2023年3月26日日曜日

日露戦争とは日本が米国の代理でロシアと戦った戦争なのか?:日本に真実を見る文化が欠けている

 

ウクライナ戦争が、ウクライナを米国の代理とする米露戦争であることを、日本国民一般はあまり知らない。それは、地上波TVが領土拡大欲に駆られたプーチンロシアがウクライナを侵略したという図式で一貫して報道してきたからである。


そして、この戦争に関する日本の外交は、そのモデルに基づき米国の指示でなされているように見える。ゼレンスキー大統領が、ウクライナの復興には日本のリーダーシップが大事だと言ったことにも、地上波テレビの出演者は何の違和感も感じなかったようだ。(補足1)


一方、サウジアラビアとイランが中国の仲介により国交を回復した。イスラエルのネタニヤフ首相は、アラブ諸国が対イスラエル包囲網を作るのではないかと危機感を抱き、中東が一気に不安定化の度合いを高めている。


もし、イランの核施設をイスラエルが攻撃したなら中東は大戦争の舞台となり、米国はそこに介入するだろう。その状況は、習近平中国が台湾進攻を開始するチャンスで、日本も戦争に巻き込まれる危険性があり、東アジアも一挙に緊張が高まるだろう。


米国は日本と韓国に対して、台湾応援を指示するだろう。そのような情況では、韓国は日和見を決め込む可能性があるが、米国の飼い犬的な日本にはその賢明さがない。それに加えてホルムズ海峡封鎖の結果、日本は深刻なエネルギー危機に陥ると考えられる。


もし、日本がウクライナ戦争に対して戦略的対応ができていれば、日本企業も出資をしている関係もあり、サハリンからの天然ガスでエネルギー不足をある程度緩和できる筈である。
 

日本は上記米露代理戦争でも、インドのように非協力的な立場をとるべきだったと思う。ウクライナ支援の先頭に立つような言動と行動は、中国と北朝鮮の核兵器に加え、ロシアの核兵器まで日本に照準を合わさせることになるからである。

 

元々、ロシアと中国は地政学的理由で仮想敵国関係にある。従ってロシアは、日本の対中防衛に関し利用価値の高い国だった。このような愚かな選択を日本政府がしたことの背景に、20世紀の初めから英米の日本とロシアに対する戦略があったと思う。

 

その戦略に乗せられた日本の岸田政権は、深慮遠謀もなく、ロシアを日本の仮想敵国にした。

 

 

2)日本のロシア嫌い

 

日本のロシア嫌いの背景に、日露戦争と第二次大戦があるだろう。それらは単に隣国との摩擦から始まった戦争と言うだけではなく、米国や英国の世界戦略に日本が利用された結果である可能性が大きい。これらの戦争のときには、日本も英米を利用した側面もあっただろう。

 

つまり米国は日本を、日本は米国のユダヤ資本を利用しようとしたのである。その英米との関係史の最初に位置するのが、明治維新である。それについては既にブログにしている。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12745118632.html

 

日本の武士の文化は成熟していたので、英国のユダヤ資本は日本を東アジアでの同盟国にしようと考えたのだろう。ただそのままでは、したたかな江戸幕府を意のままに扱うことが困難なので、英国は薩長というマイノリティを利用して、日本を利用可能な国に仕上げたのだろう。(補足2)

 

近代史を通して、英米は日本と近隣諸国との間にクサビ(補足3)を打ち込もうとしてきたのだが、日露間もその例外ではなかったと思う。そして日本の満州への展開や日露戦争も、米国や英国のユダヤ系資本の戦略的な働きかけの要素が大きかっただろう。(補足4)

 

その計画の最大の項目である日露戦争は、従って、日本を米国の代理とした米露戦争という側面があっただろう。(補足5)米国は、日本も米国の意思を正しく理解してくれると期待していたのだが、日本は自力でロシアを破ったと誤解した。

 

具体的には、英国と米国のユダヤ資本は、日本に戦争資金を貸し付けた。更に、ヨーロッパ側でレーニンやトロツキーというユダヤ人たちが、ロシア国内でテロを引き起こしてロシアが日露戦争に集中できないようにした。更に、米国のS・ルーズベルト大統領は終戦の仲介までしたのである。

 

このルーズベルトの働きを、親日的という言葉で形容するのはナイーブを通り越して愚かだろう。ルーズベルトは、ユダヤ資本のために働いたのだ。それは、タフト大統領を強引に落としてウイルソンを大統領にする時に証明されたと思う。

 

ルーズベルトは自分が所属していた共和党を割り、自身も立候補することで共和党のタフト候補の票を減らしたのである。その結果、ウイルソンは辛勝を果たし、大統領就任後ユダヤ資本の悲願であったFRB創設を行ったのである。

 

もし、日本が日露戦争の本当の意味を理解していたなら、大衆の反乱を抑えてでも、桂ハリマン協定を実行し、第二次大戦において米国の餌食にならなかっただろう。強いものには巻かれる振りをしながら、それを利用するのが本来の外交の筈である。

 

3)真実よりも和を大切にする日本文化:

 

本来の外交がない理由は、日本は真実を重要視しない文化の国だからである。そして身勝手な歴史の解釈を正史として記述することで、現在を最大限に重視し未来を軽視するのである。天武天皇による日本書紀も、漢の武帝が司馬遷に書かせた史記を模倣した、その様な文化の産物である。(補足6)
 

現在、日本は真実よりも、当面の和と幸せを大事にする文化に支配されている。例えば、会社経営では、不採算部門の整理は苦しむ従業員のことを考えて行わず、会社全体が滅びて皆が苦しむ道を選択する。

 

カルロスゴーンが日産の復活を不採算部門の切り捨てにより成功させ、見事に日本の弱点を描いて見せた。しかし、その絵が描く真実は日本人には見えず、「日本がデフレに苦しむのは財務省の緊縮財政に原因である」と今でも言っている。

 

 

【経済討論】積極財政論の何が問題か?[桜R5/2/24] - YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=BMbM9T7Nz98

 

終わりに:

 

今回のWBCでの日本の優勝も、その原因の一つに米国各球団が開幕投手の参加を嫌がったことがあるようだ。それについては、日本のほとんどの人は知らない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/08a039de0cc14ba3b91a54e0f080404034f8cf9a

 

何故、米国はWBCを重視しないのかについては、例えば米国のWBC中継の視聴率を見ればわかる。数千万人が視聴するアメリカンフットボールのチャンピオンを決定する試合より遥かに少なく、せいぜい500万人くらいしか視聴しなかったようだ。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/239536

 

人々の和は現在の幸せには非常に大事だが、真実を深く追求する文化は将来の幸せを考えた場合に必須である。

 

 

補足:

 

1)岸田首相がウクライナの首都キエフを電撃訪問したときの首脳会談における言葉である。ゼレンスキーが日本にこの戦争を和平に導くリーダーシップを期待するとは言わなかった。つまり、日本に期待するのは復興のためのお金だと言ったのである。

 

2)ある程度成熟した政治の国で主導権を握るには、マイノリティを手名付けてクーデターを起こさせる方法が採られる。それはブレジンスキー元米国大統領補佐官が言った言葉でもある。よく考えてみれば、それは当たり前のことである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12674960725.html

 

3)分かりやすい例は、第二次大戦後に残った竹島、尖閣諸島、北方4島などを対象とした領土問題である。米国は、日本を周辺諸国から孤立させるためにワザと残した。

 

4)おそらく、満州を共同で開発して、ユダヤ人の住処としたかったのだと思う。そのアイデアに乗った日本軍部は、ユダヤ資本を利用して利益を得ようとしたのが所謂「フグ計画」である。米国は日本を、日本は米国のユダヤ資本を利用しようとしたのである。

ユダヤ人の反日感情の原因か? 満州でのユダヤ人移住者への対応 | Social Chemistry (ameblo.jp)

 

5)このモデルは、現在のグローバリズムがトロツキーの共産思想の延長上にあるという理解が常識になったためと、ウクライナ戦争の意味から、私個人が思いついたものである。

 

6)正史を都合よく書くのには、その後の政権の安定を考えると当時では必須だったのだろう。それをこのように形容するのはいささか傲慢であるが、敢えて話の筋を優先した。

 

(16:20、編集)

 

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