2022年7月2日土曜日

ロシアによる日本攻撃の始まりなのか?サハリンー2の接収

1)サハリン2のロシア国有化は予想されていた

 

ロシアの敵対国となった日本に対し、その深刻さを知らしむる事態がロシアによりもたらされた。プーチン大統領がサハリン2の運営会社の資産を国家へ無償譲渡する様に命じる大統領令に署名したのである。(補足1)https://news.yahoo.co.jp/articles/c0b3a8fc90961b6e20ecd8cb3f355d37810f128f

 

 

日本の三菱商事、三井物産、英国のシェル(shell global)がそれぞれ1012.527.5%出資し、ロシアの国有ガス会社のガスプロム社と共同で設立した石油・LNG複合事業会社である。サハリン2の天然ガスの60%は日本に輸出されているようだ。https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/bg/natural-gas-group/project/sakhalin-2/

 

大統領令には、ロシア側の条件に同意する外国企業は1カ月以内に申告すれば新会社で現在と同じ出資比率を維持できると書かれているらしい。しかし、New York Timesが報じるところによると、シェル石油は2月に撤退を決めており、既にガスプロム出資事業の価値16億ドルを損金計上したという。(原文:Shell has already written off $1.6 billion of the value of Sakhalin-2.https://www.nytimes.com/2022/07/01/business/putin-sakhalin-natural-gas.html

 

日本商工会議所会頭の方は、「信じられない。契約によって投資したものを何の理由もなく国有化するようなことをもし本当にやるのであれば、将来、ロシアに投資をしようという民間企業はほとんどいなくなってしまう」とコメントしていた。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220701/k10013698441000.html

 

「何の理由もなく」という言葉は、ウクライナとロシアの戦争に日本は無関係だと思っていたことになる。公人の言葉とは思えない。
 

中日新聞によると、岸田首相は1日、「大統領令に基づき、正式にどんな対応を求めてくるか確認しないうちに、何か申し上げることはできない」と述べたという。首相は、待っていればロシアからの要求が届き、それから国内の業者と対策を練るらしい。しかしプーチンの考えは、何も言ってこなければ無償譲渡を強制することだろう。

 

岸田首相は、上記のような説明で国民が納得すると思っているのだろうか? 馬鹿にされている国民は、本当に馬鹿なのだろうか?

 

中日新聞の一面では、ロシア企業に売却することになるととれるように書いている。しかし、二面には専門家の「今回の決定は、中国などの新たな出資者を確保した上で判断された可能性がある」という意見を紹介している。https://www.chunichi.co.jp/article/499622 & https://www.chunichi.co.jp/article/499927

 

また、同じ紙面の直ぐ近くの記事に、日本国の年金資金を管理しているGPIFは、ロシア関連資産(帳簿価格2000億円)の査定額をゼロにしたと報じている。つまり、他人のお金を管理する人たちは英国シェルと同様に早々と損金処理し、自分の資金に未練を持つ三菱商事と三井物産は、最悪の事態(ロシア国による接収)は免れられると期待していたのだろう。
 

日本の二つの商社の損害は、このままでは相当大きくなるだろう。それに、この冬の電力事情が非常に深刻になることが心配される。岸田は正直に現状を国民に知らせるべきだ。


 

2)日本の将来

 

今回のウクライナでの戦争は、ロシアと米国の代理であるウクライナとの戦争である。そのことは、何度も書いてきた。これまで数万名のウクライナ市民の命が失われたことは、非常に気の毒である。戦場と戦争遂行を請け合ったユダヤ人大統領を出来れば弾劾すべきだったのだが、それが出来なかったウクライナ国民がその報いを受けたということなのだろう。(補足2)

 

今回のロシア制裁の先頭を喜んで請け持った岸田総理を罷免できなければ、日本国民も似たような報いを受ける可能性が全くゼロではないだろう。サハリンー2の国有化は、ウクライナに続いて悲劇の主人公になりますか?というロシアの脅しなのだろう。
 

ユダヤ人が多く含まれる米国のネオコン指導部にとって、ウクライナなどどうなっても構わないので、消耗して無くなるまで対ロシアの武器として使うだろう。それと同様に、日本も米国ネオコン指導部にとっては、どうなっても良い国と国民である。追随する英国も、ほとんど同じ考えだろう。
 

日本は、あの戦争で真珠湾を奇襲をした上、消耗しながらも非常にしぶとく米国軍人の命を奪った憎き相手である。そして、原爆投下という人類史に刻まれている米国の犯罪の証人である。そんな日本など、ロシアや中国と戦って消えてほしいと思っているだろう。

 

伊藤貫氏が国務省の役人たちから直接聞いたという「日本には永遠に核武装させない」という言葉を噛みしめるべきだ。アメリカは一貫して日本に対して侮蔑的であったことを、外務省のアメリカンスクールの人たちや自民党宏池会の人達は何故気付かないのだろうか?

 

補足:

 

1)サハリンー1は、サハリン北東端に鉱床を持つ。この会社にはサハリン石油ガス開発株式会社(SODECO;ロシア、米国、日本の石油資源開発が出資)が30%出資している。日本の会社は関節的に4.59%出資していることになる。未だ、国有化の話は出ていないようだ。

 

2)20世紀後半以降の国際社会では、国際法は平時の理想論である。従って、相手国が国際法違反をして戦争を仕掛けてきたとしても、こちら側の首脳に戦争発生の責任が無かったことにはならない。つまり、日本の政権も、非武装で戦争を仕掛けるつもりはありませんと宣言しても、戦争になった場合には国民に対してその責任を取らなければならない。

 

(補足2は、10:45に追加;12:45編集あり)

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