2016年5月10日火曜日

オバマ大統領が広島訪問して何か意味のある発言できるのか?

オバマ大統領のスタンドプレイに付き合うのは辟易だ

1)核兵器の無い世界を目指すと発言してノーベル平和賞をもらったオバマ米国大統領が、伊勢志摩サミット後に広島を訪問することになったようだ。それをNHKニュースウオッチ9(5/11/21:00)では歴史的ニュースと報じたが、それにどれだけの意味があるのか全く疑問である。米国一国だけを対象に、しかもその国家の最高指導者であるオバマ大統領が言った「銃規制を強化する」という理想論の末路を考えれば、その発言の軽さがわかる。 http://www.bbc.com/japanese/35239828

広島や長崎を訪問する前に、米国大統領にはこれらの原爆投下に関して確認することがあるはずだ。米国が核兵器を使ったことは、国際法というのが存在するとすれば、明確にそれに違反している。民間人を無差別大量虐殺したからである。米国大統領としてそれを認め、日本と国際社会に謝罪をしない(補足1)で、広島や長崎を訪問しても何にもならない。「原爆投下に対する謝罪を意味しない」という言葉は、悲惨な光景の単なる見物にしかすぎないと言うに等しい。

広島で、「原爆投下された広島の悲惨な状況を目にして、核の無い世界を実現しなければならないという思いを一層強くした」とでもいうのか。このような”第三者的口先だけの理想論”を、世界の覇権国の最高指導者たる米国大統領には言って欲しくない。また、「広島が原爆で攻撃された」と受動態で発言できるのは、米国以外の国であることを忘れてもらいたくない。米国大統領なら、能動態で言わなければならない。「我が国が広島に投下した原爆」と、はっきりと言って、その後に意味のある発言をしてもらいたい。それなら、広島を訪問する資格がある。オバマ大統領にその覚悟などあるまい。

2)G7外相会議での広島宣言と米国国務長官の広島訪問の際に、この件は議論した。 http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42726855.html http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/04/blog-post_66.html そこに、「核廃絶などできるわけがない。格兵器廃絶を口に出するのなら、多数の核兵器を保持している米国、ロシア、中国などが集まり、明確に廃絶プログラムを示して実行に移ってから出すべきだ」と書いた。(補足2)

日本の隣国である中国は、核大国である。その中国の朱成虎少将は、核兵器で世界人口を減少させると、平気で言える人間である。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B1%E6%88%90%E8%99%8E  毛沢東も人の命を軽視する発言を多くしているし、実際に大躍進運動や文化大革命で数千万人という自国民を殺したと言われている。中国の政治文化は、大国の中で国際法の精神から最も遠い国だろう。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42782961.html

その核大国の核兵器にたいして、日本がどう対処すれば良いのか? 広島を訪問するからには、日本の中国からの核兵器の脅威にたいして、どう対処するか言ってもらいたいものだ。もし、何も言え無いのなら、或いは「米国との安保条約があるではないか」というだけなら、それは「世界から核兵器をなくすべきだ」と同じレベルの理想論にすぎないと日本人の多くは思うだろう。きれいごとや理想論だけをいうのなら、私は米国大統領には日本の聖地である広島と長崎に行って欲しく無い。

元ウクライナ大使の馬渕睦夫氏がどこか(多分youtubeだったと思う)で言ったように、近い未来は新しい中世であるのなら、近代の論理(第一次大戦後の)に拘泥していては、日本の将来はないだろう。米国のオバマ大統領の外交顧問であるあの著名なブレジンスキー氏の著作や言葉を、オバマ大統領十分知っているはずである。プレ人スキーは日本を「ひ弱な花」と言ったのは、自国の防衛が自国では全く出来ない現在の日本の状況を形容したものである。

更に、ブレジンスキー氏は「多くの人が政治に関心を持つようになり、100万人の人を説得するよりも、その100万人を殺す方が簡単だ」といった冷酷な現実主義者である。https://www.youtube.com/watch?v=Gc9rsvBIh9U また、遠くない過去にブレジンスキー氏は韓国の核武装の可能性を指摘している。http://japanese.donga.com/List/3/all/27/416478/1 この新しい国際環境の時代に、ブレジンスキー氏の様な現実主義者を顧問に持つオバマ大統領が、再び日本の聖地というべき広島で空疎な理想論を吐くことは、日本敵視政策であると私は思う。

補足:
1)国際法が出来てそれが育つということは、世界の国々が国際的な共同体を意識し、国際的な価値基準を持つことになる。それは、国際紛争解決の基準を与え、それは必然的に、相手国の考えが互いに読めることになり、国際紛争を防ぐことになる。 原爆投下は、国際法を明確に無視したため、このような国際秩序の芽生えを破壊した。
2)核兵器でも何でも、拡散は物理現象であり、それに歯止めをかけるのには相当のエネルギーを要する。世界政府が出来、常備軍を持てば話は別である。その萌芽的機関として国連はあるが、未だに第二次大戦の戦勝国連合にすぎない。せめて、国連憲章を改めて、世界政府的に改革をしてみたらどうか? それも出来ないなら、オバマ大統領の広島訪問のどこが歴史的ニュースなのだ。
(5/11/7:00編集)

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