2020年4月11日土曜日

新型コロナ肺炎: 本庶佑氏の提案と機動力のない日本政府

今朝の辛坊治郎氏の司会するニュースバラエティ番組のウェイクアッププラスで、新型コロナ肺炎の対策についての話があった。ゲストは吉村大阪府知事とノーベル賞受賞者の京大特別教授の本庶佑氏であった。その中で、本庶氏は3つの提案を行った。それらは、①PCR検査の大幅増と病院の治療対策の拡充、②治療薬の開発と既に候補としてあがっている既存薬の早期投与、③1ヶ月の大都市の外出自粛、だったと思う。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57710820W0A400C2I00000/

 

1)検査数と治療室数を増加させるべき

 

本庶氏の提案の中で、①は最も大事な項目だろう。本庶氏は、実際の感染者数はおそらく桁が違うだろうと言っている。つまり、数万人位の感染者数を想定しての発言だろう。その証拠として、東京の新規感染確認者数の記録更新とともに、既に感染者と確認された人たちと無関係な人の割合が増加していることである。

 

上の図は、昨日までのPCR検査陽性者数(上)とPCR検査数(下)である。この4日ほど、検査数を大幅に減少させているにも関わらず、陽性者数が増加していることに注目して欲しい。これが何よりも患者数急増の事実と、実際の感染者数と検出数の割合が相当大きいことを示している。おそらく、現在でも4万人程度の感染者数を予想する。

 

別のテレビ番組「正義の味方」(テレビ朝日系)では、抗体検査を取り入れるべきだという意見を、元厚労省の官僚の方が言っていた。抗体検査は15分位で可能であるので、そのキットの入手などの対策をとるべきである。

 

イギリスでは、新型コロナ肺炎のガンマグロブリン(補足1)保持者に「免疫成立証明書」を発行し、免疫のついた人から優先的に封鎖から復帰していくことを表明している。https://news.yahoo.co.jp/byline/onomasahiro/20200405-00171520/

 

この迅速検査キットは、中国や韓国では一部承認されているようで、この点でも日本は発展途上国になっている。日本でもその研究開発は進んでいるのだが、政府幹部に基礎的知識が不足した無能者が揃っているため、下からの意見にただウロウロしているだけなのだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57933210Q0A410C2L01000/

 

保健所がPCR検査をためらっているのは、病院に人工呼吸器(Ventilator)、人工肺(ELMO)を置いたICUがあまり無いこと、それを至急拡充する政治が無いことが原因だろう。(補足2)

 

2)治療薬について:

 

治療薬だが、日本ではアビガンが最右翼として、安倍総理の言葉の中にも屡々でている。本庶氏の話の中にも、発病初期のアビガンの投与と重症重体期のアクテムラを用いるという提案があった。アビガンは、ウイルスのRNAを作る酵素を阻害する薬であり、アクテムラは炎症に関与するサイトカインの働きを抑えるようだ。

 

アビガンには重い副作用があり、使えない場合も多いだろう。その際、同様の機能を要する薬ハイドロキシクロロキンが外国で注目されている。これは現在でも、全身性エリテマトーデスの薬として、用いられている。副作用も網膜に現れる危険性があるので、眼科医と連携して用いれば、比較的安全なようである。これは既に1ヶ月前にブログに紹介した。

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/03/blog-post_63.html

 

不思議なことに、日本の報道機関では一切言及されない。まるで、禁句となっているようである。つまり、日本政府は未だに、関係を樹立している富山化学(富士フィルムが2008年に買収)との「人間関係」に囚われているのだろう。日本病の一つがここにも現れている。

 

このハイドロキシクロロキンについては、藤井厳喜氏も最近のYoutube動画で紹介している。https://www.youtube.com/watch?v=7IH77xF4oY4

 

日本は、この新型コロナ肺炎で大きな犠牲を出し、それを教訓として、政治体制の大変革ができれば、災い転じて福と為すことが可能である。それには、現体制の破壊と地方分権の実現が大切だろう。

この他、経済危機に対する対応が大事だが、それについては、できれば別に書いてみるつもりである。

 

補足:

 

1)抗体とは血液中の免疫グロブリン(概ね球状の形のタンパク質)には、IgMとIgGなど数種類ある。感染症に罹った場合、最初にできるのがIgMであり、その後本格的に出来るのがIgGだと辞書には書かれている。

 

2)人工呼吸器特にエルモの操作には、特別の訓練が必要である。その人材養成には一定の時間を要する。しかし、基礎的知識を持つ人は相当多い(医学部の看護学科卒業生)ので、講習と免許の制度を作れば、1−2ヶ月で整備できるだろう。

 

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