2016年10月25日火曜日

日露関係改善が日本を救う可能性が高い:日ソ交渉に対する佐藤優氏の訳のわからない危惧

1)佐藤優氏は、最近ラジオ番組で「ロシアの日本接近の本当の目的は、シベリア開発などへの日本の協力という経済目的ではなく、米国と日本の間に楔を打ち込むことだ」と主張している。https://www.youtube.com/watch?v=CDu2WFd5avk

佐藤氏は米国の立場にたち、日露の経済協力がロシアが強大化する切っ掛けとなることを警戒しているのかもしれない。しかし、将来において米国のもっとも手強い敵となりうるのは、むしろ中国だろう。ロシアとはシリアなどで敵対しているが、経済規模などを考えると将来の脅威は中国ほどではないと思う。フィリピンなどが米国から距離をとりつつあるので、東アジアの足場としての日本の価値は米国にとって高く、日露の協力関係は、日本の利用価値を損ねることを警戒している可能性もある。 

ロシアがシベリア開発などを進めて、大きな経済力を手に入れれば、中国と並ぶ敵対国になる可能性はある。しかし、中国の封じ込めにロシアが使えると日本は考えているが、米国は考えていないのだろう。従って、限られた範囲でなら良いが広範囲の日ソ協力は米国にとって好ましくないとの危惧が、米国で大きく成りつつあるのかもしれない。

  米国に支配されてき日本は、「北方4島は固有の領土」という考えを刷り込まれてきた。それは米国が日本とロシアの間に楔を打ち込む為に行った日本国民の洗脳政策の一つだろう。何故なら、サンフランシスコ条約で千島を放棄したことは、逆戻りできない歴史的事実であり、国後と択捉は千島に含まれないというのは地理学的にみて屁理屈にしか思えないからである。 

つまり、佐藤優氏はロシアの経済力を強くするかもしれない日ソの接近を妨害する為に、そのような発言をしている様に感じる。それは中国という最大の脅威にどう対峙するかを考えている日本の利益を無視している。日本が真の独立国になるという考えを顧みず、米国と日本の間に隙間を作ってはいけないという考えを主張するのは、元外務省の佐藤優氏と宮家邦彦氏の一貫した態度だと思う。

2)一方、米国と日本の間にはずっと大きな隙間があったという考えが、孫崎享氏や馬淵睦夫氏らの考えである。米国の占領政策やその後の日本の政治的弱体化が、日本の国益を害してきたのは明らかだからである。

その米国の対日工作を陰謀と呼ぶ人もいるのは、対米従属派が長期政権を実現し、その反対に独立志向の強い政治家はどういうわけか死亡するか失脚するかして、政治の舞台から短時間で消えたことを説明するのが困難だからである。

陰謀が暴かれてしまえば、陰謀とはいわない。陰謀が暴かれていない(日本の検察にはそれを暴く熱意はないので、根拠が公にされない)から陰謀などないというのが、佐藤氏や宮家氏の姿勢である。国民は、どちらが正しいのかよく考えるべきだと思う。この件については、以前ブログに書いたので引用しておく。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42023202.html

3)話を元にもどす。ロシアはシベリアを日本と手を組むことで経済発展させて、中国の脅威に対峙するのが戦略だというのが、戦略家として有名で最近安倍総理が面会したエドワード・ルトワック氏の考えだったと思う。その点についてネットでは上念司氏が解説している。その方が説得力あると思う。 https://www.youtube.com/watch?v=k1YGSvIPHN4

つまり、ロシアにとって中国こそ最大の潜在的脅威である。上念氏の発言だったと思うが、ロシアがシベリアを失ったらポーランド2個分くらいの国になってしまうという。そんな国にロシアを弱体化できるのが、中ソ国境に膨大な人口を持つ中国だというのである。

その対中国対策を長期的視野に立って考えたなら、日本と北方領土問題を解決して経済協力を進めるべきであるとの結論に至るのは、プーチン大統領でなくても自然なことではないだろうか。

日本にとっても、南シナ海を中国が抑えたあとは、中東からのエネルギー輸送路が絶たれる可能性がある。それにも拘らず、米国は岩礁に軍事基地を建設する中国を見て見ぬ振りをした。

その後の「航行の自由作戦」なんて、オバマ大統領と習近平主席が申し合わせて行った茶番かもしれない。フィリピンのルテルテ大統領がオバマ大統領をソノバビッチと呼んだのは、中国接近止む無しと決断した時の叫び声だろう。

日ソの協力は日米関係同様に、日本の今後に非常に大事だと思う。相対的には多少変化しても、両方を実現するのが政治家の役目だと私は思う。

==== 以上は素人の考えですので、誤解などあると思われたなら、是非コメントを書いてください。====

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