2020年4月3日金曜日

新型コロナ肺炎: 中国の情報隠蔽に関する米国の怒り

1)中国による新型コロナ肺炎に関するプロパガンダから歴史捏造:その概観

 

及川幸久氏の4月2日のブログ動画は、今回の新型コロナ肺炎に関する中国の情報隠蔽および歴史改竄の企みについて話である。中国が行っているのは、「中国はCOVID-19との戦いにいち早く勝利し、今ではそれに苦しむ諸外国を助ける英雄的活動を行っている」というプロパガンダである。(補足1)今日はこのブログ動画の内容を、米国の記事に私自身の意見も引用しながら紹介したい。

https://www.youtube.com/watch?v=HlOVNAl8lzE

 

元々、COVID-19が中国武漢で発生し広がったとき、この原因ウイルスSARS-CoV-2が、過失により中国にあるバイオセーフティーレベル(BSL)4の研究所から漏れた疑いが持たれていた。つまり、実験動物を所員が食料として横流しにしたという疑いである。

 

このCOVID-19の武漢での流行を、中国は最初隠蔽しようとした。眼科医の李文亮医師が、未知の肺炎が広がっているという証拠を掴み、医師間でそれを共有しようとした。しかし州政府は、文医師を拘束してその情報伝播を防止した。更にその後、米国が、調査団を武漢に派遣して調査に協力すると提案したが、それを拒否した。WHOの調査員も入国を認めたものの、武漢へ向かうことはなかなか許可しなかった。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/02/who-12.php

 

2020年3月5日、中国政府は李文亮医師をその死後「新型肺炎の抑制に模範的な役割を果たした」として表彰したというから、呆れて物が言えない位だ。(ウィキペディア参照)武漢地方政府の責任にして、中央政府から習近平の腹心を送り込んだ後のことである。所謂トカゲのしっぽ切であり、これが隠蔽から改ざんへの軌道修正の最初だろう。

 

感染者数や死亡者数の誤魔化しは、最初から話題になっていた。特に、中国系の人たち、例えば日本では鳴霞さんら、が発信しておられた。大量の遺体袋の発注があったとか、焼き場の煙で、武漢市の空気がひろく汚染されているという類の情報である。

 

2)中国による新型コロナ肺炎に関するプロパガンダから歴史捏造:その証拠

 

及川氏が最初に紹介しているのが、VICE NEWS の記事である。(補足2)その表題は、「コロナウイルス世界流行の歴史を、自身を英雄として改竄する中国の手法」である。

 

イタリアなど世界に医師団を派遣するなどして、そのための活動をしている。その嘘を暴くという内容である。

 

その最初の紹介は、米国Bloomburgの4月1日の記事において(情報元:米国情報当局の機密レポートのリーク)、中国はコロナ肺炎の感染者数と死者数の過小報告をしているという内容である。

これは既に引用のサイトで書いてきた“政界の常識”である。それは中国だけでなく、イラン、ロシア、北朝鮮、インドネシアの名を挙げている。(この件、以下にも書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12584885626.html

何れにしても、上のテーブルから、中国のデータ捏造は明らかである。(補足3、4)

 

及川氏は次にその死亡者数の過小報告の証拠の一つに、TweakTownという技術系の情報サイトから、この数ヶ月間で中国のスマホ解約が2100万件あったという話を取り上げている。

 

同じ内容の記事が、Bloombergにもあったので、そちらを引用する。表題:「China’s Mobile Carriers Lose 21 Million Users as Virus Bites」その始めの部分の一部翻訳:

 

中国の複数のワイヤレス通信事業者は、コロナウイルスの危機により事業活動が縮小した結果、ユーザー数の純減少を報告している。一例:世界最大の通信事業者であるChina Mobileのウェブサイトによれば、1月から2月で800万の契約者の純減があり、それは2000年にリポート開始以降初めてのことである。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-03-23/china-s-mobile-carriers-lose-15-million-users-as-virus-bites

 

この件が事実だとしても、それは貧困化のためなのか、死亡したからなのかはわからない。中国の困難な状況を示すことは確かだが、上記データ捏造の証拠としては不十分だろう。

 

米国の政治家、ポンペオ国務長官だけでなく多くの政治家は激怒している。例えば、マイケル・マコール米下院議員は、「史上最悪の情報隠蔽」だとして、中国を批判している。

 

3)日本は現中国政府の体質を考えて外交すべき、その他:

 

中国が震源地となった人類の災害を、中国政府はその発生から終結まで、本まで書いて(補足5)、隠蔽と歴史捏造をやっている。これを日本の政治家は何も批判していない。この中国政府の本質を、外交の基礎情報とすべきなのだが、それが出来るほどの能力が外務省官僚にも、政府与党にも全くない。

 

また、日本政府は、この新型コロナ肺炎を指定感染症にしたものの、病院のベッド数の確保や人工呼吸器の製造促進と買取などの必要な行政を行ってこなかった。そのため、医療崩壊を防ぐという意味もあり、感染の疑いが濃い患者についても、医者の依頼があっても、検査を拒否してきた。

 

それが、米国の一番嫌いな「情報隠蔽、cover-up」に見えるだろう。その結果、恐らく日本の安倍政権はトランプ政権における評価は最悪だろう。その現実を日本の多くの政治家や政治評論家は知らない。真理の隠蔽は、政治や社会の表舞台では人類の恥であるというのが、西欧の文化である。

 

我々は虚飾を共有して生きている。その事実を心の中深くで自覚している。その虚飾の部分は、文化という名で呼ばれる。それは、虚飾であっても、大きな力を持っている。それを共有できるのが、仲間である。米国にとって中国は仲間ではない。韓国文在寅政権は米国の仲間の席を予約できたようだ。しかし、日本の安倍政権はあやしい。それが現在の米国の本音だろう。(補足6)

 

最後の空気感染の話(12:30〜)は、既にエアロゾル感染として中国も指摘し、私のブログでも紹介している。ただ、その可能性はあっても主な感染ルートではないだろう。人が集まる場所では、自分と他人のためにマスクをし、そのマスクの取り扱いには十分注意すること、(補足7)手洗いとタオルの交換、手で顔を触らないこと、などの注意が一番大事だろう。

 

 

補足:

 

1)この中国による歴史改ざんについては、既に、妙彿DEEPMAXのブログ動画の紹介からスタートして、私の推理を含めここで書いている。(a) 及川氏のブログ動画(youtube上)でも、中国のセルビアへの援助等について既に紹介されている。

また、死亡数等のデータ捏造については、3月27日の記事で、世界のデータ(米国ジョーンホプキンス大のデータ)を解析した結果とともに書いている。(b)

a) https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12585456096.html

b) https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12585094598.html

 

2)Vice Newsは初めて聞くメディアだが、ウィキペディアによると、2015年にニューヨーク・タイムズの副編集長を編集長に迎えたこと、2016年に英国The Guardian と連携するなどから考えて、情報はたしかだろう。

 

3)この部分(5:30〜)では興味ある複数のことが話されている。

 

一つは、米国の中枢は、役割分担をうまくやっていること。トランプ大統領は、この死亡者数の捏造に関して、事実を確認していないというだけで、中国に貿易の方で米国との約束を思い出させるような内容の話をしているようである。その代わり、副大統領と国務長官が激しくこのCovid-19に関する中国の責任を追求している。

 

特に、日本国民として注目すべきは、米国大統領はこの件で、毎日記者会見をしているという話である。恐らく、主な全ての記者の質問に自分の言葉で具体的に答えているだろう。日本に無い民主主義の姿である。

 

4)この部分(5:30〜)の続き

 

及川氏が、イタリアやスペインの死亡率と米国の死亡率の違いについて、異なるウイルスかもしれないと言っているが、私は、感染症の始まりから終結までの段階の差、及び、医療崩壊のレベルの差、などによると考えている。

 

5)吉田清治の従軍慰安婦の本は、歴史捏造とその政治利用という点で、大きな役割を果たした。また、世界最古の歴史書である史記以来、中国の支配者は歴史を作り上げることで、自分の支配者としての正当性を主張してきた。

 

6)この部分は、誤解を受けそうだがあえて書いた。トランプが、「習近平は友達だ」というのもその虚飾の一端である。また、「紳士は淑女を前に欲情など持つ筈がない」という、紳士と淑女の文化も虚飾である。善と悪も虚飾である。しかし、我々はその虚飾を共有することで、社会を作り生きているのである。その虚飾の構造が著しく異なる国とは、一緒に生きていけない。それがデカップリングだろう。世界は滅びるか、デカップリングの時代に入る。日本はどちら側に入るのか?

 

7)私はマスクが足りないのなら、それを殺菌処理して、再利用すべきだと考えている。布製なら洗濯が一番である。紙製のものは、紫外線照射やオゾン殺菌が良いと思うが、何れもある程度の知識がないと危険である。他にも二酸化塩素(ClO2)も非常に殺菌力があるだろうが、安全性については、オゾン以上に問題があるだろう。

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