世界経済も正常にまわらなくなる。

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