2017年5月18日木曜日

朝鮮問題を解決する第一歩は、米国が踏み出す義務を持つ

北朝鮮情勢の雲行きが怪しくなってきた。北朝鮮は、ICBMに一歩近づくミサイル実験をAIIBの会議が始まった時に行い、習近平の怒りを買ったということである。この北朝鮮問題だが、日本のマスコミではこれが朝鮮戦争の延長上にあることから議論をスタートすることが少ない。それは真実を報道したくないという明確な意思があるとしか思えない。つまり、マスコミはマスゴミというより国民の洗脳機関である。

朝鮮戦争の休戦協定への署名は国連軍つまり米軍、中国軍、そして北朝鮮軍のそれぞれ最高司令官の間で、1953年7月27日にされた。休戦協定であるから、「最終的な平和解決が成立するまで朝鮮における戦争行為とあらゆる武力行使の完全な停止を保証する」と規定している。しかし、「最終的な平和解決」(平和条約)は未だ成立していない。ウイキペディア参照

休戦協定の第IV条には、“平和的に朝鮮問題の解決のために、この協定が発効したのち3ヶ月以内に、関係国政府代表によるより高いレベルで、朝鮮からの外国軍の撤退などの問題解決のための協議の開始を勧告する”と書かれている。http://news.findlaw.com/cnn/docs/korea/kwarmagr072753.html

1954年4月に開かれたジュネーブでの政治会談は外国軍撤退問題で成果なく破局した。米国は休戦協定後の1953年10月に米韓相互防衛条約をむすんで、今日まで米軍が韓国に駐留している(補足1)。一方、中国は1958年10月に全軍の撤退を完了している。

また、休戦協定第二条(13節)には、損傷した装備の再配備以外には新しい武器は持ち込まないと規定されているが、アメリカはその協定を無視して、ミサイルや核兵器を持ち込み、北朝鮮代表団に、その協定を無視すると表明した。

国連安全保障理事会(1996)は、休戦協定は有効だと言いながら、現場の国連軍の名をもつ米軍は上記のように休戦協定を無視している。 https://history.state.gov/historicaldocuments/frus1955-57v23p2/d240 更に、米韓両軍の大規模演習は北進を前提としており、その開催ごとに北朝鮮側は休戦協定に束縛されないと表明している。

以上のプロセスを見ると、朝鮮戦争を終結する平和協議の第一歩は米国と韓国によりなされるべきことは明確である。日本のマスコミの報道は全く偏向している。

補足:
1)休戦協定の3ヶ月以内に政府間の話し合いを開始するのではなく、休戦協定の規定とは全く逆の行動、今後も朝鮮半島に居座るという根拠を米国は創ったのである。

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