2021年6月22日火曜日

抗体カクテル療法とヒドロキシクロロキン中心の3種薬混合療法:遅れる日本の法整備

追加情報: 富山大がδ株(インド型変異株)やε株(米カリフォルニア)にも効果のあるスーパー抗体を作ることに成功したと発表しました。

https://www.u-toyama.ac.jp/wp/wp-content/uploads/20210616.pdf

尚、これらの変異株は、日本人の6割が持つ白血球のタイプHLA-A24(これまでの新型コロナウイルスは認識する)の認識を逃れることを東大のグループが見出し、それらの日本での流行に対する警鐘を鳴らしています。

 

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新型コロナの予防のため、ワクチン接種が国策として採用されている。その一方、治療法については明確な指針が無かった。日本政府はワクチンの接種に集中するため、治療法として有望な薬品を承認してこなかった可能性が高い。

 

日経新聞の記事によれば、米ファイザー製のワクチンには薬機法14条に定める特例承認を適用した。その条項には、「緊急時にそのワクチンを使用するほかに適切な方法がなく、海外で実績があるなどの条件を満たせば手続きを簡略にする」と書かれているようだ。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE270E40X20C21A4000000/?unlock=1

 

これまで有望な治療法として、ヒドロキシクロロキン、或いはイベルメクチンを中心とした3種類程度の薬品の混合物投与があった。それを緊急承認しようとしなかったのは、上記の法的な問題があったからだろうと、及川幸久氏がyoutubeで語っている。つまり、ヒドロキシクロロキン療法を承認すれば、他に適切な方法が発生し、ファイザーやモデルナのワクチンを承認した根拠が揺らぐのである。

 

及川氏が上記動画で紹介したのは、モノクローラル抗体(補足1)のカクテル療法である。これも同様の理由で、その緊急承認は進まないだろう。

 

 

この問題は、恐らく来年には「期限付き承認」という制度が法制化されるだろうと、上に引用の日経新聞に書かれている。国会は閉会しており、法改正は次回の国会を待たなければ審議されないので、この抗体カクテル療法も、それまでは使用されないだろう。(補足2)

 

2)抗体カクテル療法

 

この方法は、新型コロナに感染したトランプ大統領が治療に用いた。2−3日後には退院して、トランプさんの生命力に感心したのだが、その裏にこの方法があったようだ。日本の中外製薬が今年3月に臨床試験を開始しており、今年中に申請する予定であるとある報道に書かれている。https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=71071

 

抗体カクテル療法とは、SARS-CoV2(以下コロナウイルス)のスパイク蛋白の異なる部位に結合する複数のモノクローナル抗体の混合液を注射する方法である。例えば、米国リジェネロン社(Regeneron Pharmaceuticals)は、casirivimabimdevimabという名称のモノクローナル抗体を開発し、混合して用いる。抗体カクテルには、別の会社が作ったbamlanivimabetesevimabという組み合せも存在する。両方とも米国で緊急承認されている。

 

前者(casirivimabimdevimab)のカクテル療法は、ロシュ社が製造、開発、販売について共同で実施しており、日本では中外製薬が国内での開発権、今後の独占的販売権を202012月にロシュ社から取得している。

 

3)ヒドロキシクロロキンのカクテル療法など

 

ヒドロキシクロロキン(マラリヤ、リウマチの治療薬)、亜鉛イオン(硫酸亜鉛)、アジスロマイシン(抗生剤)の混合薬は、米国の臨床医ウラジミール・ゼレンコ(Vladimir Zelenko)が新型コロナの治療に用いて、高い実績を残していることで知られている。https://en.wikipedia.org/wiki/Vladimir_Zelenko (補足3)

 

ヒドロキシクロロキンを中心とするこの療法も、超有名医学誌のLANCETの否定的なインチキ論文が契機となり、米国FDAから承認を取り消されたようだ。その後、最近になって、インチキがバレたようで、その論文は取り下げられた。https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6/fulltext (補足4)

 

先日紹介したイベルメクチンも有効な治療薬として注目された。この場合、米国のある医師を中心にした国際的な医師グループであるFLCCCfront line covid-19 critical care alliance)が、多くの使用の結果を分析し、公表してきた。これも著名な米国の医学誌JAMAにその効果を否定する論文が出され、普及にブレーキがかかっている。これについては6月13日の記事に書いた。

 

米国には真実が安心して座る席がないようだ。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12680342935.html それは今に始まったことではなく、大昔からのことである。米国に何者かにより金儲け最優先と主権国家体制の破壊、つまりグローバリズム、の文化が移植されたことは、今や公然の秘密である。既に何度も書いてきたので、このことはもう書かない。

 (15時35分、第3節のレムデシベル=>イベルメクチン)

 

補足:

 

1)モノクローナル抗体は、抗体産生する単一のB細胞を多発性骨髄腫の細胞(ミエローマ細胞)と融合させ、培養してつくる抗体。ミエローマ細胞は、無限に増殖可能な性質をB細胞に与えるために利用される。詳しくは抗体カクテル療法を日本で取り扱う中外製薬のHPを参照。https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/antibody/antibodyp12.html

 

2)日本は厳密には法治国家ではない。イザとなれば、なし崩し的に法解釈を変えることさえできるので、その手法を用いて今年中には使用可能となるだろう。

 

3)この療法を用いた高い治療実績により、ウラジミール・ゼレンコ氏をノーベル賞候補と考える人も多いようだ。及川氏は、「トランプは反対!世界で始まったワクチン子供接種」という動画の後ろの方でそのことを紹介している。https://www.youtube.com/watch?v=se9YoBqb5_g

因みに、ヒドロキシクロロキンはこのブログでも昨年の3月に紹介している。中国や韓国では広く用いられてきた。

 

 

 

4)この療法も、トランプ前大統領が推薦したことで、米国と世界中での使用が妨害されたと私は考えている。既に特許が切れたヒドロキシクロロキンなどを利用しても、製薬会社にはお金が入らない上、そのバックに隠然と存在する金融資本家が敵対視するトランプの推薦であれば尚更である。

 

 

 

 

 

 

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