2021年6月9日水曜日

米国は、中国を一昔前の体制に戻すことを狙っているのだろうか?

1)台湾での新型コロナ流行をめぐる目まぐるしい米中戦争とその中に組み込まれた日本

 

台湾で515日頃から急激に新型コロナが流行しだした。(補足1)この突然の流行を使って、中国習近平政権は台湾の親中勢力と協力して、蔡英文総統の失脚を狙った可能性がある。そのために、習近平政権は中国経由以外のルートで台湾がワクチンを入手することを妨害した。

 

つまり、台湾民衆の命を優先しない蔡英文の代わりに、親中派に政権移譲させ中国からワクチンを入手して貰うべきと言う動きが起こるように仕掛けたのである。実際、最大野党である国民党の元主席・洪秀柱は5月中旬以降の急激な流行拡大の際、ビデオメッセージを発し「東日本大震災の際に台湾は日本に200億円以上の義援金を贈った。民進党蔡英文政権は今の台日関係は史上空前の良好と胸を張るが、それならなぜ、日本は台湾に何の助けの手も差し伸べないのか」と蔡英文民進党政権を厳しく批判した。https://toyokeizai.net/articles/-/432747

 

それを見て、日本はモデルナのワクチン124万回分を64日に台湾に無償供与した。しかも、中国をわざと刺激するかのように、64天安門事件の日を選んで送ったのである。この大胆な日本の行動の裏には、米国の強い要請、つまり命令、があったと思われる。菅政権独自の判断なら、せめて天安門事件の日は避けるだろうと思うからである。

 

もし、日本独自の行動なら中国は報復措置を含めて日本に強い態度に出るだろう。それを避けるために、より明確に背後の米国を意識させるように64日を選んだ可能性もある。米国は、現在習近平政権は日本に対して報復できないと読んだのかもしれない。実際、型通りの非難以外ではなかった。それを確認した上で、米国は更に超党派の3名の連邦議員を載せた米軍主力のC17輸送機を用いて、75万回分ほどのワクチンを台北に輸送した。

 

この大型長距離用輸送機は、日本の124万人分のワクチン輸送のときの飛行機と異なり、戦車やヘリコプターなども輸送できる大型の輸送機であった。わざと大型の米軍輸送機の台湾への着陸を見せつけ、米国の本気度を示したのである。

 

HaranoTimesさんは、米軍軍用機の台湾上陸は、中国習近平政権にとってのレッドラインであるという。既に米軍兵士の台湾軍への合流が明確になっている上に、今回の大型の軍用機での台湾上陸は、レッドラインを踏み越える行動だとも言える。(補足2)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210607/k10013072431000.html?utm_int=news-new_contents_latest_001

 

 

 

2)米国は、中国を習近平独裁政権から一昔前の形(江沢民、胡錦濤政権)に戻すことを対中国戦略としている?

 

昨夜遅く公表されたHaranoTimesyoutube動画は、米国が上記サブタイトルの内容のように政策変更したと解説している。それについて、日本政府も一定の連絡を受けているように私は思う。その政策とは、習近平を中国共産党政権の座から降ろして、一昔前の江沢民や胡錦濤の時代の中国に戻すことである。勿論、それで解決すると考えるのは甘いとの反論はあるが、差し当たりの戦略かもしれない。

 

この戦略の前提は、習近平政権に対する大きな不満が中国共産党内部に存在することである。江沢民派とそこに属していた多くの幹部以が、現政権に大きな不満を持つことは疑う余地はない。なぜなら、習近平政権は王岐山を使って反腐敗運動と称し、習近平政権と対立する或いはその可能性のある人物を次々と潰してきたからである。

 

その反習近平になり得る勢力と意思疎通が出来れば、上記古い中国に戻す戦略は十分考えられる。上記動画では、その方向で作戦はもう始まっているという。上に書いたように、その作戦の中に日本の菅政権も使える駒として組み込まれていると思われる。

 

具体的には、大型軍用機でのワクチンと超党派議員団を台湾に送り込んだこと、それと軌を一にして、米国主要メディアの対中国姿勢が急変したこと、そして、そのような流れの中でCOVID-19の武漢P4研究所起源説が急浮上したことなどである。

 

これまでCOVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV2の出所が、武漢のP4研究所が疑わしいというトランプ政権の説は陰謀論として片付けられて来た。しかし、5月25日付けのワシントン・タイムズの二つの記事は、それが陰謀論ではないという内容である。勿論武漢P4実験室からの漏洩を示す直接証拠はないが、自然由来であるという証拠も出されていないのである。(補足3

 

大手マスコミは、民主党と米国支配層の報道機関であることは周知である。(補足4)従って、大手マスコミのCovid-19関連での中国報道の急変は、その裏の支配層の中国習近平政権に対する外交政策の変更を意味している。HaranoTimesさんによれば、最初はCovid-19対策を李克強(中国共産党政権No2)にまかせ、習近平は逃げていた。それが片付きそうになってから、その対策の手柄を自分のものにしようとした。米国民主党政権は、Covid-19武漢起源説でそのような習近平を攻撃することにしたのである。

 

それに、バイデン政権は中国との表面上の対立の裏で、親中政策を採っている。アラスカでの2:2米中会議で、ブリンケン国務長官と楊潔篪らの批難応酬は派手に報じられたが、その裏でのケリー元国務長官(現在大統領特使、気候変動問題担当)の訪中があった。ケリー特使は、何度も中国を訪問している。

 

良く知られているように、バイデン大統領の息子のハンター・バイデンは、父親に同行して中国でビジネスを始め、巨利を得ている。それを真面目に追求すれば、現大統領に飛び火することは確実だろう。それを裏返せば、バイデン大統領は中国共産党政権と太いパイプを持っているということになる。(補足5

 

3)新型コロナウイルス(SARS CoV2)の武漢病毒研究所起源説:

 

これまで「SARS-CoV2ウイルスが武漢P4研究所から漏洩した」という説が陰謀論として攻撃の的になったのは、米国の科学者達がその方向に議論を誘導したからである。その中心人物が米国国立アレルギー・感染症研究所のトップであるAnthony Fauci 博士と非政府組織Ecohealth alliance EHA) のトップPeter Daszakである。

 

SARS-CoV2は自然界由来である」という説がCovid-19が中国から世界に広がった直後から正統な説となったのは、Peter Daszakが中心となって27名の科学者の連名で意見書を、昨年3月LANCETという医学界の一流誌に投稿したからである。

 

また、Peter Daszakは、今年3月のWHO派遣の調査員として武漢病毒研究所に行った。僅か数時間のP4実験室を視察した後直ぐに、ウイルスは自然由来であるという証拠を科学は2-3年後に見つけるだろうと述べている。(Wall Street Journalhttps://www.wsj.com/articles/who-team-expert-expects-covid-19s-origins-will-be-found-within-a-few-years-11615415143

 

また、武漢病毒研究所でのコロナウイルスの機能獲得実験を支援したのは、Fauci 博士である。米国において、その実験を計画したもののオバマ大統領の時代に危険であるとして禁止されたので、それを武漢の病毒研究所に委託したのである。

 

政府NIHに所属のFauchi博士が支援した研究資金は、Daszakがトップの非政府機関Ecohealth alliance EHA)が受け取り、その一部を武漢病毒研究所に送ったのである。その研究を実際に行ったのが、中国の武漢病毒研究所のウイルス学者で、SARSウイルスの同定で有名になった“コウモリ婦人”こと石正麗である。石正麗とPeter Daszakは共著論文数編を発表する仲であった。この研究の中で今回のSARS-CoV2がつくられ、漏洩した可能性がある。

 

石正麗はCOVID-19のパンデミックが始まった直後、自分達の研究所からもれた可能性を考えたと思われ、数日眠れなかったと証言している。ただ、その後その可能性が無いとの結論に至ったというが、それが真実かどうかは解らない。

 

幾つかの状況証拠は、SARS-CoV2は武漢の研究所から漏れたという説を支持している。その一つは、上述のようにその可能性を否定する人の声が余りにも早く且つ大きかったことである。SARSの感染経路がほぼ解明されるのに何年も要したのに、SARS-CoV2に関しては、上記のように早々と自然由来で人工のものではないという声明をLANCET誌上で発表したのである。

 

更に、ウイルス学が専門の元疾病対策センターのロバート・レッドフィールド所長は、COVID-19が研究所で発生したとCNNに語った後、仲間の科学者から殺害の脅迫を受けたと語った。

 

勿論、ウイルスの感染力を強めるという機能獲得の研究に資金提供をしたことと、誤ってか故意にかわからないが、ウイルス兵器の研究を行って出来た兵器を漏出させたことの間には大きな隔たりがある。しかし、確かなのは、武漢病毒研究所とその内部でのウイルスの研究に、米国のFauciDaszakらが深く関与し、非常に詳しく知っているということである。

 

米国は、自分の身が切られる位に相手に近づいて刀を振り下ろせば、相手を切り倒すことができるのかもしれない。

 

 

補足:

 

1)この新型コロナの台湾での突然の流行拡大は、誰かにより仕組まれた可能性があると思う。未だ、その可能性はどこからも上がっていないが、急激な流行とそれをきっかけにした上記政治の急展開はそれを暗示している。

 

2)「米軍機が台湾と合意の上で、台湾から離着陸する時は、台湾統一の時である」と中国の機関誌グローバルタイムズが書いたという。https://www.youtube.com/watch?v=PWk-pHAf46s

 

3)ワシントン・ポスト紙のFact Checker Analysisという欄で、SARS-CoV2が武漢P4研究室から漏洩した可能性について触れている。Timeline: How the Wuhan lab-leak theory suddenly became credibleと題した記事。同じくOpinion欄でも、漏洩説の可能性について触れている。https://www.washingtonpost.com/politics/2021/05/25/timeline-how-wuhan-lab-leak-theory-suddenly-became-credible/ この記事は、及川幸久さんにより動画で解説されている。https://www.youtube.com/watch?v=bXMhuRziYQE

 

4)オバマ大統領が強化して米国支配層の日向の部分となったSESsenior executive service)組織は、共和党トランプ政権の下でも大統領の意向に反する行動をとった。その一つとして、ラトクリフ国家情報長官が、2020大統領選挙に外国の影響があったとメディアで喋りながら、その報告書を提出できなかったことの原因はFBICIASESが動かなかったからだろう。

 

5)ハンター・バイデンとオバマ政権時代のケリー国務長官の義理の息子との中国でのビジネスは、トランプ政権に二期目があったのなら、検察の捜査対象になっていた可能性がある。ケリー元国務長官は現在大統領特使(気候変動問題担当)として、何度も中国を訪問している。

https://news.goo.ne.jp/article/mag2/world/mag2-477549.html

 

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