2019年7月3日水曜日

(再)潘基文(パン・ギムン)による国連事務総長時代の日本批判について

以下は、古い記事から比較的閲覧があったものの再録です。グーグルブログの検索機能が及ばないので、自分で読み返すためにここに再録します。(2013年9月1日投稿)

潘国連事務総長は、「日本のリーダーには(歴史問題に関して)深い省察と、未来へのビジョンが必要だ」(http://www.j-cast.com/2013/08/29182501.html)と韓国で帰省中に発言したということである。これは、明らかに国連事務総長という立場を忘れた発言であり、潘氏のその地位への適性が問われるべきである。

 安倍総理は、しかしながら、「歴史の問題については専門家の議論に任せていくというのが安倍政権の基本的な方針だ」という逃げの姿勢を貫いており、官房長官も潘事務総長の中途半端な訂正発言を有り難く頂戴して、早々に矛を収めてしまった。国連事務総長に、あなたの仰る「未来のビジョンとは何ですか?」「ひょっとして、日本が中国や韓国のプロパガンダ的歴史認識をそのまま認めることですか?」と強く問いただす機会であったのに、それを逸した内閣の無能さにはあきれる。これでは、「詳しく調査すれば、事務総長の言ったことが正しいということが解る」ということを認めたことになるが、それで良いのか?中途半端な和は問題をもっと深刻な形で将来に送ることになることが未だに解らないのか。(注1)

 彼ら内閣の政治家と比較して、橋下氏は明確な立場をとっている。例えば、「当事国を含めた国際的調査団を組織し、例えば、当時の日本国家が朝鮮半島の女性を強制連行して、所謂“従軍慰安婦”としたとの証拠が得られたのなら、日韓の講和条約とは別に、公的な謝罪と当事者への補償をすべきである」である。私は、この様な方向が、日韓の歴史問題、日中の歴史問題の未来志向な解決策であると思う。この際、潘国連事務総長に、東アジア歴史問題調査団を、西欧諸国やアジア諸国の中立的立場をとりうる当時の政治家や歴史家を中心に組織し、詳細に調査研究することにより、東アジアの近代歴史の確定を行うよう提案したら良かったと思う。

 ここで一つ追加したいのは、日本のマスコミのレベルの低さである。先日日本維新の会の政党パーティーが開催され、橋下氏が憲法問題などについて演説したとのことである。しかし、日本の全てのマスコミは取材しなかった。その理由は、明らかにしないか、政党パーティー券購入することは特定の政党支持につながる、という下らない理由である。何らかの協定を水面下で行ったのかと疑う。パーティー券15000円が、特定の政党支援につながるというのは、東証一部上場の企業の台詞ですか?取材費に計上して、日本維新の会の主張を橋下氏の演説から汲み取り、疑問点があれば質問を堂々とする良い機会だったと思う。どうせ、Ohさんレベルの解説委員を使っている会社なので、そこから選りすぐりを派遣しても、かえり撃ち質問が怖かっただけだろう。(注2)

注釈:
1)「歴史的事象に関する評価は、当時の感覚を取り入れて行わなければならない。」というのは、部分的に正しいと思う。政治家は、歴史書はどのように書かれて行くかをもっと研究すべきであると思う。つまり、政治をリアルタイムで進めて行くために、一定の時間内に歴史の評価を一旦暫定的に決めるのは政治家の仕事であると思う。その後、現実の政治とその歴史的事象が深く拘らない時代になって、詳細に歴史を確定するのが歴史学者の役割である。つまり、先の大戦の歴史は、未だ、現代政治に影響を持つ、政治家が関与すべき段階であるので、歴史家に任せるという発言は、”単に逃げている”ととられても反論できない。
注2) 「たかじんNO マネー」の番組で、水道橋博士の番組降板で話題になったシーン直後の、大谷氏と橋下氏の議論が非常に印象的だった。強制連行があったとして、その際の慰安婦の方に補償をすべきだと思いますか?「YESですかNOですか」という質問を何回も繰り返す橋下氏に、Oh氏はYESともNOとも答えられなかった。
ーーこれは元理系研究者の素人としての意見ですので、専門に近い人の厳しい批判をお願いします。ーーーー

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